10月29日~11月1日の日程で開催されたJLPGA最終プロテスト(大洗GC)から約1カ月が経過。その間、ファーストQT、ファイナルQTはあったが、古家翔香(昨年、LPGAティーチングプロの資格でQTに出場し、ツアーへ参戦したため)を除く、24人にはプロとして賞金を獲得できる最初の大会となる。練習日の今日、リラックスした雰囲気のなか、会場となるグレートアイランド倶楽部では22名が練習ラウンドを実施。ラウンド後に話を聞いた。
永田加奈恵(プロテスト19位タイ、QTランク6位)
プロテストでは19位タイとギリギリの通貨となったが、悪天候の中、実施されたファイナルQT最終日に2アンダーでプレーし、6位と順位を上げた永田加奈恵。
「今年最後の大会なので、今年の集大成として最後優勝で終われたらなって思ってます。グレートアイランド倶楽部ははじめてラウンドするのですが、どのコースも、まずはやはりティーショットをフェアウェイに置くことが鍵になると思っていて、それができればチャンスにつけられるホールが多いと思います。
グリーンはアンジュレーションがあり、そういうグリーンできっちりピンにつけていくためにはまず、フェアウェイキープが大事。そこ頑張りたいです。
QTでは上位フィニッシュできましたが、同期のみなさんをすごいうまいと思ってるので、他人を気にせず、自分の出せるものをしっかり出して、今年最後の大会を優勝で終われたら一番いいなと思います」
徳永歩(プロテスト2位タイ、QTランク14位)
プロテストでは2位タイ、QTランクでは14位と同期との争いではどちらも2番目の位置にいる徳永歩。
「このコースは池が絡むホールが結構あって、そこを気をつけないといけないなっていうのがまずあります。また、グリーンの傾斜がきつくて、さらに2段グリーンがあったりで同じ面に乗せないと難しいパッティングが残るので、マネジメントとショット力が求められます。
コースは今年の伊藤園レディスなどをテレビで見ていたくらいで、初めてラウンドしました。テレビで見ていたとおり難しい印象ですが、(プロテスト、QTともに同期との戦いでは2位ということに)やっぱり優勝したいですね」
入谷響(プロテスト7位タイ、QTランク18位)
今年になってホールインワンを3度経験している入谷響。しかも、アマチュアで出たレギュラーツアーで1回、ファイナルQTで1回と大舞台で決めるあたりが、実力の高さを示している。
「グレートアイランド倶楽部はコース自体が狭くて、飛ばしながら攻めていけるコースではないので、やはり確実にフェアウェイのピンポイントに向かって打っていくのが大事だと思っています。そして、そこからセカンドショットでどこまでピンに寄せられるかというのが鍵だと思います。
明日からは少しでも上位を目指して、頑張っていきたいです!」
吉田鈴(プロテスト19位タイ、QTランク36位)
吉田優利を姉にもち、アマチュア時代から多くの大会でローアマを獲得してきた吉田鈴も、いよいよプロデビューを迎える。
まず、姉・優利からプロとしての心構えなどのアドバイスはあったかと聞くと、「姉とはあまりゴルフのこととかをよく話したりはしないんですけど、姉の背中から感じるものはあります」と言葉ではなく、背中で語られているといい、今大会にかける意気込みは、「このコースは伊藤園レディスなどでもラウンドさせてもらったりしているので、いつもどおり集中して練習ラウンドできました。ぜんぶのホールが難しいというわけではないのですが、池絡みの17番や18番は長いので、しっかり打ち切らないといけないなという意識はあるので、しっかりマネジメントしていきたいです。新人戦は一生に一度ですし、25人しか出てないので、自分らしいプレーである“アグレッシブに攻めて”、優勝を狙っていきたいと思います」と話した。
荒木優奈(プロテスト4位タイ、QTランク37位)
数多くのアマチュア大会で優勝し、またJGAのナショナルチームとして海外での経験も豊富な荒木優奈。
「このコースは初めてですが、池が多くて、グリーンが大きくてアンジュレーションもすごいので、ティーショットの狙いどころ、そしてセカンドショットをつける位置がすごく重要だと思います。
苦手なイメージはないですが、頭を使ってプレーしないといけないのかなって思います。3日間安定したプレーをして、上位をキープし、最後は優勝目指して頑張りたいです」
寺岡沙弥香(プロテスト1位、QTランク54位)
2022年には日本女子アマのタイトルを取り、今年のプロテストでは1位通過するなど、その実力は折り紙付きの寺岡沙弥香。
「コースは初めてで、距離的にもパーオンするのは難しくないという印象ですが、グリーンがかなりうねうねしてたりとかするので、バーディパットが入らない可能性があるのと、ロングパットを結構しっかり打たないといけないので、怖い気持ちを押し殺しながら打てたらいいなって思ってます。
ショートパットはすごく得意なんですが、あまりバーディパットが入るほうではないので、パーを拾いつつ、ショットでしっかりピンにつけられたときはしっかりバーディを決めるというスタイルが持ち味。出場するからには優勝を目指して頑張りたいというのはありますが、まずは持ってる力を全部出せればいいと思っています」
都玲華(プロテスト2位タイ、QTランク53位)
昨年、アマチュアとして出場した、ステップ・アップ・ツアーで史上6人目となるアマチュア優勝を達成した都玲華は、今年の新人のなかでは少し抜けた存在といえる。
「レギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーには出させてもらったりしてるんですが、プロ同期となると、いろいろ交流して仲良くなれるので、プレーする楽しみ以外でも楽しい気持ちが大きいです。とはいえ、試合なので、明日には気持ちを締めて一生に一度の新人戦を優勝できたら幸せです。
コース的は初めてですが、紅葉もきれいで、コース自体もすごく素敵で、いい気分でした!」
六車日那乃(プロテスト19位タイ、QTランク66位)
先日、今シーズンでのツアー撤退を表明した上田桃子や、国内メジャーチャンピオンである吉田優利などのコーチである辻村明志の秘蔵っ子ともいうべき六車日那乃。
「新人戦は人生で最初で最後、1回しかないですし、プロの世界に染まっていくと、どんどん初々しい気持ちもなくなってくると思うので、プロゴルフ人生で一番、初々しい気持ちで臨める大会だと思っています。だから特別感が強く、そこで勝てたら嬉しいですし、すごく楽しみな試合です。
辻村コーチからは、『賞金がかかる最初の大会だから頑張って稼いで来いよ(笑)』っていうふうには言われました(笑)」
中村心(プロテスト7位タイ、QTランク74位)
23年に日本ジュニア、日本女子オープンのローアマを獲得し、今年はオーガスタ女子アマに出場した実力を持つ中村心。
「グレートアイランド倶楽部はグリーンが結構広くて、2段グリーンもあり、同じ段に乗せないとかなり長い距離が残っちゃったり、同じ面に乗せてもピンハイだったら傾斜が結構強いので、スリーパッドとかも全然しちゃうなっていう印象はすごいあります。とはいえ、女子ツアーを開催するコースですごい綺麗! そんなコースで明日から3日間、試合できるっていうのがすごい嬉しいです。今年プロテスト受かって、本当今年しかない新人戦なので、すごく楽しみたいっていう気持ちがまず強いです。そして、JLPGAの試合というと今年最後になるので、優勝という形で終われたら、もう満点だなと思います」
ちなみに中村のJLPGAの英字表記は「kokoro」ではなく「cocoro」。その理由を聞くと「KとOだとノックアウトのK.O.っぽいのでCとOにしました(笑)」とのこと。
撮影/大澤進二