地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「見た目、性能のカスタイマイズ性が豊富な1本」

連載48回目は「オキコバランス」広島店店長の山本修さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はロッディオ「M-Tuning」がオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

広島店店長の山本さんがロッディオ「M-Tuning」の特徴を語る

「『M-Tuning』はマット系の見た目とカチャカチャ、そして3つのソールウェイトでの調整が出来ることが最大の魅力だと思います。チューンナップ自体は工房で行うのですが、我々はフィッティングをして作り上げていきますので、カスタマイズが出来ないってなるとなかなか難しい所はあるんですよね、いきなり鉛を貼るわけにはいかないし……(笑)」と山本さん。ロッディオのウェイトスクリューは1.2g/2.5g/3.7g/5.2gの4種類あるが、短尺など特別な理由がない限り5.2gのウェイトの出番はないとのこと。

「今の大型ヘッドではヘッドが返りにくく、スライス回転で球が飛ばないという方が多くいらっしゃいますが、440ccのヘッドを使用することでヘッドが戻りやすく、球がつかまって飛ぶようになることが多いです。またソールウェイトを軽くすることで女性やシニア層にもヘッド重量を調節できるので、その人に合った1本を作り上げることができます。
 
ウェイトスクリューやプレートなど、色を変えることができるのもロッディオならではだと思います。特に女性には、打つだけではなく見た目も可愛らしくしたりすることで気分が上がる方も多くいらっしゃいます」

画像: ロフト10度/45.5インチ/バランスD1.5/総重量311.3g/振動数233cpm

ロフト10度/45.5インチ/バランスD1.5/総重量311.3g/振動数233cpm

「今回はウェイトもシャフトもスタンダードな形で作りました。お客様によっては打ち出し角が高すぎる場合や、逆に低すぎてしまうことがありますが、ソールウェイトの比重を後方、前方に置くなどでスウィングを変えずに弾道を変えることができますので、その時の状態やコースに合わせたヘッドを作り上げられることが上級者から気に入っていただける人気なのかなと思います」と話した。

広島店に来店される方はまずドライバーを試打して購入、そしてFW、アイアンと、ロッディオに染まっていく方もいるという。地クラブならではの個体差の少なさやカスタマイズ性をとても評価していた。

ロッディオ「M-Tuning」の印象を堀越プロに聞いた

「シャフトは光沢感が際立ち、とても高級感のある見た目をしていますね。この企画で何度かロッディオシャフトを試したことがありますが、艶ありのデザインは初めてですね。このTT-5(太陽)はソールウェイトにデザインされているもので、シャフトには『太陽(先中調子)』『星(中調子)』『月(中元調子)』で性質が分かれているそうで、今回のシャフトは先中調子とのことです。
 
ヘッドの印象はやはりやや逃げ顔で、しっかりと叩いていけるような安心感があります。また構えた時の据わりが良く、ピタっとアドレスできるので目標物に対してしっかり構えられることが思い切り振れる自信にも繋がっていると思います」と堀越プロ。

実際のスペックを調べてみると標準から2度オープンとなっている。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

「以前も着目しましたが、ソールに3つ配置されているウェイトスクリューによって、個々に合わせた重量調整が可能になっているそうです。長尺や短尺にした際のクラブバランスなど、工房店主と作り上げる唯一のクラブを作り上げることが最大の魅力だと思います」

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

いつものようにヘッドスピード42m/sで試打を開始。

「やはりロッディオのヘッドは打ち出し角が比較的高い印象を受けます。球自体は適度なスピン量で最高到達点も出ているため、しっかりとキャリーを出すことができるヘッドですね。シャフトに関しては先中調子とのことでしたが、先は暴れることなく全体がしなってくれるため、切り返しからのタイミングが非常に取りやすく感じます。ヘッド重量やシャフトの長さなど、とてもバランスよく仕上げているクラブだと思います」と堀越プロ。

ロッディオの『M-Tuning(10度)』は本企画で4回試打しているので、以前の記事からデータを比較してみました。ヘッドスピードはどれも42m/s前後で試打をしています。

画像: ロッディオ「M-Tuning」の印象を堀越プロに聞いた

「スピン量、キャリーに関しては5球平均にも関わらず同様のスピン量とキャリーを記録していますね。シャフトの剛性や重量はバラバラですが、スピン量を抑えたい方にはとてもおすすめできるヘッドだと思います。またヘッド自体が安定した弾道を担保してくれるので、球の上下はシャフトで変えていけそうですね」とデータを比較。

総評

画像: 総評

「今回試打した『M-Tuning』は、1発の飛びではなく、平均飛距離が伸びるようなクラブで、アイアンショットのように狙った場所に置くようなコントロール性、そしてしっかりとキャリーが出る安定した飛距離性能が特徴的でした。球も適度につかまり高さも出ることで、力むことなく振れるので、安定したティーショットを求める方におすすめです。本企画登場回数の多さから、ロッディオのヘッドが非常に工房店主から信頼されていることが明らかになっています。個々に合わせた調整や豊富なカスタマイズ性など、打つだけではない楽しさも感じさせるクラブでした」

 

THANKS/クレアゴルフフィールド

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