みんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴルガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太の二人による“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回は2025年2月に発売となる。キャロウェイのドライバー『ELYTE ♦♦♦(エリート トリプルダイヤ)』の試打を行った。
 
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「ELYTE ♦♦♦」は理想的な弾道と飛距離性能の追及を優先したモデル

プロ、上級者向けの「ELYTE ♦♦♦」は360度カーボンシャーシを導入し、ボールの上がりやすさよりも理想的な弾道と飛距離性能の追求を優先したモデルだ。ヘッドは、体積が450ccと小ぶりでディープフェース、そしてプロや上級者が好む洋ナシ型の形状となっている。ロフトは8、9、10.5度の3種類。ソールに配置されているスクリューウェイトの初期設定はフロントが4g、バックが9gだが、入れ替えにより弾道の高さやスピン量が調整可能。他の「ELYTE」3モデルはクラウンがマット仕上げだが、「トリプルダイヤ」は光沢のあるグロス処理が施されている。

画像: ELYTE ♦♦♦

ELYTE ♦♦♦

試打クラブのスペックは、『ELYTE ♦♦♦』でロフト10.5度。シャフトは純正の『TENSEI GREEN 60 for Callaway(Flex S・45.5インチ』だ。使用ボールはいつもどおり、タイトリスト『プロV1』。

構えてみた癸生川プロは「この『トリプルダイヤ』はヘッドが小さくディープフェースで、操作しやすそうな形状と大きさ。僕は難しそうとは思わないけれど、平べったいシャローヘッドのほうが当たりやすいと思うタイプの人には、難しさを感じるかもしれないですね」と話す。

HS45m/s前後で試打開始!

高弾道で0.1度右に出てから1.0度左に傾き、2.3ヤード右に着弾したストレートフェード。

画像: 高弾道で0.1度右に出てから1.0度左に傾き、2.3ヤード右に着弾したストレートフェード。

高弾道で0.1度右に出てから1.0度左に傾き、2.3ヤード右に着弾したストレートフェード。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.6m/s
ボール初速●66.3m/s
打ち出し角●12.4度
スピン量●2510rpm
降下角●43.6度
キャリー●226.5Y
飛距離●242.6Y
打ち出し方向●0.1度右
スピンアクシス●1.0度左
SIDE●2.3Y右

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●8ミリトウ
Vインパクト●0ミリ高

試打をした癸生川プロは「球が強いな。打感も良いし。HS45m/sで振ってもシャフトが暴れない。操作性も良く感じるし、球を曲げられそう。ノーマルの『ELYTE』に比べてこの『トリプルダイヤ』は、ヘッドが小ぶりだから、ダウンスウィングでもたつきがなく、より鋭くスッとくるから振り抜きが良くて、操作しやすいというのは感じます」。

また、試打データを見た小島プロは「打ち出し角の12.4度、スピン量の2510rpmは悪いインパクト条件ではない。でも、落下の角度が43.6度で高弾道です。これは明らかに風の影響(アゲンスト)で、それでキャリーが226.5ヤード、トータル242.6ヤードしか飛んでいない。トラックマンは“ノーマライズ”といって風の影響を排除することができるので、今、それをやってみます」と分析。

ノーマライズ前と後のデータ比較
落下角/43.6度(風あり)→35.5度(風なし)
キャリー/245.3ヤード(風あり)→269.6ヤード(風なし)

画像1: 上がノーマライズ(風の影響を排除したデータのこと)したデータ

上がノーマライズ(風の影響を排除したデータのこと)したデータ

「見てもらうと分かると思いますが、アゲンストの風によって24.6ヤードも飛距離が落ちるということですから、風の影響は凄いです。弾道とデータを見た印象は、軽いフェードで確かに球は強いなという印象はありますが、もっと潜っていく球が出るのかなと思ったんですけれど、案外ベーシックな球だなという印象」(小島プロ)

