シャフト、ボール、ドライバーのロフト角がセッティングのキモ
「全英女子オープン」前週の「CAT Ladies」参戦中にJLPGAから出場資格を獲得したことろ聞き、即座に渡英を決め、日曜日の夜には機上の人となった。寒さと強風のなか、プレーしたことのないリンクスでのゴルフに多くを学んだようだ。
特に風の中でもドライバーショットが良かったというので聞いてみると、「CAT Ladies」からシャフトを交換したことで弾道が低くなり、「全英女子オープン」でも奏功したとのこと。それまで使用していた日本シャフト「NSプロ レジオ フォーミュラ MB+」から「もう少し弾道を低くしてスピン量を減らすため」に先端剛性が高くスピン量を抑えられる同メーカーの「NSプロ レジオ フォーミュラ B+」へとチェンジしていたという。
日本シャフトのツアー担当者・常山洋佑氏によると「テストは『ミネベアミツミ レディス』から取り組み、スピン量は3200rpm前後から2800rpm前後へと減少し、打ち出し角も低くなったことで『CAT Ladies』から投入していました」とのこと。その結果、全英女子オープンでは1オーバー30位タイでの予選通過につながったようだ。
ヘッドはピン「G430 MSX 10K」の9度のモデルをネック調整機能で10度へと調整し、好みの「つかまり顔」にしている。そして直進性の高い「MAX10K」の特性を生かし、基本はフェードヒッターだがホールによって曲がり幅の少ないドローとフェードを打ち分けながらコースを攻めるスタイルだ。
もうひとつボールにも注目してみると、タイトリスト「プロV1x レフトダッシュ」を「大東建託・いい部屋ネットレディス」(7月中旬)から使用している。これは「プロV1」よりもスピン量を抑え、「プロV1x」よりも弾道は低めという性質で男子では幡地隆寛も使用しているモデルだ。
スピン量を抑えると大きく曲げたりする操作性に劣る部分もあるだろうが、スピン量が多すぎるプレーヤーにとっては選択肢になる「プロV1x レフトダッシュ」の使用も風に強い弾道に一役買ったという。
しっかり目の打感だが元々「プロV1x」を使用していた佐久間にとっては許容範囲であったし、グリーン周りのアプローチでもスピン量不足を感じることはほとんどないと教えてくれた。
慣れない海外メジャー、しかも強風のセントアンドリュース・オールドコースというリンクスコースに火曜日から入り、予選通過するためには、技術、体力、メンタルだけでなくギアも大きな要素になったはず。今週開催の「ゴルフ5レディス」でも佐久間朱莉に注目してみよう。
写真/中村修