「ファイナルQT」は3会場で開催されたファーストQTを勝ち上がって来た選手とメルセデス・ランキング56位から70位までの選手、今季シード権を保持できなかった選手など104名が来季のレギュラーツアー出場順位をかけてスタートしています。
4日間終了時点のスコア順にQTランクが付与され、シード選手50名と推薦出場者などを除いた各トーナメントで定めた出場人数に到達するまでQTランク順に出場資格が下りてきます。今季の出場順位の実績をみると、開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(出場人数108名)では37位までが出場していて、出場人数120名と多い「ヤマハレディースオープン葛城」では50位までの選手が出場していました。そのため4日間終了時点の順位は37位が第1回リランキングまでの前半戦に出場できる一つの目安となっています。
会場となる葛城GC宇刈Cでは21年、23年、24年と間近の4年のうち3回開催されていますが、例年この時期は風が吹き、気温も下がるコンディションになること、そして優勝を狙うトーナメントとは違い37位以内という順位を争うQT独特の特性もあり、伸ばし合いというよりはスコアを落とさないゴルフが求められる側面もあります。
出場選手を今年のプロテスト合格組から紹介するとトップ合格した寺岡沙弥香に続いて手束雅、徳永歩、入谷響、前田羚菜、都玲華、大久保柚季、荒木優奈、福田萌維、中村心、永田可奈恵、加藤麗奈、六車日那乃、吉田鈴、平塚新夢、山下心暖、西澤歩未、古屋翔香の18名もの選手がファーストQTを勝ち上がって出場しています。
プロテストを通過した勢いとプロテストの重圧からの解放、来季のステップ・アップ・ツアーの出場は確保されていることなどの優位性もあるのでしょう。上位には2日目にホールインワンも決めた入谷響選手が5アンダー2位タイ、徳永歩選手が1アンダー10位タイ、都玲華は1オーバー17位タイと来季のレギュラーツアー出場をかけて通過圏内で最終日に臨みます。
続いて今季レギュラーツアーに参戦しながらも惜しくもシード権を逃した工藤遥加、宮田成華、菅楓華、濱田茉優、宮澤美咲、金田久美子、小滝水音、政田夢乃選手らも多く出場しています。ファイナルQT出場者はステップ・アップ・ツアーへの出場権は得るものの、来季もレギュラーツアーの舞台で戦うべくファイナルQTに挑んでいます。
首位には7アンダー永井花奈選手、風の中ベストスコアの3アンダーでプレーし、順位を上げて来た小滝水音は4アンダー4位タイ、イーブンパー14位のタイに藤田かれん、1オーバー17位タイに山路晶、泉田琴菜、政田夢乃、宮田成華、2オーバー29位タイに菅楓華選手と続きます。
ラウンド後に菅楓華選手に話しを聞くと、「ボギー後の気持ちの切り替え方だったり、ずるずるいかないようにスウィングも試合中ですけど、しっかり色々試したり。いい流れに持っていくためにはどうすればいいかっていうのを考えるようになりました」と風の強いコンディションの中でレギュラーツアーでの経験を生かしながらのラウンドだったと話します。明日はレギュラーツアー出場をかけた最終ラウンドとなります。
最後に日米のQTを受ける吉田優利選手は1アンダー10位タイで終えています。残念ながら米女子ツアーを102位で終え、準シードも逃したことでQシリーズを再受験しますが、国内ツアーのシード権も失っているので23年に国内メジャーの「サロンパスカップ」を制した複数年シード権を行使せずに国内のQTを終えたらすぐに渡米し、米女子ツアーのQシリーズを受けるという、忙しい身となっています。
リーダーボードを見ると目安となる3オーバー32位タイが16名と混戦の展開。最終成績によってQTランクを付与しなければならないため、同スコアで順位がタイの場合は、最終日のスコア、3日目のスコアとさかのぼって順位を決めることになっています。
最終日にレギュラーツアーへの切符を手にするルーキーは何名生まれるのか、明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/岡沢裕行