正確性を失うことなく飛距離を伸ばすためには、1回のスウィングで5回の体重移動を行う必要があると小池丈晴プロは言う。では、なぜ5回の体重移動が必要なのか。どうしたら、そういうスウィングを身につけることができるのか、詳しく聞いていくことにしよう。
画像: 飛ばしたかったら下半身を先行させよう!
【小池丈晴の「いつでも、まっすぐ250ヤード!」#2】

日大ゴルフ部にて、小達敏昭らとともにレギュラーとして活躍後、プロ転向。内藤雄士、デビッド・レッドベター、ジム・マクリーンらに指導を受ける。群馬の『おおたスポーツ学校』などで25年ジュニアの強化育成に携わり、現在は小達敏昭銀座ゴルフクリニックにてインストラクターを務める。

ギンゴルの秘密TV

ピッチャーの動きがお手本

「スウィング中の体重移動は2回(バックスウィングで右、ダウンスウィングで左)と考えている人が多いようです。しかし、そのような意識があると飛距離が失われてしまうので注意しなくてはいけません」(小池)

それはなぜか?

「体重移動を2回と考えると、右足に体重をかけながらクラブを上げ、左足に体重をかけながらクラブを下ろすような動きになります。すると、下半身の力を効率よくクラブに伝えることができなくなってしまうのです」(小池)

たとえば、右利きの人がボールを投げるとき。いわゆる「女の子投げ」のように、右足に体重をかけながら手を後ろに動かし、左足を踏み出すのと同時に手を押し出していたら、下半身の力が使えないので速い球は投げられない。2回の体重移動でスウィングするのは、それと同じだと小池プロは言う。

画像: 手と下半身を同時に押し出す「女の子投げ」はスピードが出ない

手と下半身を同時に押し出す「女の子投げ」はスピードが出ない

「大事なのは、上半身に対して下半身を先行させて使うことです。野球のピッチャーを見てください。腕を後ろに振りながら脚を踏み出し、下半身を先行させて投げているのがわかると思います。ゴルフも同じです。下半身を先行させて使い、下半身の動きに対して、上半身と腕が少し遅れてついてくるようにする。それこそが最大の飛距離を引き出す秘訣なのです」(小池プロ)

画像: 下半身を先行させて使うことでスピードが生まれる

下半身を先行させて使うことでスピードが生まれる

5回の体重移動で下半身の力を引き出す

ここで必要になるのが5回の体重移動である。

①アドレスから、左足に加重しながらフォワードプレス。そこから、②右足に加重してバックスウィング。③バックスウィングで左腕が地面と平行になるあたりから左足に加重、④ダウンスウィングで左腕が地面と平行になるあたりから右足に加重してインパクト、⑤最後、左足に乗り込んでフィニッシュを迎える。

この5回の体重移動がスムーズにできると、下半身が先行して動き、下半身に対して、上半身、腕、クラブが後から遅れてついてくるようになる。その結果、下半身の力が効率よく使えるようになり、飛距離が出るというわけだ。

しかし、そんな複雑な動きを頭で考えていたら、気持ちよくスウィングすることはできない。どうしたら、自然に5回の体重移動ができるようになるのだろう?

画像: 5回の体重移動ができると、バックスウィングもダウンスウィングも下半身が先行して動くようになる

5回の体重移動ができると、バックスウィングもダウンスウィングも下半身が先行して動くようになる

胸の前に垂らしたクラブを揺らしてみよう

「ここでやってもらいたいのは、胸の前に垂らしたクラブを左右に揺らす運動です。写真のように、グリップエンドをつまんで胸の前に固定したら、そのクラブを連続で左右に揺さぶるのです。すると、体の動きに対してクラブが少し遅れてついてくる感覚が理解できると思います」(小池)

この運動は、グリップエンドをつまんでいるだけなので、手先の力でクラブを動かすことができない。その結果、自然にクラブに対して体を先行させて動かすようになるというわけだ。

画像: グリップエンドを胸の前に固定したまま、左右に連続で揺らす

グリップエンドを胸の前に固定したまま、左右に連続で揺らす

「クラブをスムーズに揺らせるようになったら、同じ感覚で連続素振りをしてみましょう。はじめのうちは体を左右に大きく揺さぶり、体の動きに対してクラブがかなり遅れてくるようにするのがポイントです。この素振りを続けてもらえば、下半身を先行させる感覚が身についてくるはずです」(小池)

体を左右に大きく揺さぶり、胸の前に垂らしたクラブを揺らすようにスウィングすると、確かに下半身は先行して動く。しかし、こんなに軸を左右に動かしていたら上手く当たらないし、5回の体重移動ができている気がしない……。

「ですよね。でも、これはあくまで下半身を先行させる感覚をつかむ練習なんです。これができてはじめて次のステップ、つまり、体重移動を5回するスウィングに進むことができるのです。その次のステップについては………。次回お話しすることにしましょう!」(小池)

THANKS/小達敏昭銀座ゴルフクリニック

●「レッスンの王様」シリーズ【小池丈晴の「いつでも、まっすぐ250ヤード!」】は、月刊ゴルフダイジェスト及び、ゴルフダイジェスト公式メールマガジンでもご覧いただけます。下記URLをクリックし、メルマガ購読登録をお願いします。

This article is a sponsored article by
''.