こんにちは。SPORTSBOX AI 日本アンバサダー・コーチの北野達郎です。今回はフロリダ州オーランドで開催されているPGAショーの模様をお伝えします。PGAショーでは、初日の前日に「DEMO DAY」と呼ばれる様々なメーカーのクラブの試打会や、ゴルフコーチ向けの勉強会が開催されています。私は今回、スポーツボックスAIの日本アンバサダーとして、スポーツボックスのライブイベントに参加したので、今回はその模様をお伝えします。
DEMO DAYは試打会だけじゃない。様々なイベントが開催されている。
まずPGAショーとは、アメリカ・フロリダ州オーランドで開催される世界最大のゴルフ見本市です。日本ですと毎年3月にジャパンゴルフフェアが開催されますが、その世界規模バージョンと解釈して頂ければ分かりやすいですね。そのDEMO DAYでは、オレンジカウンティナショナルゴルフセンター&ロッジの広大な敷地で、クラブメーカーやパーツメーカーなどによる大規模な試打会が行われますが、試打会だけでなくゴルフコーチ向けの様々なセミナーも開催されています。今回私はスポーツボックスのライブセミナーに参加しました。

画像①PGAショーのエントランス/世界最大のゴルフ見本市。毎年世界中から多くのゴルファーが訪れている
会場はリユニオン・ゴルフリゾートのニクラス・クラブハウス内にある、ゴルフゾン・レッドベターゴルフアカデミーです。ニクラス・クラブハウスの名の通り、クラブハウスにはジャック・ニクラスの写真や、メジャートーナメントで実際にニクラスが使用したマーカーなどが飾られていて、ニクラスの功績と伝統的な格式を感じるクラブハウスでした。

画像②リユニオンゴルフリゾートのニクラスクラブハウス/ニクラスがメジャーで使用したマーカーが飾られている
クラブハウス内にあるゴルフゾン・レッドベターアカデミーで開催されたライブセミナーには、約30名以上の海外のゴルフコーチが参加して、フィル・チーザム博士、スポーツボックスアンバサダーのテリー・ロールズが講師として、セミナーを行いました。そのセミナーで私がまず感じたのは、海外のコーチ達の質問が非常に多いことです。
例えばスウィングをスマホで撮影する際の高さは骨盤の高さが推奨なのですが、もしグリップしている両手の中心の高さから撮影すると、ハンドアップやハンドダウンのアドレスによって撮影位置が大きく異なり、それに伴ってスウィングデータの傾向にも影響を受けやすいなど、スウィングチェックより1つ前のスウィング撮影準備に至るまで、質疑応答しながら確実にインプットしていく姿勢に感銘を受けました。
AIでスウィングチェックするのが主流になる時代が来る。ゴルフコーチがAIと共存する方法とは?
そして、初日と2日目はPGAショーが開幕して、私もブース対応の合間に各社の視察に回りました。私の専門ジャンルである「マーカーレス3Dモーションキャプチャー」は、今や弾道測定器に匹敵するほどの分野になりつつあります。私が日本アンバサダーを務めるスポーツボックスAIの他にも、スウィングカタリスト、スマート2ムーブといった足圧を測るフォースプレートのメーカーも今回マーカーレス3Dモーションキャプチャーをリリースしています。他にはFENRIS、ELVA、X View、ONFORM、そしてトラックマンと、各社が凌ぎを削っており、もはやレッドオーシャンになりつつあるのを感じました。

画像③マーカーレス3Dモーションキャプチャー/スウィング中のボディデータを計測するのは、もはや世界標準になりつつある
このボディデータの計測が浸透していくことで想定されるのは、「AIでスウィングをチェックすることが主流になる」です。例えば、スポーツボックスAIにはスウィング中の各ポジションでのツアーレンジがあり、そこから外れたデータは範囲外で赤色で表示されるので、その部分を修正するドリルのビデオを同じアプリやソフトウェアから確認すれば、それでスウィングチェックができる訳です。

画像④課題と修正ビデオの例/赤色の文字で表示されている部分を修正するビデオが搭載されており、スウィングのセルフチェックが可能
それでは、将来ゴルフコーチはどのようにして生き残るべきなのか? 先程のライブセミナーに話が戻りますが、その答えは、より個々に適したスウィングのカスタマイズにあると考えます。例えば今回のライブセミナーの講師テリー・ロールズは、自身の理論である「バイオスウィングダイナミクス」をもとに左足軸、センター軸、右足軸の3タイプごとのツアーレンジを独自にデータを取っていました。例えば本来は左足軸タイプのブライソン・デシャンボーが、いきなりタイガー・ウッズのようなセンター軸を目指してもかえってパフォーマンスを落としてしまうということです。

画像⑤スポーツボックスのセミナーから/講師のテリー・ロールズが、3タイプごとのツアーレンジを解説していた
ですので、「1つのお手本」を目指してスウィングチェックするのがAI、「個々にあったカスタマイズ」が求められるのがレッスンというように、今後はコーチとAIが共存していく時代になるでしょう。
今回はPGAショーの模様をお伝えしました。今年は笹生優花選手も来場されており、日本ではなかなか会えないトップ選手やマニアックな製品なども多数あるPGAショーは、ゴルファーなら1度は訪れたい場所ですので、ご興味ある方は是非、来年行ってみて下さい!