「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」の最終日は、首位タイからスタートした佐藤心結が最終組の三つ巴の混戦を制し初優勝を飾った。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

最終日の序盤は、先を行く竹田麗央選手が4つスコアを伸ばし首位タイに躍り出て試合を引っ張りますが、8番のパー5で池に入れ、まさかのダブルボギーで失速します。同組で同じく首位タイから出た河本結選手は、前半に2つのバーディを奪い13アンダーまでスコアを伸ばします。尾関彩美悠選手も2つスコアを伸ばして11アンダーとし、佐藤心結選手は1つスコアを落とし10アンダーで折り返します。

画像: 「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で初優勝を飾った佐藤心結

「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で初優勝を飾った佐藤心結

佐藤選手が11番パー5でバーディを奪い11アンダーに戻すと、河本選手がボギーを叩き12アンダーに後退。続く12番で尾関選手がバーディで河本選手と首位に並びます。

「勝負は14番から」とツアーで活躍したレジェンドたちの言葉の通り、14番パー4で尾関選手がバーディで一歩抜け出しますが、佐藤選手もバーディで追いかけます。佐藤選手はここでスイッチが入ったように15番では約50センチにつけバーディ、16番パー3はピン奥のラフとの境目からチップインバーディ、17番では10メートル強の距離から放り込み、4連続バーディで勝負を決めメルセデスポイントランク84位からの下剋上で初優勝を手にしました。

画像: 14番からの4連続バーディで勝利を手繰り寄せた

14番からの4連続バーディで勝利を手繰り寄せた

2021年にはここ東名CCで開催された「ゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップ」15から17歳の部で優勝し、その資格で今大会に出場するとプレーオフまで残りました。渋野日向子選手に敗れはしたものの強烈なインパクトを残した思い入れのあるトーナメント、思い出あるコースでの初優勝となりました。

佐藤心結選手の今シーズンはシード選手として参戦していましたが、28試合に出場し17回の予選落ちを経験し苦しいシーズンを送っていました。「自信を失って、コースではハザードばかりが見えていた。ゴルフを難しく考えすぎていた」と優勝会見では振り返りました。

そのどん底から這い上がるきっかけをくれたのは、米山みどりプロから素振りと実際のスウィングのギャップをなくすというアドバイスや、「CAT Ladies」でキャディを務めた兄・俊貴さんのポジティブな言葉、そして渡邉彩香選手を指導する坂詰和久コーチのアドバイスなどでシンプルに考えられるようになり浮上してきたといいます。

ダイヤモンド世代と呼ばれる、竹田麗央、川﨑春花選手の同期たちを祝福する側から祝福される側へと立場が変わり、「肩の力が抜けたというか、解放された感じ」とウィニングパットを決めた瞬間の思いを教えてくれました。

苦しみながらもひたむきに練習に取り組んできた、佐藤心結選手のこれからに期待しています。

写真/有原裕晶

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