2025年シーズンから米女子ツアーに参戦する馬場咲希プロを中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。2024年のレッスン・オブ・ザ・イヤーに輝いた坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「骨盤の回旋」がテーマだ。
画像: 坂詰プロがススメるシャドースウィング

坂詰プロがススメるシャドースウィング

O編 わきゅうのレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞と、馬場咲希プロのUSLPGAの予選会(QT)通過、おめでとうございます。

坂詰 ありがとうございます。まぁ、ボクのことはともかく、馬場ちゃんはよく頑張りました。

O編 馬場プロ、25年は米ツアー参戦で、ひと安心だね。わきゅうも、キャディとして現場にいたんでしょ?

坂詰 ええ。最終ホールバーディで通過ですからね。シビレましたよ。

O編 うん。よかった、よかった。これからも応援してます。では、わきゅうがスウィング作りで大事にしている3つのテーマについて聞いていくよ。今回は、体の回旋ね。復習になるけれど、なるべく構えたその場で体を回旋させることが大切だってことだったよね。

坂詰 ええ。ゴルフは、止まった球を打つ競技ですからね。体が左右に動いてしまったら、球を正確にとらえにくいわけです。だから、アドレスしたときの骨盤の位置をなるべく動かさないようにスウィングすることが大切なんですよ。

O編 そのためには、クラブを持たずにアドレスした状態で、① 頭と下半身を動かさずに、上半身(胸椎)を回旋させる運動②上半身と両ひざの位置を動かさずに、骨盤を回旋させる運動③骨盤を、前傾、後傾させる運動の3つができることが条件なんだよね。

坂詰 はい。それができない人は、どうしてもスウェイしたり、腰が引けたり、前傾角度が保てなかったりしますからね。

O編 その3つの運動ができるようになったら?

坂詰 シャドースウィングを繰り返すんです。

O編 骨盤の位置を動かさずに体を回旋させる感覚を、頭と体に叩き込んでいくわけだね。

坂詰 そのとき、バックスウィングの体の回旋はそれほど大きくないということに気付いてもらいたいですね。バックスウィングというのは、アドレスした状態から下半身を動かさずに上半身を回旋させたら、左ひざが右に流れないように骨盤を回旋させるだけ(左ひざが前に出るのはOK)なんです。ところが、多くの人が、必要以上に体を回そうとしちゃうんです。でもそれだと、どうしても体は前後左右にブレてしまうんですよ。

O編 体を大きく回したほうが飛びそうな気がするのかもね。

坂詰 でも、それで体がブレて球が曲がったら意味がないわけです。バックスウィングで大事なのは、骨盤の位置をブラさず、上半身と下半身の捻転差を作る ことです。それができれば、下半身が先行した状態でダウンスウィングできるので、手先の動きも抑えられるし、体の力で打てる。そうすれば、回旋量が少なくても飛距離は出るようになるんですよ。

O編 わきゅうの言うとおりにすると苦しいよね。

坂詰 捻転差ができると苦しいんです。逆に言えば、バックスウィングで苦しくない人は、いい動きができていないんですよ。

O編 じゃあ、ダウンスウィングは?

坂詰 左脚を伸ばす動きで体を回旋させる感覚をシャドースウィングでつかむんです。トップでは、左脚が曲がって、左ひざが少し前に出ていますよね。その脚を伸ばしながら、左腰を後ろ(背中側)に引けば、体を回そうとしなくても骨盤は回旋します。骨盤の位置を動かさずに体を回旋させるには、この動きがとても大切なんですよ。

PHOTO/Takanori Mik

※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7&14日合併号「ひょっこりわきゅう。」より

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