▶早速試打動画をチェック!
松山英樹の優勝で湧いた『ザ・セントリー』で、ザンダー・シャウフェレが使い話題となったのがキャロウェイの新しいドライバー『ELYTE ♦♦♦(トリプルダイヤモンド)』だ。発表されたドライバーは『ELYTE』、『ELYTE X』、『ELYTE ♦♦♦(トリプルダイヤモンド)』、『ELYTE MAX FAST』の4機種で、今回試打するのはスタンダードモデルの『ELYTE』。ヘッド後方にフェード、ニュートラル、ドローを調整する可動式ウェイトが装着されており、どのようなゴルファーにも適応可能なドライバーとも言えそうだ。

ザ・セントリーで『ELYTE ♦♦♦』を使用したザンダー・シャウフェレ(撮影/Blue Sky Photos)
このキャロウェイ『ELYTE』のコンセプトについて、小島プロが癸生川プロがレクチャ―をしてくれた。
小島: 『ELYTE』のネーミングの由来ですが、「ボールスピード」と「寛容性」を高次元で両立した領域をキャロウェイでは「エリート領域」と呼んでいて、そこに到達したモデルということで『エリート』となったようです。でもエリートのスぺルが違いませんか。
癸生川: 本来、「ELITE」だから「I(アイ)」が「Y(ワイ)」になっているよね。
小島: なんで「Y」になったかというと、契約プロのザンダー・シャウフェレが「Why(何で)こんなに速いんだ?」と言ったというところからきているらしいです。
癸生川: Why(ワイ)のY(ワイ)なんだ(笑)。ヘッドはグリーンが入っていて以前の『エピック』のカラーリングとちょっと似ているよね。
小島: 『エピック』と『マーベリック』辺りは初速重視でした。『ローグ』、『パラダイム』は寛容性。それを両方、高次元に両立させたのが今回の『ELYTE』 になります。ソールがチタンで、ウェイトは以前のスライド式からポート式になっています。最近、各社スライド式をやめた理由ですが、スライドを受けるレールの重量が重いことが理由だそうです。
癸生川: そうなんだ。各社考えているよね、重心を。見た目としてはちょっとシャローに見える。でも大きすぎず、適正な感じ。上がりやすそうだね。

キャロウェイ『ELYTE ドライバー』(撮影/有原裕晶)
癸生川プロが試打開始
最初はヘッドスピード45m/s前後、42m/s前後、39m/s前後で打ち比べ、最適と思われるヘッドスピード帯を選出。その結果、42m/s前後のスピード帯が好結果だったので、42m/s前後でセンター、トウ、ヒールで打った場合の寛容性の高さを検証する試打へと移行。

シャフトはメーカー純正『ベンタス グリーン for Callaway(5-S)』
HS42m/s前後でセンターヒット
中弾道のストレート~ドロー
試打データはセンター、トウ、ヒールの3つの比較データを別掲
「打感は硬くもないし軟らかくもなく、ちゃんと弾いてくれてそれで球離れも早すぎない。見た目はシャローっぽいので球が上がりやすいと思ったけど、そんなに上がり過ぎない。弾道としては理想の高さで、いい球が打てる。HS42m/s前後で打った時はシャフトも変なしなりがなく、適度なしなりとしなり戻りがあるから、球を扱いやすい。このシャフトだと42m/s前後のスピード帯が最適!」(癸生川)
HS42m/s前後でトウヒット(17ミリトウ)
低中弾道のストレート~ドロー
試打データはセンター、トウ、ヒールの3つの比較データを別掲
「トウでもそこそこの高さは出ます。打感はやっぱり芯に当たった時よりは硬く感じる。でも先っぽに当たった時のヘッドがボールに押されて、フェースが開く度合いは少ないですね」(癸生川)
HS42m/s前後でヒールヒット(16ミリヒール)
低中弾道のストレート~フェード
試打データはセンター、トウ、ヒールの3つの比較データを別掲
「ヒールもやっぱり打感は硬くなるね。でも思ったよりスライスしなかった。スピン量も見た目にはそんなに増えていないように見える。ヒールに強いっていっていいのでは?」(癸生川)
小島プロがセンター、トウ、ヒールで試打した3データを分析
『ボールスピード』
センター:62.7m/s
トウ:60.7m/s
ヒール:61.9m/s
「センターヒットした時と比べて、トウヒットもヒールヒットも1m/sしか落ちていない。つまり16~17ミリくらいのオフセンターヒットなら、ボールスピードはほぼ落ちない。寛容性の高さはスピード面では立証されたといっていいと思います!」
『スピン量』
センター:2651rpm
トウ:2086rpm
ヒール:2664rpm
「センターヒットの時のスピン量(2651rpm)と比較して、17ミリトウに当たった時のスピン量が2086rpmというのは適正な数値です。注目は16ミリヒールに当たっていてもスピン量が真ん中に当たった時とほぼ同じ数値だというところ。この数値からも癸生川プロがおっしゃるように、ヒールヒットに強いヘッドだといえます」
『落下の角度』
センター:34.7度
トウ:31.1度
ヒール:32.6度
「ヒールに当たると基本、スピン量が増えるので落下角度も大きくなります。でも今回の試打ではヒールヒットをした数値としてはそんなに高くなっていない。これもヒールヒットした時の寛容性の高さを示していると言っていいと思います」
『トータル飛距離』
センター:234.9ヤード
トウ:229.8ヤード
ヒール:233.1ヤード
「トウはセンターから17ミリ、ヒールは16ミリですから、ほぼ同じくらいの外し方です。普通はヒールヒットのほうが飛距離は落ちるのですが、むしろヒールヒットのほうがわずかに飛距離が出ている。もう、完璧にヒールズレに強いクラブと断言できます」
『スピンアクシス』
センター:2.2度左
トウ:8.0度左
ヒール:1.7度右
「スピンアクシス(弾道の傾き)はトウの場合は8度左に傾いたのに対して、フェードの場合は1.7度右への傾きで収まっています。センターヒットで2.2度左の傾きに対して、トウの左への8度の傾きは適正ですが、フェードの1.7度の右への傾きというのはかなり抑えられています。普通、16ミリヒールに当たった時には右方向にサーッと球が逃げていく弾道になりますが、この試打結果では、これほどヒールヒットした場合でもややフェードする弾道に納まっている。ここでもヒールズレに強い結果となりましたね」。

HS42m/s前後で試打した結果
まとめ

試打を担当した癸生川喜弘(左)とデータ分析を担当した小島慶太(右)
癸生川: 16ミリヒールに当たっても曲がり幅がセンターから7.2ヤードしか右にズレていないのだから、スライスしにくいクラブと言ってもいいでしょう。スライサーの人やスライスに悩む人に合うドライバーです!
小島: エリートという名を冠している、その名に恥じないというか、確かにスピードも出るし芯を外しても寛容性が高いというのは充分証明できたと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、このキャロウェイ『ELYTE ドライバー』 のロフト10.5度で、HS45m/s前後、42m/s前後、40m/s前後での打ち比べをして、このクラブの最適スピード帯を探っているので、クラブ選ぶの参考にぜひ視聴してみてほしい!