会場となる宮崎CCは波の音が聞こえるホールがあるシーサイドコース。風が吹くと途端に難易度が高くなります。気象データでは気温20度、風速2m/sでしたが午後からはやや強く吹き、風の読みにくさ、コウライグリーンの芝目、セミラフが今年から設定されたことで狭くなったフェアウェイなどの条件が重なり、初日のような好スコアを出すことは難しいコンディションになりました。
今大会は2サムのワンウェイでのスタートになっているので、トップの8時30分から9分間隔のスタートで最終組は11時21分となっています。今日は成績順に組み換えられた最終組の原英莉花、桑木志帆選手について18ホールを歩きました。
初日の原選手は前半からバーディが先行しスコアを伸ばしましたが、2日目の今日は1番で2mのパーパットを決めると、2番のパー5はバーディパットを決められずにパー。3番でピンに絡めてバーディとし、流れに乗りそうな雰囲気で5番のパー3。ティーショットを1.5mに付けましたがこれを決めきれずにパー。流れに乗り切れません。9番のパー5では2打目を左に引っかけ、左ラフからの3打目をグリーン手前に乗せると、約20Yから2mショートしバーディを狙えるホールで3パットの痛いボギーで前半を折り返します。
後半10番では4.5mのバーディパットがカップに蹴られて惜しくもパー、11番パー5では2打目を花道から寄せてバーディ、12番のパー3ではピンをかすめてホールインワン逃しのバーディとスコアを伸ばします。しかし14番で右の林からボギーとすると3連続ボギーでスコアを落とします。17番パー4ではフェアウェイからスピンの効いた弾道で左の段上のピンを攻めバーディとしましたが、18番で3オン3パットのダブルボギーとしホールアウト。4バーディ4ボギー1ダブルボギーの2オーバーで7位タイへと後退し2日目を終えました。
20年にこの大会を制した原選手ですが、ラウンド後のコメントで「悪いイメージをまずは消したいところと、持ち球を一貫してない部分で、狙い切れてないので、ちゃんとイメージしてから打つことをもう一度やりたいかなと思います」と、ベースになる持ち球が決めきれていないことで、イメージがぼやけてしまっているようです。
ラウンド後はみっちり練習場で球を打っていました。明日、そして米女子ツアーのQシリーズへ向けて調子を上げていきたいところです。
首位で終えたフェードヒッターの桑木選手は、ショットもパット好調です。日本女子オープンから使用するピン「PLD プロトタイプ」の同じヘッドに名前を入れてもらい、ロフトを4度で今週のコウライグリーン用に準備していたのですが、渡した先週の「大王製紙エリエールレディス」から投入し、好感触を得ていました。そのロフト4度が功を奏したのか、読みにくいコウライグリーンでこの2日間で3パットはなく、今日も5バーディ2ボギーとバーディもしっかりと獲れています。
硬く止まりにくいコウライグリーンでもショットの距離感も良く、2番のパー5でバーディ、5番パー3で2mを入れてバーディ、6番で左に曲げてボギーとしますが、9番パー5では2.5mのイーグルチャンスを作ります。惜しくも入らずバーディとし折り返します。
後半は13番パー5でグリーン右の距離のあるバンカーから寄せてバーディ、14番は2mにつけバーディ、15番でグリーン奥から寄せきれずにボギーとしますが、グリーンを外した16番、17番でもパーをセーブし、フェードヒッターには最も打ちにくい18番も右のラフからグリーンに乗せ、10m以上から2mショートしたパーパットを落ち着いて決め、2位に3打差の首位で2日間を終えました。
今週はフェードの曲がり幅を少なくすることで、左ドッグレッグの多いホールロケーションに対応しています。カット軌道が強くなると曲がり幅も大きくなりますし、右ラフに外すミスも増えてきます。そこで練習場では直ドラでドローを打つ練習をすることでカット軌道の度合いを調整。フェードヒッターには攻めにくいこの宮崎CCで首位と2位にフェードヒッターが名を連ねていることは驚きですが、桑木選手と竹田選手のこの1年の成長にも驚かされています。
今季はコーチとして桑木選手をサポートしていますが、昨年の初出場した今大会ではアンダーパーが1日もなかったことを考えると技術、マネジメント、メンタル、体力と全体的にレベルアップしていることがスコアに結びついています。残り2日は「1年間の感謝の気持ちを込めて1打1打プレーする」と桑木選手はいいます。
明日は風が強くなる予報が出ています。難易度が上がる宮崎CCで上位に残るのはどの選手になるでしょうか。明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/岡沢裕行