前週のLPGAのジ・アニカに続いて、男子PGAツアーのRSMクラッシックのプロアマに現れたケイトリン・クラーク。通常プロアマといえば、スポンサーなどがプロとプレーをするために、ギャラリーもまばらで、ほとんど注目されることはない。しかし今大会は異例のギャラリーの数と、なんとテレビにまで紹介される事態になった。
クラークといえば、WNBCのスーパールーキー。高校、大学と女子バスケットで数々の記録を作り、今年4月にプロ入り。直前の大学女子バスケットの決勝戦では、1890万人のTV視聴者数を記録している。1週間後のマスターズの最終日の視聴者数が959万人だったといえば、どれほどの人気かが分かるだろう。
タイガーではないが「ケイトリン・クラーク効果」なんていう言葉も生まれているらしい。プロ入り後も彼女の実力と人気は衰え知らずで、ウォールストリートジャーナル誌では「女子バスケットの次元を変えた選手」と評価されるほど。そんなアメリカのスポーツ少女たちのヒロインがゴルフをしているのだ。
RSMでは、出だしで池ポチャなんてこともあったが、183センチの長身から270ヤードのティーショットを披露するなど随所に光るものがあった。クラークとラウンドした米ツアーのジェイ・モナハンコミッショナーは、「信じられない。彼女のゴルフを見るのは最高だった。彼女がゴルフを愛しているのは明らかだ。彼女の能力は抜群で、特にそのティーショットに表れている。彼女は長くゴルフを続けることになるだろう」と語る。
本人は「ただ楽しんでいるだけ。たくさんの人がいたけれど、いくつかのいいショットを披露できたと思う」。
※2024年12月17日号 週刊ゴルフダイジェスト「バック9」より