
まつやま・ひでき/1992年2月生まれ。愛媛県出身。明徳義塾高等学校、東北福祉大学卒。2013年プロ転向。2014年ザ・メモリアルTでPGAツアー初優勝。2021年マスターズ優勝。PGAツアー11勝、国内8勝

スコッティキャメロン 009(ダブルオーナイン)マスタフル プロト。市販モデルの系統としてはニューポートと同じ形状。センターのやや手前にストレートシャフトが入る。マスタフルとは“優れた技術”という意味
写真はAT&Tペブルビーチプロアマの練習日のもの。このパターについて、静岡県の浜松シーサイドGC内にあるスコッティキャメロンミュージアムの担当者・木下氏に聞いた。
「開幕戦で使用していたパターが『009(ダブルオーナイン)マスタフル』というツアーブラック仕上げのモデルで、市販にはない、ストレートシャフトのパターです。一見、センターシャフトにように見えますが、ヘッドのセンターからシャフトが繋がっているわけではないので、あくまでも『ストレートシャフト』タイプになります。このストレートシャフトのプロトモデルは、ネックが3つのポジションからチョイスできるのですが、センターよりやや手前側のポジションを松山選手は選んでいるようです。日頃、松山選手は試合で選択するパターは頻繁に変えるタイプではないですが、練習では多くのパターを試しているので、これは今回その中から実戦投入された一本だと思います」
ちなみに、撮影した練習日の翌日には、このパターに似た黒ヘッドの別のパターを投入、AT&Tペブルビーチプロアマでは、そのパターでプレーをしていた。木下氏に聞くと、「こちらは『クラフツマン』というモデルです。よりクラシックでシャープな外観で、トウ側が浮いているモデル(ハイトウ気味)になります」

ドライバーは、昨年終盤に使用していたスリクソン ZXi LSからZX5 MkⅡ LSのT230というモデルに戻していた
今年に入り、これまで使っていたこのモデルに戻している。ネックに記される“T230”はシリアルナンバーで大きな意味はないが、別ナンバーのドライバーを試合で使うこともあるそうだ。シャフトはお馴染みの旧オレンジ版コスメのツアーAD DI。80グラムのフレックスTX。

5Wはコブラ ラッドスピート ツアー。3WのQi10は試合ではツアーAD DIの黒バージョンを挿したクラブを使用。
3WはQi10でお気に入りの1本とのこと。5Wは1.75インチ先端カットしてシャフト装着。シャフトはドライバー、3Wは同じツアーAD DIだが、黒いDIを挿す。

スリクソン ZフォージドⅡ。コンディションに合わせて見た目や微妙なグラインドを加えたヘッドがあり、適材適所で使い分けているようだ
現在のアイアンは4I~9I。元々、PWまで入れていたが昨年から9Iまでにしてクリーブランドのウェッジを増やしている。

クリーブランド RTX4。軟鉄鍛造ならではの、打感、スピン性能、操作性を気に入って長く愛用しているそうだ
昨年、48度を追加して、4本態勢に。打感、操作性、スピン性能を気に入っていて長く愛用。60度は2度寝かして62度にしている。

スリクソンZスター XV。全体的なフィーリングに手応えを抱いているとのことで、アプローチの際はミスヒットも助けてくれる感覚があるそうだ
1月中旬に発売された新しいZスター XVを優勝したザ・セントリーでも使用していた。ドライバーの出球が少し高くなっていて、ボールスピードも出ていて、スピンもちょうど良いとのこと。パッティング時の打感も気持ち良く、少しだけ“ガツン”と打っている感触があるという。「松山選手は、全体的に“しっかり感”のある打感が好みです」とはスリクソン担当者の言葉。
新パターの投入、ドライバーを前モデルに戻し、新しいボールに替え、早々に結果を出した松山。更なる活躍を期待させる滑り出しだ。
松山英樹の最新クラブセッティング(25年AT&Tペブルビーチ プロアマの練習日に撮影)
1W/スリクソン ZX5 MkⅡ LS(9.5度)・ツアーAD DI(8TX)
3W/テーラーメイド Qi10(15度)・ツアーAD DI(9TX)
5W/コブラ ラッドスピード ツアー(17.5度)・ツアーAD DI(10TX)
4I~9I/スリクソン ZフォージドⅡ・ダイナミックゴールド ツアーイシュー(S400)
PW・AW・GW・LW/クリーブランドRTX4フォージド プロト・ダイナミックゴールド ツアーイシュー(X100)
PT/スコッティ・キャメロン 009 マスタフル プロト
ボール/スリクソン Zスター XV
※スペックは編集部調べ
※60度はロフト調整で62度に
※スタッツは1月28日時点のもの
PHOTO/Blue Sky Photos