地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「飛ばないと思ったら試して欲しいクラブ」

連載43回目は本試打企画の6回目に掲載されている「ザ・クラブワークス」の村上宏貴さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はジオテック「クロト RE168cc」がオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の村上さんがジオテック「クロト RE168cc MT(10.5度)」の特徴を語る

村上さんは「今回おすすめしたクラブの大きな特徴は、ヘッドだけを軽量化するのではなく、使用するすべてのパーツを軽量化することで、バランス良く振れるクラブに仕上げました。軽くするメリットとして、50歳を超えたあたりからどうしても振り抜く力が衰えてきますので、総重量を落とすことで素振りの様に振れて、ヘッドスピードが上がって飛距離も大幅に伸ばすことができると思います」と語り、総重量は230g台と、一般的なドライバー300gと比較するとかなり軽い組み合わせとなる。

画像: グリップは25g、シャフトは38g、ヘッドは168g程度。46.25インチでバランスはC8。SLEルール非適合モデル

グリップは25g、シャフトは38g、ヘッドは168g程度。46.25インチでバランスはC8。SLEルール非適合モデル

「実際にこの軽量ドライバーを使っていただいて、135ヤードが208ヤードまで飛ばせるようになった方や、70歳前後の方でも軽々と打つことができます。飛距離が伸びたことで、お客様から『ゴルフが楽しくなった』など、嬉しいお言葉をいただくこともありますね(笑)。加えて使うボールもお勧めしており、ゴルフボールではかなり軽めであるムジークの『コルテオ(39g)』と組み合わせることで、当たり負けしづらく、さらに飛距離が期待できます」とボールまで軽量モデルを勧める徹底ぶりだ。

ジオテック「クロト RE168cc」の印象を堀越プロに聞いた

「このクラブもの凄く軽いね! 」と持った瞬間にとても驚いている様子の堀越プロ。

「この『クラブワークス』さんは前回も軽量ドライバーでしたが、前作を上回る軽さを実現していますね。以前伺ったお話では、世田谷という土地柄シニア層が多いということでした。この組み合わせは総重量を軽くしてヘッドスピードを上げ、効率よく飛距離を出すという意図が感じられますので、しっかりとお客様と対話して生み出され、ターゲットがわかりやすいクラブと言う印象を持ちました」とその土地に合った層にピッタリハマるクラブを作っていける工房店主の柔軟性を評価。

実際に構えた印象と、数球打った際の特徴を聞いた。

「このドライバーは総重量が軽く、大きくシャフトがしなってくれることでしっかりとつかまえていけるイメージが湧きますね。長さが46インチ程でやや長めで組まれていますが、全てのパーツを軽量化することで長く感じさせない振り抜きやすさが特徴です。

またライ角をアップライトにすることでつかまえやすく、慣性モーメントの高いヘッドを組み合わせて安定感を出したり、様々なパーツが助け合うように組まれていると思います。飛距離のみならず、ゴルフのスコアを意識した方向性も欠かさないセッティングがさすがといった印象ですね」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

「打感に関しては、使用されるボールの種類によってかなり変わると思います。練習場のボールでは音が高く感じましたが、試打用のウレタンカバーのボールでは音が静かに聞こえました。やや低めの打音が好きな方はウレタンカバーで作られたプレミアムボールを使えば音が低くなると思いますので、お好みに合わせてボールの種類も試して頂きたいですね」

「このドライバーのターゲットはヘッドスピードでいうとおおよそ30~36m/s位ではないでしょうか。手が前に行ってしまいやすい方は、切り返しからヘッドがスムーズに返ってきてくれるので手が前に行かずにインパクト出来るため、十分な打ち出し角を確保できます。そしてかなり軽量なヘッド重量にしては慣性モーメントが大きく、オフセンターヒットにも強いので安心感があることもしっかり振り切れる理由だと思います」と、評価した。

総評

画像: バランスがC8でヘッドを感じすぎないように作られていることもポイントです。(堀越プロ)

バランスがC8でヘッドを感じすぎないように作られていることもポイントです。(堀越プロ)

「今回は『軽い/長い/軟らかい』と、前回に続いてものすごく印象に残るクラブでした。工房店主さんの地域特性に寄り添った組み合わせで、ゴルフをより楽しませてくれそうな1本だと感じます。ゴルフがつまらなくなってしまう理由の一つとして『飛ばない』ということがありますが、このクラブは飛距離UPが期待できますので、ゴルフ寿命を長くしてくれる可能性も見出せます。
 
また見た目はブラックを基調としたシックなデザインで、172gながらも重厚感のある見た目でカッコよく仕上がっています。この『無双』というシャフトも36gとかなり軽量ですが、全体がバランス良く、頼りなさを全く感じさせない工夫とアイデアが素晴らしかったです」と評価した。

THANKS/クレアゴルフフィールド

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