スコットランドの名門3コースで開催されたDPワールドのアルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権でシード権を持たない41歳のベルギー人、ニコラス・コルサーツが2位に入った。セントアンドリュース・オールドコース、カーヌスティ、キングスバーンズGLをプロアマ形式で3日間プレーし、最後はオールドコースでプロのみが雌雄を決する大会で躍動した彼は特筆すべきプロフィールを持つ人物だった。

ベルギーの首都ブリュッセル出身のコルサーツはDPワールドツアーで3勝の実績を持つ。しかし21年に腎臓疾患を患い闘病生活を余儀なくされた。腎臓の血管が損傷し肥厚することで起こる膜性腎症だ。損傷した血管からタンパク質が尿に漏れ出す難病で確実な治療法はない。

そのためシードを失い最近は主催者推薦でツアーに出場する傍ら、テレビのコメンテーターなどを務めている。

「最近の数試合はただ出場するだけといった状態だった。だからこの大会も何も期待せずにスタートした。ツアーに残るか、それとももっと頻繁に放送ブース(テレビ)に入るか、迷いながらね」

画像: DPワールドツアー「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で2位となったニコラス・コルサーツ(写真/Getty Images)

DPワールドツアー「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で2位となったニコラス・コルサーツ(写真/Getty Images)

しかし試合が始まってみると3日連続65の好プレー。キングスバーンズを回った第3ラウンドでは16番のパー5でアルバトロス奪取に成功。この日61をマークし、首位に立ったハットンに1打差の単独2位に浮上した。

「アルバトロスは滅多にないことだから特別なラウンドになった。6番アイアンのショットは手応えがあった。でもまさか入るとはね。とてもスペシャルだ」

オールドコースでの最終日もハットンと接戦を演じたが1打及ばずコルサーツは単独2位。それでも表情は清々しかった。

競技を続けるかテレビブースに入るかの迷いはこれで吹っ切れた。

「もう少しプレーすることになりそうだ。どうなるかはわからないけれど今週達成したことは誇りだし満足している」

フランス語、英語、オランダ語、スペイン語、イタリア語を流暢に操る彼は昨年のライダーカップでルーク・ドナルドキャプテンから副キャプテンに任命された。

「ライダーカップは最高。選手としてでも副キャプテンでも、テレビ中継でも、どんな小さな役でも参加できること自体が素晴らしい」というとコルサーツはこう付け加えた。

「でもチーム(欧州)が僕以上に必要としているのは(優勝した)ハットン。向こう側(LIVゴルフ)に行った人だけれど、彼は間違いなくチームの主力選手のひとりだから」

This article is a sponsored article by
''.