HS42m/sで打ってみた

中弾道で1.6度左に飛び出してから、0.2度右に傾き、2.8ヤード左に着弾したストレートフェード。

画像: 中弾道で1.6度左に飛び出してから、0.2度右に傾き、2.8ヤード左に着弾したストレートフェード。

中弾道で1.6度左に飛び出してから、0.2度右に傾き、2.8ヤード左に着弾したストレートフェード。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.1m/s
ボール初速●62.4m/s
打ち出し角●11.0度
スピン量●2349rpm
降下角●38.0度
キャリー●202.4Y
飛距離●222.9Y
打ち出し方向●1.6度左
スピンアクシス●0.2度右
SIDE●2.8Y左

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●0ミリトウ
Vインパクト●4ミリ高

試打をした癸生川プロは「飛び方が綺麗ですね。クラブスピードを3m/s落としたので、球は低くなったけど、そのぶん、球のつかまりも少し落ちたのかなという印象です。 シャフトは42m/sで振っても硬い感じはしないし、イイ感じでディフレクション(撓んで)して打ちやすい感じですね」。

また、試打データを見た小島プロは「ボールスピードが62.4m/sに落ちたなりにスピン量も2349rpmに落ちています。でも風が強いので落下角度が38度で、キャリーが202.4ヤード、トータルの飛距離が222.9ヤード。風は45m/sで打った時と同じ状態なんですけど、クラブスピードを落としたほうが風の影響による飛距離などの数値の落ち具合が減るんです」。

ノーマライズ前と後のデータ比較
落下角/38.0度(風あり)→28.9度(風なし)
キャリー/202.4ヤード(風あり)→218.9ヤード(風なし)

画像2: 上がノーマライズ(風の影響を排除したデータのこと)したデータ

上がノーマライズ(風の影響を排除したデータのこと)したデータ

「ノーマライズで風をなくす状態にすると落下の角度が28.9度です。球の高さを考えると落下の角度は30度は欲しいのですが、それを下回っています。ただ、風には強くキャリーで218.9ヤード、トータルが248.8ヤードと低いけど転がるという弾道になります」(小島プロ)

プロ・上級者向け『ELYTE ♦♦♦』の適正スピード帯は?

小島: HS42m/sで打った時に落下の角度が28.9度になってしまうと、ちょっと厳しいですね。

癸生川: キャリーが出ないとね。

小島: 低弾道が好きな人なら良いけれど、42m/sより低いスピード帯は厳しいだろうと思います。シャフトを替えてということもアリなんですけど、元々の純正シャフトが60グラム台しかないということは、ターゲット層は上になってくると思います。シャフトの重さはどうでした?

癸生川: シャフトは重くは感じないけど、でも40m/s以上は欲しい。

S子: じゃあ、適正スピードは44m/s以上ということですか?

小島: いま打った42.1m/sでギリギリだから、トラックマンのクラブスピードで43m/s以上は欲しいですね。癸生川プロはロフト9度をウォーミングアップで打ってましたけど、まあまあキツくなかったですか?

癸生川: キツいね。45m/sで打っても、当たり方にもよるけど、球は上がらない。9度は45m/s以上の人向けな気がします。

小島: もちろんインパクト条件が人によって違うけど、「トリプルダイヤ」は相当ハードな印象。癸生川プロも「ELYTE」の9度は楽に打てていたので、やっぱりそれだけ違うということですね。ある意味ターゲット層をハッキリ分けているという感じはします。

試打後の感想

画像: 試打後の感想

最後に、キャロウェイ「ELYTE ♦♦♦」のお勧めゴルファーは。

癸生川: 自分で球をコントロールできる、または、球をコントロールしたいプレーヤーに合うヘッドという印象でした。

小島: ある程度しっかりヘッドスピードがあって、ヘッドコントロールが出来て、真ん中に当てられるプレーヤーが扱えるモデルかなと思います。

今回の試打によって、メーカーが、プロ・上級者向けを謳うだけに「ELYTE ♦♦♦」は相当ハードなモデルであることが判明した。腕に自信のある人、低弾道好みの人は試してみてほしい。

みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、このキャロウェイ「ELYTE ♦♦♦」10.5度のトウとヒールで打った時の寛容性の高さの試打検証もしているので、そちらもぜひご視聴を。

THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所

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癸生川プロ、小島プロによる新作ドライバーの試打インプレッションはこちらから

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