「残り70ヤードから100ヤードを打つつもりでプレーした」とマキロイがいった前日の荒天から一転、太平洋から吹く風以外はマイルドな天候となった最終日。1打差の2位タイからスタートしたマキロイはバック9で一気にアクセルを踏み込んだ。

PGAツアー「AT&Tペブルビーチプロアマ」を制したローリー・マキロイ(撮影/Blue Sky Photos)
10番ではおよそ5メートルのバーディパットを決め、571ヤードの14番では本人も認める「完璧なティーショット」と高弾道の7番アイアンでグリーンをとらえると7.5メートルのイーグルパットを沈め追いかける選手たちを意気消沈させた。
「ペブルビーチではこれまであまり良いプレーができていなかったけれど、こうしてゴルフの聖地の1つで勝てたのは本当にクールだと思う」と大会記録にあと1打と迫る通算21アンダーの勝利にマキロイは達成感を滲ませた。
優勝をさらに意味あるものにしたのがアイルランド(マキロイは北アイルランド)の幼なじみローリーの存在だ。
仲の良い2人は昨年チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズでコンビを組みチーム戦で優勝。今回も大会初日にはマキロイが15番で、ローリーが海沿いのシグネチャーホール17番でそれぞれホールインワンをマーク。エースの競演に2人はビールとピザをメディアに振る舞った。
「バック9で彼が(4バーディで)追い上げてきたからちょっとヒヤりとした。でも彼と一緒に回れて本当に楽しかった。2人がリーダーボードの上位にいるのはすごくクールだ」(マキロイ)

幼なじみのシェーン・ローリーと同組だったマキロイ。勝敗が決し健闘を称え合った(撮影/Blue Sky Photos)
ローリーによると2人が最終日最終組で対戦するのは「確か14年のウェントワース(欧州ツアーのBMW PGA選手権)で彼に負けたのは覚えている。我々はそれほど最終日最終組で対戦した経験がない。でも明日(最終日)は2人のうちどちらかが勝てばいいね」と3日目に語っていた。
結局今回もマキロイがローリーを2打差で下し8年連続優勝を果たした。
「マキロイが最高のプレーをすれば彼に勝つのはほぼ不可能」とローリーは実感を込めた。
「今年は僕にとって重要なシーズンになると思う」というマキロイ最大のミッションは14年以来勝星のないメジャー制覇。マスターズに勝って待望のキャリアグランドスラムを達成できれば最高だ。