小祝さくらは、飛ぶ。ゴルファーなら誰もが憧れる〝飛ばし屋〟の部類に入るだろう。
ほんわかした風貌、安定したプレーからはあまり感じないかもしれないけれど、ドライビングディスタンスを、プロ入り後フル参戦した18年までさかのぼってみると、昨年24年が253.64Y(8位)、23年が251.92Y(15位)、22年が243.32Y(21位)、20–21年が240.99Y(19位)、19年が244.90Y(15位)、18年が240.19Y(27位)、と確実に飛距離アップしている。
そんな小祝さくらに、ヘッドスピードを上げるためにはどうすればいいか聞いてみた。「なんだろう、難しいですね……」と真剣に考えるさくら。
「私がプロテスト前に取り組んでいて、前のコーチにも同じように言われたのは〝マン振り〟です。軽く振るのではなく自分のマックスのスピードを出して振るんです。20回10セットくらい。素振りです。ただただ思い切り打ってもそんなに意味はないというか」
今、重りの付いている練習器具なども多くあるが、それを使わなくても自分のクラブを使った素振りで十分だと小祝。
「素振りってお金も別にかからないじゃないですか。それを考えたらめっちゃ最高だなって。ふふふ。でも自分のマックスを出すことが大事なんです。振っているとどんどん、どうやって力を出せばいいかということがわかってくるんですよね。あ、ここでこういうふうな足の使い方をしたら上がりやすいとか、そういうことがいろいろとわかってくるんです」

さくらの安定した美しいスウィングは、「“お金のかからない”素振り」で作られている!?
小祝さくらが大事だと考えるのは〝足の使い方〟だ。「なかなか伝えづらいんですけど、切り返しのときに、右足の裏は地面を下に押していく感じで、左足は逆に上なんです。下だけど上みたいな、そんな感じ。インパクトのときは、飛ぶ選手を見てもらったらわかりますけど、左足が浮く人が多いじゃないですか」
「左足がちょっと動く選手がいたり。あれが飛ぶ秘訣なんです。一般の方だとそこまでパワーが出せていなくて、機能していない方はたくさんいるんですけどね。でもそのへんを意識してやっています。これが飛ばしの秘訣。最終的にはトラックマンなどで測定はしましたけど、私は素振りで思い付きました」
フォロースルー以降、打った後は全然関係ないと小祝。「飛距離は切り返しとインパクトがすごく大事。みなさんも素振りをすることで何かを見つけられるんじゃないかなと思います」
2025年、小祝さくらのように飛ばし屋を目指すアナタ。マン振り素振りを始めてみようではないか。

今年の目標を「メジャー優勝」と掲げたさくら。年が明けてまた、合宿など開幕の準備に入っていきます
※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月28日号〝ゴルフときどきタン塩〟より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki)