以前、長尺パターを使っていた黒木紀至は、師匠・藤田寛之の指導のもとで通常の長さのパターに戻した。それは、パッティングに本当に必要な動きを身に付けることができたからというのだ。週刊ゴルフダイジェスト2月18日号「3パット撲滅完全マニュアル」ではロングパットの距離感が出せ、1メートルを確実に決められる藤田から学び、実践しているパットの技をご紹介。「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてお伝えする。【2回中2回目】
 
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画像: パッティングの画期的な練習法「引き打ち」とは?【藤田寛之から学んだ極意!“3パット”撲滅完全マニュアル②】

指導/黒木紀至プロ
くろぎのりゆき。1993年生まれ、宮崎県出身。数年前から藤田寛之に師事してゴルフが激変。悩んでいたパットも大きく改善され、今季は下部ツアー上位の資格でレギュラーツアーに参戦する。UMKテレビ宮崎所属。

【1メートルの沈める打ち方】”パチン”と音がするインパクトになる

GD 1メートル以内のパットのストロークで、気を付けるポイントを教えてください。

黒木 ロングパット同様、ヘッドを真っすぐ動かそうとしないことです。真っすぐ動かそうとすると手打ちになるので、ストロークが安定しないからです。師匠の藤田さんからも「真っすぐ動かすのが一番難しい」と言われ、どうすればスクエアにインパクトできるか教えてもらったのが、テークバックでフェースを閉じ気味にシャットに上げ、フォローではややフェースを開き気味にするストロークです。ヘッド軌道が逆扇形というかV字に動くようにするイメージです。

画像: V字軌道で打つ

V字軌道で打つ

GD 逆に複雑な動きでは?

黒木 そうかもしれませんが、このV字軌道を意識すると意外とヘッドがスムーズに動かせるんです。そして、このV字軌道の中にスクエアなインパクトが存在するという考えです。要は真っすぐ動かして真っすぐ当てようとすると、ストロークが遅く動きも硬くなり、逆にフェース面がゆがんでインパクトしてしまうんです。それなら、スムーズな動きの中で作っていくほうが、インパクトでスクエアを作りやすいということです。

GD フェースは開いて閉じる動きじゃないんですか?

黒木 扇状にフェースを開いて閉じるストロークより、閉じて開くほうがフェース面のブレが少なくてスクエアにボールをとらえやすいんです。ダメなのは、ヘッドを真っすぐ動かそうと軌道をなぞる動きです。最終的には本当に手が動かなくなります。

GD スムーズにヘッドが動いたほうが、スクエアにインパクトしやすいということですね。

黒木 真っすぐの呪縛を解かれたことで、狙ったところに打ち出せるようになってから、本当にパターが得意になりました。

1メートルが入る打ち方&構え方

打ち方 シャットに上げてオープンに出す
ヘッドを真っすぐ動かそうとするとヘッドの動きに意識が行きすぎて体は止まってしまう。結果、手の使いすぎなどが起きる。体とクラブを同調させて、常に体の正面にヘッドがある状態が正解。

画像: 1メートルが入る打ち方&構え方

トップ 手首をタテに動かしてヘッドを上げる
体の正面から外れないように、ほんの少しヘッドを上へ持ち上げるようにタテにコックする感じでテークバックする。このときフェースはやや閉じシャット気味になる。
 
インパクト コックを戻すと自然にスクエアになる
テークバックでタテにコックした動きをインパクトで元に戻す。フェース面を真っすぐ動かして真っすぐ戻そうとすると、体の動きがぎこちなくなり、逆にスクエアなインパクトが難しくなる。
 
フォロー フェース面はなるべく返さないようにする
フォローでフェースは自然と返るのでかぶる動きになる。このような動きになることを頭に入れておき、フォローでなるべくフェース面が返らないように意識する。初めはフォローでフェース面が開いてもOK。

画像: オープン→シャットはNG

オープン→シャットはNG

構え方① 両わきを締めて構える
アドレスで両ひじが体の内側を向くように構えると、腕と胴体が一体化して安定したストロークが作りやすくなる。

画像: 両わきを締める

両わきを締める

構え方② クラブを吊ってアドレスする
両手親指側の手首が伸び切るヘッドを下げた状態にしてアドレスを作ると、体と腕とクラブが同調するので手打ちにならないという。

画像: クラブは吊って構える

クラブは吊って構える

インパクトのフェースの向きまで見えてくる

GD 練習法を教えてください。

黒木 インパクトで緩んでしまい、狙ったところに打ち出せないという人は、インパクトしたらヘッドを素早く引き戻す“引き打ち”がいいです。やり方は、打ったあとにヘッドを戻すだけです。この引き戻し練習をすると、徐々にインパクトの瞬間が見えてくるので、スクエアにインパクトする感覚もつかめてくるんです。

GD どれくらいの距離で練習すればいいですか。

黒木 初めは20メートルでもいいですが、慣れてきたら1メートルくらいでやってください。実際のコースでも使える動きなので、ぜひ試してみてください。

【練習法】インパクト直後にヘッドを引き戻す

効果① フェースの向きが自然にスクエアになる
インパクトしてからヘッドを引き戻すことで、インパクト時のフェースの向きがスクエアになっていることを感じられ、慣れてくるとインパクトの瞬間まで見えてくる。

画像: インパクト後に引き戻す

インパクト後に引き戻す

効果② インパクトが通過点になる
インパクトで引き戻す練習をしていくと、手首の動きがほどよく固定されてくるのが実感できる。この感覚が湧いてくると、ストロークがスムーズになりインパクトの緩みがなくスクエアにボールをとらえることができてくる。

画像: ストロークがスムーズになる

ストロークがスムーズになる

PHOTO/ARAKISHIN 
THANKS/UMKカントリークラブ

※週刊ゴルフダイジェスト2月18日号「”3パット”撲滅完全マニュアル」より一部抜粋

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