最終日も気温13.1度、風速7.6mと強い風が吹いたことで順位を大きく落とす選手も多く見られました。今季は37位までに入った選手は第1回リランキングまでの前半戦に出場できましたが、来季は竹田麗央選手は米女子ツアーに、他にも山下美夢有、岩井明愛・千怜、原英莉花選手らが受けるQシリーズの結果次第によって出場順位がもう少し下りてくる可能性もあります。
首位で通過したのはシード選手として今季35試合に出場しメルセデス・ランキング81位で終えていた永井花奈選手。ツアー終盤に調子を上げていたことで「少し心に余裕」があったこともあり最終日はパープレーで終え、7アンダーで1位通過を決めました。
自分からバーディを取りに行かない守りのゴルフ、ピンより上に付けないマネジメントなど伸ばし合いのツアーとは違ったプレースタイルに徹したことで「自分から頑張らないとダメというプレッシャーをかけて追い込み過ぎていたのかもしれません」と新たな学びもあったようです。ボギーを打たないゴルフで結果的にスコアメイクにつながったことは永井選手の来季にプラスになったことでしょう。
7位で終えた吉田優利選手はこのあと米女子ツアーの予選会Qシリーズへと旅立ちます。「調子とスコアメイクはイコールではない」と調子の良し悪しにかかわらずスコアメイクすることの大切さを感じたようでした。国内メジャー「サロンパスレディス」優勝の複数年シード権は行使せずに来季の国内ツアーの出場権を確保できたことで目線は米国アラバマ州へと向いています。
18名が出場したプロテスト合格組は永田加奈恵選手が最終日は2アンダーでプレーし、6位の順位を獲得。「下を見ずに上だけを見て、少しでも上に」とプレーし、4日間で一番ショットが安定していたと話します。風の中で気を付けた点を聞くと「球を上げ過ぎないように低い弾道を打てるよう普段から練習していた」と安定感を見せました。
その他プロテスト合格組は14位に徳永歩、18位に入谷響、36位に吉田鈴、37位に荒木優奈、42位に手束雅選手が入り、おそらく42位の手束選手までの6名が出場順位を獲得。来季にどんなプレーを見せてくれるか今から楽しみです。
今季のツアーを盛り上げた政田夢乃選手は、最終日を2アンダーにまとめトータル1アンダー9位、菅楓華選手はトータル1オーバー20位で来季の出場順位を手にしました。二人ともツアーでの経験を生かせたといい、初日と2日目で吹いた逆の風、4日間を通して吹いた強い風と寒さの中でも、集中力を切らさない崩れないゴルフ、耐えるゴルフを身に付けて来たことがこの結果に結びついたようです。
米女子ツアーの予選会Qシリーズも気になるところですが、ひとまず国内女子ツアーの全日程を終え来季の開幕戦に向けて取り組むべき課題を持ってオフに入ります。3月の開幕戦が待ち遠しい冬になりそうです。
写真/岡沢裕行
最終順位は以下の通り。