多くのアマチュアにとって悩みである、カット軌道のスライス。しかし同じカット軌道でも悪いスライスでなく、要点をおさえた「いいスライス」ならば、むしろ武器になるという。「いいスライス」を打つための練習法を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はゴルフを始めた時からスライサーで、今でも昔ほどは曲がらないまでもスライサーです。あまり飛ぶ方ではないので、ドローヒッターにも憧れていろいろやってみましたが、上手くいきません。

月刊ゴルフダイジェスト2月号に「スライスで何が悪い!」という記事がありました。その記事には、ドローを目指すよりもスライスを磨いたほうが上達への近道ということが書かれていました。もしそれが本当ならめちゃ嬉しいじゃないですか。ということで、いいスライスを打てるように、記事に載っていたドリルを試してみることにしました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2025/2号で特集されていた「いいスライス」を打つコツを実践!

月刊ゴルフダイジェスト2025/2号で特集されていた「いいスライス」を打つコツを実践!

この記事によると、何人ものコーチがスライスはいいことだらけだというんですよ。例えばドローと飛距離は変わらないけど、圧倒的に再現性が高いとか、やることがシンプルになるとか。また狙ったところに打ちやすいとか、スコアが作れるのは間違いなくスライスだ! なんてことも言っています。これは僕ももうドローなんか目指さずに、スライスを極めるのがいいんじゃないかと思っちゃいますよね。

記事の中では同じカット軌道のスライスでも「いいスライス」と「悪いスライス」があると言っています。まず「いいスライス」はフェースが軌道に対してはオープンで、ターゲットに対してはクローズになっています。そのために出球はターゲットよりも左に出て、センターに戻ってきます。これだとつかまった強い球が打てるんです。

画像: 「いいスライス」のヘッド軌道。軌道に対してはオープンで、ターゲットに対してはクローズ

「いいスライス」のヘッド軌道。軌道に対してはオープンで、ターゲットに対してはクローズ

「悪いスライス」はフェースが軌道に対してオープンというところは「いいスライス」と同じなのですが、ターゲットに対してもオープンになっているんです。その結果スピン量が多いこすり球になり、出球がターゲットより右に出て、さらに右に曲がっていく球になるんですね。当然飛距離も出ません。

画像: 「悪いスライス」のヘッド軌道。軌道に対してはオープンで、ターゲットに対してもオープン

「悪いスライス」のヘッド軌道。軌道に対してはオープンで、ターゲットに対してもオープン

では、こすり球ではなく、しっかりとつかまった「いいスライス」を打つためにはどうすればいいのでしょうか? そのためのキーワードが「潰して押す」ということらしいです。「潰して押す」というのは、力の加わる方向が一定であること。飛ばしたい方向に対して正面から当て、そのフェース面がなるべく長く同じ方向を向いていることが大事だそうです。その感覚を理解するためには、素振りや短い距離のショットがいいようで、そのためのドリルが3つ紹介されていたのでやってみました。

「潰して押す」を覚えるためのドリル、その1は「面のあるものでの素振り」です。テニスラケットやうちわなどの、短くて面のあるもので素振りをすることで、面を一定に保つということが体感できるんですね。

画像: テニスラケットなどの面のあるもので素振りをする。なるべく長く面の向きを変えないようにする

テニスラケットなどの面のあるもので素振りをする。なるべく長く面の向きを変えないようにする

テニスラケットでやってみましたが、いつものイメージで振ると、意外と面の向きが変わっているんだな~と思いました。やはり腕で振るとどうしても面の向きが変わりやすいです。体の回転で振る意識だと、面の向きをキープしやすいですね。うちわとかを使えば家の中でもできる練習なので、これはいいかもしれません。

次に「小さなテークバックから球を打つ」というのが紹介されていました。テークバックは腰の位置までにして、そこから体の回転だけでボールを打つという練習です。腰の高さより上げてしまうと手の動きが入ってしまい、軌道や体の動きなどを考えてしまうので、小さなテークバックで「潰して押す」ということだけを考えて打つのがいいそうです。

画像: 小さなテークバックからボールを打って、体の回転でボールを押して潰す感覚を覚える

小さなテークバックからボールを打って、体の回転でボールを押して潰す感覚を覚える

これをやってみると、確かに体の回転でボールを押していく感じは出ますね。っていうか、そうじゃないとちゃんと当たらないし、狙った方向に打ち出すことができません。しっかりと腹筋に力を入れてスウィングすると押していく感じがわかりやすかったです。注意することは、腰までのテークバックと思っていても、意外ともっと上がってしまっていることがあるので、動画などに撮って確認したほうがいいかもしれません。

最後に「インパクトの状態から回転だけで球を飛ばす」というのをやりました。さっきの小さいテークバックで打つ練習に慣れたら、これをやるといいようです。テークバックの勢いがつけられないために、よりシビアになりますが、これで真っすぐに飛ばせるようになると、球を「押す」感覚がわかるということです。

画像: テークバックをせずに、インパクトの形から回転だけでボールを飛ばす

テークバックをせずに、インパクトの形から回転だけでボールを飛ばす

やってみましたが、確かにさっきの小さいテークバックの時よりも、さらに体の回転で押し込んでいかないと球が飛びません。これ結構難しいです。狙った方向に飛んでも地面スレスレのライナーみたいな球にしかならないんですよ。手を使ってしまうと真っすぐ飛ばないし、強い球にもなりません。体の力をしっかりと使って、その力をボールに伝えることが大事ですね。

僕はもともとスライサーなので、この動きのようにしっかりとボールを押し込めると当たりが厚くなるという感覚はよくわかります。この練習はその感覚がわかりやすいので、とても役に立ちそう。これは普段の練習にも取り入れていくといいように思いました。

画像: 手が前に出たり、手首をこねたりすると目標方向に飛ばないし、強い球も出ない

手が前に出たり、手首をこねたりすると目標方向に飛ばないし、強い球も出ない

今回「いいスライス」を打つためのドリルを試しましたが、やはりいかに体をしっかり使ってスウィングするかということが大事だということがわかりました。ボールをしっかりと押し込んでいけると、スライスでもつかまってくれて強い球になるんですね。弱いスライスで悩んでいる人は、ぜひこのドリルを試して「潰して押す」という感覚を覚えてください。

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