ディアマナBBは2024年9月に発売された通称「青マナ」ポジションに位置するモデルになります。
ディアマナBBも第6世代のモデルになり、昨年の9月の発売以来順調なセールスを記録しているとのことですので、今回はディアマナBBの人気の秘密を、実際にフルスペックのデモシャフトを用意して検証しながら探っていきたいと思います。
ディアマナBBは40グラム台「43R2」から80グラム台「83TX」と全21種類。ディアマナシリーズの中でも一番ターゲットの広い「青マナ」の系譜の最新モデルとあって、さすがのラインナップですね。

2024年9月に発売された「ディアマナBB」
外観は第6世代の第一弾「WB」と同様のマットブラック一色で、手元側にハワイ州の花である「ハイビスカス」を配し、サーフボードをモチーフにしたデザインにDIAMANAロゴがプリントされています。ロゴまわりのブルーはこのシャフトが「青マナ」の系列であることがはっきりわかります。
個人的に「ディアマナ」といえばイオンプレーティング処理の高級感のある外観が好みだった私としてはややもの足りなさも感じますが、マットブラック塗装の外観はヘッドを選ばずマッチングさせやすく評判は良いようです。
今回は43、53、63、73の重量帯を用意して、前編後編にわけて検証していきます。前編では53シリーズと63シリーズ、後編では43シリーズ、73シリーズを解説していきたいと思います。
では早速シャフトを検証していきたいと思います。今回のヘッドはテーラーメイド『STEALTH2』、シャフトレングスは45.5インチです。
直進性が高く左右ブレが少ない「ディアマナ BB 53シリーズ」
50グラム台「53シリーズ」の人気スペックでもある「53S」から打ってみました。中元調子のシャフトですが、第一印象としては手元側がしっかりとした印象ですね。手元側から中間部までしっかりした感じのアスリートモデルのフレックスです。
フレックス | 振動数 |
53R | 235CPM |
53SR | 244CPM |
53S | 254CPM |
53X | 264CPM |
53TX | 266CPM |
ディアマナユーザーなら違和感なく振れるフレックスですので、ディアマナBB53はSフレックスを基準のフレックスと考えて良いでしょう。最新モデルのBBは当然ながら大慣性モーメントヘッドに対応すべく先端部分の剛性も高く設計されていますので、スイートエリアを外したインパクトでも打点ブレに強い印象です。

ディアマナBB 53シリーズ(S)の振動数は「254CPM」
実際に弾道も直進性能が高く、左右ブレが非常に少ない。中弾道でロフト通りの打ち出しをイメージできます。叩いてもバックスピン量はやや少なめの強弾道ですので、着弾してからのランも期待できるでしょう。
SRフレックスはSフレックスに比べると手元剛性が落ちることで切り返ししやすく、アマチュアゴルファーにも中元調子らしいシャフト挙動を感じることができると思います。また、Rフレックスはシャフト全体の剛性バランスが絶妙。ダウンスウィング時のタメも作りやすく、スウィングプレーン上で理想的なシャフトのしなりを再現できます。

テーラーメイドSTEALTH2、シャフトレングスは45.5インチで検証
SR、Rフレックスともにハードヒッターでなければボールの吹け上がりのない強弾道です。ディアマナを初めて使う一般的なヘッドスピードのアマチュアゴルファーはSRとRフレックスを試してほしいと思います。
Xフレックスはシャフト振動数がテストクラブで264CPMとSフレックスに比べて14CPMの差があります。手元側の硬さに加え、重さも感じられます。先端部分のやや上に動きは感じますのでSフレックスだと手元側が緩く感じるゴルファー向きです。
TXはプロ用に用意されたフレックスですが、シャフトが全体的に硬いのでシャフト挙動に一体感があります。そのためイメージよりも振りやすく感じます。アマチュアゴルファーでも硬めでシンプルな動きのシャフトが好みの方も意外と多くいらっしゃると思います。
試せる機会が少ないと思いますが、是非打ってみて欲しいフレックスです。新たな発見があると思います。
打出角が安定してボールもとらえやすい「ディアマナ BB 63シリーズ」
60グラム台「63シリーズ」も基準となるSフレックスから打ってみました。63Sはシャフト重量61グラムと60グラム台としては軽めの重量ですが、思ったよりも軽さは感じず、手元側にしっかりした剛性感のある設計です。
フレックス | 振動数 |
63R | 241CPM |
63SR | 248CPM |
63S | 256CPM |
63X | 268CPM |
63TX | 271CPM |
手元側から中間部まで硬さは感じますが、硬すぎることもなく、中間部から先はシャフトの動きを感じることができるのでボールはとらえやすい印象です。シャフト先端部分の動きはねじれることもなく、ヘッド挙動が安定しているので打ち出し角度も安定して弾道も揃いやすくブレがありません。バックスピン量も少なめでボールが吹け上がることもなく、アスリートゴルファーが60グラム台のSシャフトに求める要素が備わっているフレックスの印象です。
アスリート用の設計のシャフトでSRとRフレックスなどの軟らかめのフレックスは希少な存在です。53シリーズ同様、初めてディアマナを使う方、やや重めのシャフトの方がスウィングが安定する方、63Sフレックスだと硬さを感じてしまうという方にオススメのフレックスです。
Sフレックスよりも明らかに中元調子のタメの作りやすさを感じやすく、安定したシャフト挙動は厚いインパクトを実現。動きすぎない穏やかなしなりを活かして、自分でインパクトを作りたい方に最適なフレックスだと思います。

ディアマナ BB 63シリーズ
XフレックスはSフレックスに比べても明らかに手元側の硬度がアップしていて、グリップの下に硬さを感じます。シャフト振動数も264CPMとアップしますが、手元側の硬度の差なのでしょう。中間部から先はほんの少し動きを感じます。手元硬度が高いのでゴルファーのシャフトに加えるテンションのかけ方や装着するヘッドの重心設計やヘッド重量によっては結構フィーリングが変わりそうな感じがします。
TXはXフレックスよりも手元側から先端部まで全体的に硬いことで一体感がありますので思ったより扱いやすいシャフト挙動だと思います。私のヘッドスピード(42〜43m/s)のゴルファーをターゲットにしたフレックスではありませんが、ヘッドのロフト角度さえあればボールも上がりますし、決して打てないことはありません。
叩いてもバックスピン量は抑えられますので、ボールが上がりすぎてランが出ない方や、スウィングパワーをしっかりとボールに伝えていきたいゴルファーに試して欲しいフレックスです。
さて、今回はディアマナBB53シリーズ、63シリーズを検証してきましたが、人気の理由は「使えるゴルファー幅が広がったこと」が一番大きいと感じています。文中でも書いているように、やはりディアマナの基本設計はSフレックスにあると思いますが、SRやRフレックスを選べることによって「元々はディアマナのSフレックスを使っていたけど、年齢とともに硬く感じるようになってきた」というゴルファーも安心してスイッチしやすくなっています。
その一方、ディアマナを使ったことがない方で「リシャフトしてみたいけど、ディアマナって上級者用でしょ?」と感じているゴルファーでもSRやRになると剛性が落ちているため、扱いやすく、挑戦しやすい。プロからアマチュアゴルファーまで選べるシャフトという点が人気の秘密なのかもしれません。
次回は43シリーズ、70シリーズを検証していきたいと思います。40グラム台のディアマナBBはどんな印象か? 人気の理由を徹底検証していきますので、ぜひそちらも参考にしていただけたら嬉しいです。