アマチュア時代に目立った戦績もなく3年前からコーンフェリーツアー(下部ツアー/以下KFT)に出場し始めたものの、つい3カ月前までまったくの無名の存在だった。
そんなマッカーティが7月のプライスカッターチャリティでKFT初優勝を飾ると1カ月ちょっとの短期間で立て続けに3勝を挙げたのだからその覚醒ぶりは目覚しい。
KFTでシーズン3勝を挙げた選手には即PGAツアー昇格の資格がある。昨年の今ごろ世界ランク400位台だった伏兵があれよあれよという間にレギュラーツアーに上がり、気づけば出場3試合目でバリバリのシード選手&パワーランキング1位(最有力優勝候補)のステファン・イエーガーに3打差をつける圧勝を飾ったのだ。

今季下部ツアーで3勝を挙げてPGAツアーに昇格すると、出場3試合目の「ブラックデザート選手権」で初優勝。破竹の勢いでシード権まで獲得したマット・マッカーティ(写真/Getty Images)
「正直こんな結果になるとは想像もしていなかった。ここのところ我が身に起こったことを思うと、優勝は偶然の産物じゃないかと思う」と驚きを隠せなかったシンデレラボーイ。
この勝利で獲得したのは優勝賞金135万ドル(約2億円)と26年までのシード権。そして来たるべき25年にはハワイでおこなわれるエリートフィールドのセントリーでシーズンをスタートさせる。
さらにマスターズと全米プロの出場権も獲得。KFTで3勝を挙げただけでなくポイントランクもトップだったため、その特典ですでに全米オープンと第5のメジャー、プレーヤーズ選手権の切符まで手に入れている。
世界ランクも無条件で4大メジャーに出場できるトップ50(47位)圏内に浮上し、あとはフェデックスフォールの残り試合で現在のポイントランク95位からネクスト10(51位から60位)入りすればシグネチャーイベント2試合の出場権も与えられ完璧なシナリオだ。
勝因は飛距離アップのため取り組んだスピードトレーニングの成果が出たことそして体重増量作戦の成功だという。
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