
トリッキーなコースの場合、どういう心持ちで楽しむべき?(写真はイメージ)
そのコースなりの楽しみ方がある
ゴルフコースには実に様々なバリエーションがありますが、一般的に人気のあるのはフェアウェイが広くて、ドライバーを思い切って振れるコースと言えるでしょうか。
逆に、「トリッキー」と言われて人気がないのは、フェアウェイが狭くOBやトラブルの危険性が高いアップダウンがキツく、フラットなライが少ない。ブラインドホールが多く、グリーンや狙いどころが見渡せない、といった”クセ強”コースでしょう。
なかにはそうしたコースだと「誘われても行かない」というゴルファーも多いようです。でもゴルフはそのプレーするフィールドの多様性こそが魅力。
フラットで風の強いシーサイドリンクスもあれば、樹木にセパレートされた林間コース、山や丘陵地に造られた山岳、丘陵コースなど、私たちには様々なタイプのコースを楽しむ選択肢が用意されています。
また、ゴルフの上達を望むなら、そうした様々なコースへの対応力を養うことは必須条件ともいえます。今回は、敬遠されがちな”クセ強”コースの楽しみ方について考えていきたいと思います。
自分が一番に気をつけていることは、「モードの切替え」です。その日プレーするのが、どんなタイプのコースなのか、天候、気温、自分のコンディションなどを勘案し、その日そのコースでのプレーに最適な「モード」を選択します。
狭くて距離の短く、アップダウンの激しいコースなら、超「安全運転」モードです。フルショットは封印。とにかくコースの幅にボールをコントロール。ときには「ドライバー封印」でプレーすることもあります。
あらかじめこうした心構えを作っていくことで、「うわっ 狭!」 「この傾斜キツいな」など、その場で慌てることなく、落ち着いてコースと向き合うことが出来ます。
その上で、そのコースなりの対処法(楽しみ方)を考えていくのです。
フェアウェイの狭いコースでは?
フェアウェイが狭く、曲げたら即アウト。白いOB杭がやたらと目に入るような狭いホールは圧迫感もあって苦手な人も多いことでしょう。でもそういうホールこそ、飛ばすだけではない、攻略ルートを練ってプレーする楽しみがあります。
例えば、フェアウェイ幅が50ヤードもあって、「どこに打ってもOK」というホールでは味わえない知的楽しみがあります。
こういうホールでは、まずホールのレイアウトを確認し、少しでも安全にフェアウェイキープ出来るエリアを探します。その落としどころを決めて使用クラブをチョイス。
例えば150ヤードの地点が一番安全だと判断すれば、ティショットはアイアンを選択、、残りの距離が200ヤード近くになったとしても、それがベストルートだったりすることもあります。
ただ「狭いからレイアップ」ではなく、グリーンの形状も含めて攻略ルートを探るのもより深くプレーを楽しむことに繋がります。
グリーンの奥行が広く、手前にバンカーや池がなければ、ランの出る長いクラブでも攻略しやすく、逆に縦の幅が狭い形状ならボールを止めやすいウェッジのフルショットの距離を残す。というように残り距離を考えてプレーしたりします。
こんな風にタイトなレイアウトを楽しんでいます。
アップダウンのキツいコースでは?
これはもう、傾斜地からのショット練習です。傾斜地からのショットはなんと言っても経験値がモノを言います。普段フラットなコースばかりプレーしていては、なかなか傾斜での対応力は養えません。経験値を積む良い機会と捉えて楽しんで貰えればと思います。
例えば、アップダウンの強いコースで学べるのは状況毎のボールの高さです。「この左足下がりでしっかりキャリーを出すには7番アイアンが限界だな」とか、「これだけ前上がりのライだと、ここまでボールが低くなるのか」などなど。
状況に応じたクラブ選択の為の知見を増やすことが出来ます。
プラインドホールは邪道?
ティショットの落しどころを見渡せなかったり、グリーン面が全く見えないレイアウトを「邪道」などと決めつける人もいるようですが、現代のコースデザインの原型となっているようなクラシックなコースにもそうしたレイアウトは数多く存在します。
見渡せないコースの対策としては、①見えるところまでしか打たない。②イマジネーションを働かせて、距離感ほつかむ。もうこの二つしかありません。
特に②のイマジネーション。距離計に頼って、グリーンまでの直線的な距離は分かっても、実際、どれくらいの高さで何ヤード打つか。3次元的イマジネーションを働かせないと、全く距離感がつかめないということもあります。
こんな時は、ボールの左後ろに立って、ボールの位置から落下地点までを俯瞰して見るようにして、グリーンへのボールの軌跡をイメージします。グリーンへ落下していくボールの角度がとどれくらいになるか。軌跡の頂点はどこになるか。そんな事を頭の中でイメージすると、「距離」という数字だけでなく、その状況で「打つべき距離」が分かるようになってきます・
こんな風に”クセ強”のコースはそこでしか体験出来ないゴルフの大切な事を学べる貴重に場所なのです。毛嫌いせずに、トライしてみて頂けたら嬉しいです。