ゴルフに浮き沈みはつきものだ。歓喜のときは一瞬で過ぎ、ひとたび階段を踏み外せばその先に灯りすら見えない暗闇が続く。それは世界のトッププロでも時として味わう苦悩だ。ツアー6勝のマックス・ホーマは今暗闇のなかにいる。ゴルフという難解なゲームに立ち向かうのは容易なことではない。

昨年4月マスターズで優勝争いを演じ3位に入ったときホーマは確かにキャリアのピークに近づいていることを感じていた。しかしそれ以降低迷。世界ランキングは9位から60位台に急降下した。

昨年はツアーの終盤11試合でトップ20入りさえなく今シーズンも出場4試合で賞金を獲得したのは2試合だけ。

前週のWMフェニックスオープンでは大会前の練習日に「何カ月も後退しているように感じていましたが、その日はようやく失われていたリンクのようなものが見つかった気がした。うれしくて思わずチーム全員とハグしました」と語ったホーマ。

画像: 不調が続くマックス・ホーマ(写真は2025年のWMフェニックスオープン 撮影/Blue Sky Photos)

不調が続くマックス・ホーマ(写真は2025年のWMフェニックスオープン 撮影/Blue Sky Photos)

しかしゴルフは残酷だ。世界ランク1位のスコッティ・シェフラー、上り調子の若手トム・キムと一緒に回った予選ラウンド初日、掴んだと思ったリンクは再び彼の手を離れ76を叩きカットラインに5打及ばず予選落ちを喫した。

「ゴルフは難しくて、相手(ゴルフ)に嫌われると本当に難しくなる。今の僕はゴルフに嫌われているのかもしれない」

肉体的にも精神的にも疲れ果てたながらWMフェニックスオープンがおこなわたアリゾナから次の開催地へと車で移動している最中、車窓を過ぎる砂漠の荒野を眺めながらホーマはこう思った。

「次の勝利はこれまでのどの勝利よりも素晴らしいだろう。素晴らしいフィニッシュが与えてくれる甘い安堵感がどんなものなのか僕はわかってる。だから今はそれをモチベーションにかえて努力するだけだ」

カリフォルニア出身のホーマは地元での勝率が高い。南カリフォルニアのサンディエゴで開催されるファーマーズ・インシュランスオープン、そして今週リビエラCCからファーマーズの舞台トリーパインズGCに変更されたジェネシス招待、両方で勝利を挙げている唯一の選手は彼だ。

練習量も多い。昨年のZOZOチャンピオンシップでフィールドの誰よりも長い4時間以上レンジで球をひたすら打ち続けていた姿を思い出す。

「上り調子ですべてが簡単だと思える人もいる。でも僕はそうじゃない。ゴルフに簡単なことなど1つもない。今はひどい状態だけれど正しい方向に進んでいることだけはわかっている」

長年契約していたタイトリストを離れプーマに移籍。コーチとも別れ自らの道を模索するホーマ。暗闇の先にあかりが灯り再び優勝争いに加わる日は近いと思いたい。

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