2007年に年間5勝を挙げ、当時の史上最年少で賞金女王に輝き、通算18勝を挙げた上田桃子が実質的なツアー引退を迎えた。彼女の最終戦となった、大王製紙エリエールレディスの会場で、青木瀬令奈、原英莉花に話を聞いた。

11月3日、上田桃子が突如として自身のインスタグラムでツアー撤退を宣言。それから10日余り……。最終戦であるJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは、出場者が限定されるため、実質的な今季の最終試合となる大王製紙エリエールレディスを迎えた。メルセデス・ランキングが46位(465.38pt)の上田桃子にとって、優勝しなければ、自身のツアー人生の終わりを意味する試合だ。

練習日の会見では「自分の持っているものを全部出し切って来週に繋げたい。余裕がないので、明日になったら泥臭く。最終的には勝負に徹していくと思います。一生懸命にやる姿は見せれると思います」と話していた上田。

インスタートだった初日は、17番ホールまでパーセーブするも18番ホールでダボ。後半の2番ホールでもダボと調子が上がらず、終わってみれば1バーディ2ボギー2ダブルボギーの5オーバーで93人中90位タイでブービーだった。

第2ラウンドは「バーディを取ることだけを考えたい」と話したとおり、前半の7番でバーディ、そして10番、11番を連続バーディを奪い、「本領発揮か」と思われたところ、続く12番、13番をボギーとし、やはり上昇気流に乗れない。17番でバーディとするも、最終18番をボギー。2日目を1アンダー、トータル4オーバーの88位タイで終了。この結果、この大会が最終戦となることが確定。

なお、ホールアウト時には選手やギャラリーから盛大な拍手を浴び、笑顔でコースを後にした。

画像: 関係者全員で上田桃子を見送った(撮影/岡沢裕行)

関係者全員で上田桃子を見送った(撮影/岡沢裕行)

「カッコいい姿を見せてもらえてありがとうございました」(原英莉花)

10歳でゴルフをはじめてすぐくらいのときに、CAT Ladiesではじめてゴルフ観戦に行ったんです。雨のなか18ホールを観たあとに桃子さんに帽子にサインをもらったんですが、雨でインクが出なくて、でも一生懸命書いてくださったのが思い出に残っていて……。そのときの桃子さんがカッコいいと思って。そういう桃子さんに憧れてプロプロゴルファーになりたいと思って、ここまで来れたので。

一緒にプレーできるのも夢みたいでしたし、同じブランドを着させてもらってものすごく嬉しかったです。憧れすぎてあまりうまく話せなかったんですけど、試合に来て桃子さんがたくさん練習している姿を見て、私も頑張ろうって思って。

すごく寂しいですけど、カッコいい姿を見せてもらえてありがとうございましたと言いたいです。

画像: 上田桃子と同じパーリーゲイツとウェア契約をしている原英莉花(写真はスタンレーレディスホンダ最終日、撮影/有原裕晶)

上田桃子と同じパーリーゲイツとウェア契約をしている原英莉花(写真はスタンレーレディスホンダ最終日、撮影/有原裕晶)

「また帰ってきてくれることを期待しています」(青木瀬令奈)

桃子さんとは、ここ1、2年ぐらいで私の成長とともに話しかけられるようになった印象です。私も桃子さんも試合中に選手と話す方ではないので、よく話す相手ではなかったんですが、スポンサー(ランドローバー)が一緒になり、オフのイベントなどで、一緒に写真撮ってもらって。

桃子さんはやっぱりかっこいいです。ずっと憧れだし、目標です。この世界って毎日が苦しいと思うんですけど。その中で向上心と研究心がすごくて、人一倍、心を燃やして取り組む姿勢が、練習を見ててもそうですし、インスタとかで見ててもすごいんです。

尊敬するし、ザ・アスリートだなって。こうなんなきゃダメなんだなってすごく勉強させてもらいました。ずっとそうやって背中を見せてくれる先輩がいるっていうのが。私自身、30歳を超えてきて、色々な悩みだったり、変化だったり。それにどう向き合っていくかっていうのをちょっと考えた時に、「あ、桃子さんを学べばいいんだな」っていう。本当にお手本のような先輩でした。

ちなみに、私は戻ってくると思っているんです。桃子さんは根っからのアスリートなので、きっとまたこの苦しい世界に足を入れるのではないかと。後輩として期待してます!

画像: 青木瀬令奈は上田桃子と同じランドローバーがスポンサー。スポンサーイベントなどで仲良くしてもらったという(写真は大王製紙エリエールレディス初日、撮影/岡沢裕行)

青木瀬令奈は上田桃子と同じランドローバーがスポンサー。スポンサーイベントなどで仲良くしてもらったという(写真は大王製紙エリエールレディス初日、撮影/岡沢裕行)

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