女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第54話、タオルに、旗に、声かけ…ファンの皆さんの応援に、いつも感謝。
画像: こいわい・さくら/1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、2017年プロテスト合格。通算11勝。「試合はひと段落。美味しいご飯を食べに行きたいです」(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

こいわい・さくら/1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、2017年プロテスト合格。通算11勝。「試合はひと段落。美味しいご飯を食べに行きたいです」(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

小祝さくらはファンをとても大事にしている。大げさに表面に出すことはないが、いつも感謝の気持ちを持っている。

ただ、自己評価が低いさくらは、「やっぱり(原)英莉花ちゃんとかは人気ありますから、私は全然……どちらかというとおじいちゃんやおばあちゃんに人気があるんです。それも嬉しいですよ」などと話す。しかし最近、若いファンやカップルのファンも増えた。もちろん、長く熱心に応援してくれているファンも多い。

画像: 最終戦でファンの皆さんにタオルをプレゼント。「僕たちファンは基本バラバラ。でも適当にまとまっている感じがいいんです」

最終戦でファンの皆さんにタオルをプレゼント。「僕たちファンは基本バラバラ。でも適当にまとまっている感じがいいんです」

最終戦のリコーカップで、グリーン際に〝大漁旗〟のような旗が上がっていたので、その持ち主を直撃した。2016年、NEC軽井沢で初めてアマチュア時代のさくらを見て〝一目ぼれ〟したらしい。

「ツアーは結構見に行っていたんですけど、特定の選手に付いていたわけではないんです。それが、さくちゃん(小祝のニックネーム)は何だか違うんですよ。バーディを取ってもあくまで普通な感じで、ちょっと新人離れしているなあと(笑)。技術だけではなく、肝っ玉が据わっていて。それからずっと応援していますけど、彼女は本当に芯が強いと思います。少々ミスってもくよくよしないし、人柄もいい。万人に平等で誰も傷つけない」

画像: “1ピン以内の旗”を持つのは大阪出身のサラリーマン。小祝本人からは基準を甘くせず「厳しく上げてほしい」と言われている

“1ピン以内の旗”を持つのは大阪出身のサラリーマン。小祝本人からは基準を甘くせず「厳しく上げてほしい」と言われている

そう言いながら旗を上げるため先回りしてグリーンへ。「なかなか忙しいんです」。この旗は、ショットが1ピン以内につかないと上がらないのだ。「一昨年、全米女子オープンに行くときの見送りで使うために作りました。あれから何勝もしていますからゲンはいいのかな」

「けっぱれ」は北海道や東北では「ガンバレ」という意味だが、「さくちゃん自身はこの言葉は使わないらしいです(笑)。セカンドを打って、グリーンに乗ったかどうかもですけど、それがピンに近いとわかると、歩いてくるときに余裕が出てくる。キャディさんと結構見てくれているみたい。『いつもありがとうございます』と言ってくれました。

彼女は3ツアーズに今年6回目の出場です。これって誰も成し遂げてないからすごいことですよ。室田(淳)さんでも5回ですから(笑)」と、マニアックな情報をくれるあたり、さすが小祝ファンである。

画像: ご両親と応援に来ていた免田来未さんは、「黄金世代の選手が好きでしたが、さくら選手はプレースタイルなど全部が好きです」

ご両親と応援に来ていた免田来未さんは、「黄金世代の選手が好きでしたが、さくら選手はプレースタイルなど全部が好きです」

「さくちゃんは、ああ見えてファンの誰が来ているかきちんと把握してくれているんです。頭がものすごくいいんです。今後ももちろん応援していきますよ。年間女王になってほしいし、メジャーにも勝ってほしいです」

小祝さくらはファンに対して、「タオルを持ったりして応援してくれているのは嬉しいです。ミスした後のインターバルなどで声をかけてくれる方もいるんですけど……これはそっとしておいてほしいです(笑)。でも励ましの言葉をくださるのはすごく力をもらえます」と、今年も多くの声援に「ふふふ」と感謝するのであった。

週刊ゴルフダイジェスト2024年12月24日号〝ゴルフときどきタン塩〟より

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