Q:25年の目標は?
A:今年は「勝ちたい!」
イベントの中で今年の目標を聞かれた渋野は、「勝ちたいです!」と答え、勝つために「自分に自信を持ってプレーしたい。それが今年の目標でもあります」とした。

渋野はイベントの中で今年の目標を「勝ちたい!」と話した
イベント後に改めてその気持ちを聞かれ、「勝ちたい気持ちは年々強まっていますし、本当に自分に自信を持って一年間戦えるように頑張りたいなと思っています」と自身の決意を繰り返した。
今年は凄く前向きでシーズンに入れそう
渋野が『自信』を今年のテーマにしようと考えたのは、昨年のシーズンが終わったあたり。「来年は自分に自信を持ってやりたいからオフに頑張ろう」と思ったという。昨シーズンは決して満足のいくものではなかった。
「昨年の出だしとかは凄い不安をもってスタートしたぶん、自分に自信を持ってプレーができていない部分があった。全米女子オープンで2位(全米女子プロ7位タイ)になったりもしましたけど、あの期間だけ伸び伸びできたなと思う1カ月だけだったので。自信を持ってゴルフができている期間があまりにも少なすぎるので、一年間を通して自分を信じる心をもうちょっと持ってやりたいなと思って」
渋野の米LPGAツアーでの成績は、2024年は26試合に出場してベスト10入りは2試合で、「全米女子オープン」と「全米女子プロ選手権」だった。それにしても渋野は、なぜ最難関のメジャーになると力を発揮するのか。
「全米女子プロとかは難しかったので、練ランの時からこれ80切れるわけないじゃん、我慢大会になるなと思ったんですけど、凄く我慢はできていたのかなと思います。でもそういうところほどトップ10に入ったりしていたので、冷静にできていたのかなとは思いました。そういう気持ちで最初からいればいいじゃんって思います」
渋野はメジャーで感じたこの手応えを、今シーズンは他の試合での『自信』に繋げられるだろうか。
「昨年の年始よりは全然、自分の気持ち的にも体的にも違うなって思うので、凄く前向きに開幕戦を迎えられそうです」
Q:オフの練習は?
A:100ヤード以内を多めにやった
年末年始は岡山で過ごし、おもに練習場で球打ちをしたようで、「凄く充実した練習ができたと思います」と言い切った。
「(全クラブを)全体的に取り組んだんですけど、100ヤード以内の練習は多めにしました。例年よりは濃いかったな、濃い100ヤード以内でした」
「課題もショットもアプローチもパターも全部、徹底的にやったつもりではあるけど、100パーセントではありません、芝とは違いますから。でもまあこれくらいの距離かなと思うショットの距離はだいたい出ていたかなと思います。
距離もちょっと飛んできている(5〜10ヤード)のかなっていう感覚はあるので。そういうところも気持ちがプラスになる要素ではありますね」
伸び代が少ない完成度の高いゴルフ
YouTubeで昨年は「伸び代を感じる一年だった」とし、2025年は「伸び代を感じない一年したい」と言っていた渋野だが、この真意とは。
「ゴルフを続けていて完成したゴルフができるとは思っていなくて、ずっと追求し続けていくと思うんです。でも今までよりも完成度の高いゴルフが一年間を通してできると、回りから見て、『伸び代が少なくて、まだまだやれるな、もっと変えたほうがいいんじゃないの?』みたいなことを思われない、そういう一年にしたいなって思ったのだと思う」
Q:昨年と変わったことは?
A:練習は独り。クラブはフリー。
1月中は岡山の練習場で球打ちをしていたということで、コーチなど変わったことはあるのだろうかと問うと「特にはないですけど、でも自分でやりたいようにはやりました」という。
かねてより噂のあったクラブも、この日使っていたドライバーは従来のPINGではなく、ヘッドのトウにはタイトリストの刻印が。本人からは「まだ一応、調整中ではあるんですけど。いろいろ打ってみました」と、現時点でのフリー宣言が。

タイトリスト「GT2」を使用してイベントでボールを打つ渋野
米LPGAに日本から13人参戦。「頑張らんと!」
今季はアメリカのLPGAツアーには、新たに4人が加わり日本人プレーヤーの参戦が13人となる。
「今まで以上に気が引き締まる感じなので、頑張らんと、とは思っていますけど。それだけ日本のレベルも上がってきていると思いますし、みんなを追い越していけるように頑張りたいです」との気概を表した。
自身の初戦の「ファウンダーズカップ」。渋野日向子は『自信』を持って臨むことができるだろうか。2月6日に初日を迎える。
TEXT/古屋雅章
撮影/姉崎正