
2024年11月の大王製紙エリエールレディス、小祝さくらと同組で予選ラウンドをプレー。上田桃子の最後の試合となった(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)
小祝さくらは上田桃子が大好きだ。ゴルフや人生について多くのことを教えてくれた頼りになる先輩であり、姉のような存在だ。その上田は、24シーズンで一線を退いた。最後の試合で、小祝さくらは自分でも驚くほど涙が溢れた。
「自分が想像していた以上に泣けました。本当に最後だと思うと寂しかったですね。でも、いつか来ることだとは思っていたし、桃子さんの決断は意外とすぐに受け止められたんです」

桃子の区切りの試合となったエリエールレディス。さくらの目からは、まるで自身の気持ちのように大粒の涙が溢れ出た
上田の好きなところを聞くと、「いっぱいありすぎて、ひとことでは言えないんですけど、なんだかカッコいいですよね。プレースタイルもそうですし、ゴルフに対しての考え方なども、すごいなあと思うことばかりで……」と共に過ごした長い時間を噛み締めるように話すさくら。
「教わったこともたくさんあって、たとえばゴルフに関しては、バンカーの打ち方を悩んでいるときに教えてくれたりしてすごく勉強になりましたし、プロに入ってすぐの頃は挨拶など礼儀の面も教えてもらいました。ゴルフ業界がどういうものかもわからず入ったので、ありがたかった。生き方でマネしたいところは、何に対しても熱心なところです」と、上田の魅力を次々と語るさくら。

福岡での試合の時に山村彩恵の実家のお寿司屋さんで。2024年の年間女王となった竹田麗央も「桃子さんファン」
「おしゃれ番長だなとも思います。レベルの高いおしゃれで、普通の方には難しいものもカッコよくバリバリ着こなして、品があって高級感がある感じで、ファストファッションなんかもカッコよく着こなせるんです」
「あと、一緒にいて感じたことは、何でも『勝負しよう』と言ってくるんです。合宿中に夜ご飯をかけてラウンドしたりしましたけど、どんな勝負にも絶対負けたくないという感じを出してくる。そういう強気な負けず嫌いなところは、自分ももっとそうなりたいと思う部分ですね」

2023年のエリエールレディスにて。楽しいことが大好きな2人には、面白エピソードが満載だ。姉妹のような写真も多い
これからも〝いい関係〟が続きますように
そして突然、「ふふふ」という笑いとともに「桃子さんは、意外と天然なんですよ」と話し始める天然さくら。
「みんなで、ドッキリみたいなことをやったとき、まんまと引っかかったのが桃子さんです。誰よりも真面目にやってくれるから、周りは笑いをこらえるのに必死で(笑)。ほかにも面白いエピソードはいっぱいあるんですよ」
心からの感謝の気持ちをちょっとした笑いに変えて送り出すのも小祝流である。
「これからも桃子さんに会えなくなるわけではないので、仲良く、こういった関係が続いたらいいな。今年は一緒にTWICEのライブに行く機会もあったので、これからまた、カラオケやピクニックやバッティングセンター、野球観戦などに一緒に行きたいです。そういうことが楽しみだったりします」

2023年のマスターズGCレディースでの引退セレモニーでイ・ボミを送り出した。別れではなく始まりです
人生の先輩〝桃子さん〟とのいい関係はずっと続いていく。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7日・14日合併号より