初めてクラブを握った場所はどこですか? と聞くと、多くのゴルファーからは「ゴルフ練習場」という答えがかえってくる。子どもたちであれば、なおさらだ。
地域ゴルファーの創出、ゴルフ業界全体の活動を支援し、底辺拡大を振興しているのが「JGRA(公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟)」なのだが、同連盟が行っている「JGRAジュニアゴルファー検定」をご存知だろうか。
この検定制度は初めてゴルフをするジュニアが練習場からゴルフ場でプレーするまでを4ランク12級に区分し、ゴルフスキルとルール&マナースキルの両方を順序良くステップアップしていける日本で唯一の公式ジュニアゴルファー制度なのだ。
この夏にも全国各地で検定会が実施され、毎日熱中症アラートが出される酷暑のなかでの運営の工夫がなされている。
7月29日、戸塚カントリー倶楽部(神奈川)での検定会は、参加者8名。熱中症対策で、6時50分の早朝集合。ジュニアの体調問診、氷や瞬間冷却材、追加ドリンクなど、対策はさまざまだ。参加ジュニアの居住地域も受験ランクもさまざまなため、緊張気味だった初参加のジュニアも準備体操、打撃練習、パター練習と進み、いざスタートをすると、一緒にプレーしている少しお兄さんのジュニアと慣れはじめ、笑顔になっていく。プレ―後には「ありがとうございました」と組についた検定員にきちんと挨拶をして、クラブハウスでペーパーテストを受ける。
8月20日、我孫子ゴルフ倶楽部(千葉)での検定会は、参加者7名。暑さ対策として例年より2時間前倒しのプレー。保護者がジュニアのキャディとなり、万全を期した。夏の長いラフ、深いバンカー、速いグリーンと難しいなかでも親子二人三脚でのチャレンジは、順調なプレーのかいあって暑い時間になる前にそれぞれが帰路についた。
検定員はスコアラーとしてスコアを付けるだけでなく、ランクごとに習熟すべきルール・ラウンドマナーの項目に応じて、できていること、未習熟なところなどを所見に書いて提出する。それをジュニアたちが次への課題にできるようになっている。
「最初から上手な人はいません。生涯プレーできるゴルフの醍醐味をジュニア期から正しい学びの積み重ねでグッドゴルファーの道を歩んでいってもらいたいと願っています。検定はジュニアがゴルフスキルの着実に習得できるようになっています。ジュニア、保護者、指導者が、プレーヤーであるジュニアの、現在レベル地点がわかり、次の目標を照らすことでやることが明確になります。道しるべとなっていますのでトライしてみてはいかがでしょうか」とはJGRAジュニア委員会服部朋春委員長。
今後も全国各地で検定会は続く。東北では「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(9月20日~22日利府ゴルフ倶楽部)内の9月22日に開催される。
パリオリンピックでは男女ともに日本人選手が活躍。検定会でコースデビューしたジュニアが将来プロゴルファーになり、果てはオリンピック選手となったときに、技術だけでなくマナーも体現できる世界に誇れるグッドゴルファーであることを願う。
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公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