10勝目をもたらしたハンドクラフトのクラシカルパター

このパターは、以前から持っていたものの、ツアーで使用したのは初めてだったという。この試合の「グリーンコンディションに合うんじゃないか」と思い、投入を決断。いきなりの勝利となった。
8月のフェデックスセントジュード選手権で、PGAツアー10勝目を挙げた松山英樹。その手に握られていたのは、エースパターのタイムレスではなく、『クラフツマン』だった。
クラフツマンは、その“ハンド”スタンプが示すとおり、キャメロン氏がハンドクラフトしたクラシックスタイルのパターである。そのシリーズとなる松山のパターは、スクエアなヘッドのルックスが特徴の一本だ。

「クラフツマン ツアープロトタイプ」クランク型のプラミングネックが溶接で装着されたクラフツマン。クラシカルなヘッド形状に、サイトドットと、「S.C.“Hand”CRAFTED」のスタンプが刻印された、シンプルなデザインが特徴
このパター、一見すると難しそうな印象を受けるが、ブレットソール(bullet sole = 弾丸が削ったソールという意味)と呼ばれるソールの溝によって重量が四隅に配分され、スイートエリアが広げられている。つまり、見た目はクラシカルでハードでも、実はやさしいというハイテクモデルなのだ(松山のパターは、ソールの溝が樹脂で埋められている)。
今後の使用については、あくまでグリーンの状態次第で未定なのだとか。さて、松山が次の勝利を挙げるとき、彼の相棒に選ばれているのは、タイムレスか? クラフツマンか?
PHOTO/Getty Images
THANKS/アクシスネットジャパンインク、スコッティキャメロンゴルフギャラリージャパン
※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月24日合併号「キャメロンマニア宣言」より