
フォーティーンのニューウェッジ(写真はHソールタイプ)
「MT28」の激スピンが復活!?

ルール適合内でスピン性能がアップしたニューウェッジのフェース面
最新モデルには、フォーティーン(FOURTEEN)の刻印のみ施されている。
RMシリーズから2年ぶりに発売されるニューウェッジの特徴は「原点回帰」。そう話すのは、プロたちからの信頼が厚いベテラン担当者飯塚裕一さんだ。
「フォーティーンのウェッジの特徴が、上級者より中級者……、よりアマチュア向けへとやさしい方向に流れていました。プロの多くが新しいモデルにチェンジしにくくなっていたので、プロや上級者が好むモデルとして開発されました。ルール適合の範囲内で『MT28』のようにスピン性能もアップしています」
「DJシリーズ」や「TKシリーズ」のような、アマチュア向けに発売されたやさしいモデルから、2002年の発売で一世を風靡した「MT28」のようなスピン性能を備え、プロや上級者が好む「原点回帰」のモデルだ。
ソール形状は4タイプ

ニューウェッジのソール形状は4タイプ。左がTソール(臼井麗香用)で、ソール中央部で2つに分かれたツインソールタイプ。右がHソール(金田久美子用)でバウンスが効いたタイプ。ほかにS(スタンダード)ソールとW(ワイド)ソールがある
ニューウェッジにはソール形状が違う、Tソール、Hソール、Sソール、Wソールの4タイプある。
「構え方や打ち方、”抜けの良さ”など、プロによってこだわりがみな違います。女子プロのみなさんにも気に入ってもらえるはずです」(飯塚さん)と女子ツアーのNEC軽井沢からニューウェッジが投入された。

ヒール部分の抜けにこだわりを持つ臼井麗香はTソールを手にした
4つのタイプからTソールを選んだのが10年来フォーティーンを愛用する臼井麗香。Tソールは4タイプのなかでよりソール幅が狭く、バウンスを抑えたタイプだ。
「臼井さんのウェッジは特殊で、RM22をトウ側にかけてお尻を落としています。今回はヒール側のソール幅を思い切り狭めて、開いたときにヘッドがすぐ抜けるように削りました」(飯塚さん)
削りや研磨技術の高さもフォーティーンならではだが、最新モデルをさらにプロ好みに加工したウェッジを臼井は手にした。
「Tソール」は抜けがいい!?

臼井が長年愛用するRM22(左)と臼井の好みに合わせて研磨したTソール。サビ防止として"黒染め"仕様になっている
「打感が良く、低くいい球が出ます。抜けもいいです。ソールの形状がいままでとは若干違うので、そこに慣れたら、変えるかもしれません」(臼井)
フェースを開いたときにソールの抜けが良くシャローに打つタイプに合いそうなTソール。
2016年に発売されたRM22をずっと使用し続けている臼井も、8年ぶりにモデルチェンジできるかもしれない。

RM22を愛用している脇元華はTソールを手にした
同じくTソールを選んだのがプロ入りから「RM22」を使っている脇元華。
「RM22よりスピンがすごくかかる感じです。打感もいいですね。最初はインパクトでつっかかることがありましたが、少しヒール部分も削ってもらったらかぶりがなくなりました」と新モデルに変える可能性を話した。
「Hソール」はバンカーも打ちやすい!?

「MT28」からフォーティーンのウエッジを愛用している金田久美子はHソールを手にした
Hソールを選んだのは金田久美子。「バウンス効果を一番得られやすい」(飯塚さん)というのがHソールで、鋭角に打ち込むタイプの金田向き。テストしてすぐ、「52度と46度もありますか?」と手渡された56度をすぐに気に入り、ほかの2本も即注文するほど。
「右に行くことがなく、バウンスも使いやすいので操作しやすいです。スピンも効いてめちゃいいです」と好感触。
「苦手なバンカーでバウンスが使えるので、バンカーショットも打ちやすそう」とアプローチとバンカー両方に対応できるバウンスが効くHソールにハマりそうだった。
担当の飯塚さんが「原点回帰」という「MT28」のルーツを感じさせる最新モデルは、再度ウェッジ市場に新たな歴史を刻み込めるか。
撮影/岡沢裕行、大澤進二