
試打&解説
松本 一誠プロ
レッスンプロにして、2023年のロングドライブ競技日本チャンピオン。日本練習場連盟ティーチングプロ
松本一誠プロ ELYTE FW 5モデル解説試打
試打者の松本一誠プロは、ELYTEドライバーシリーズもすべて試打済み。
「ドライバー4モデル(ノーマル・X・♦♦♦・MAX FAST)の凄さが分かっているだけに、5Wがどんな機能なのか楽しみにしていました。5モデルを打ち終えて驚いたのは、どのモデルも平均ミート率が1.49超だったこと。その説明をする前に、ミート率についておさらいをすると、〝ミート率〞とはジャストミートの確率ではなく、その一打がどんなショットなのかを表す数値。理想は1.5とされ、打点がブレればそのぶん数値も落ちていきます。
今回は、全球が人工マットからの直打ちです。天然芝と違って球の下にヘッドが入る隙間がありません。だから、大半はフェース中央ではなく下寄り打点になります。当然、ミート率も低めになるはずなのですが、この5モデルは1.49〜1.5の連続。フェース下部を含めて打点ブレに対して超強いことを表しています。
そのうえで、各モデルがヘッドスピード帯やスウィングタイプに寄り添って作られています。例えば、『ELYTE X』は、スライスさせたくない人にぴったり。トップからポンとヘッドを落とせばクラブが球をつかまえて右へのミスを消します。打点ブレに強いから、『真ん中に当てよう』と意識する必要もありません。
最後に、もう1点。ソールの抜けがいずれも優れていること。人工マットでもその良さを感じました。ELYTEのドライバーは空力性能によるヘッドスピードアップが凄かったですが、FWは抜けの良さも特筆部分。これもショットの安定感を支えています」
ELYTE FW
3つのテクノロジー
TECH.01 タングステン・スピードウェーブ
タングステン・スピードウェーブ

ダンクステン・スピードウェーブのイメージ(緑色のプレート)
ヘッド内部のフェース近くに〝タングステン・スピードウェーブ〞という重さのあるタングステン製のプレートをソールから浮いた状態で設置。この技術により、フェース下寄りで打った場合でもフェース下部からソール前方にかけて適度な〝たわみ〞が発生し、球を高く遠くへ打ち出せるように進化。
TECH.02 Ai 10x フェース
Ai 10x フェース

Ai 10x フェースのイメージ
打点ブレによるショットのブレを補正するコントロールポイントの数を大幅に増加させたAi 10x フェースが全FWモデルで採用されている。コントロールポイントとはフェース上にある最適な弾道に補正する場所。その数が多いほど弾道のバラつきは小さくなる。
TECH.03 ステップ・ソール デザイン
ステップ・ソール デザイン

ステップ・ソールデザイン
ELYTEのFWヘッドは、〝ステップ・ソール デザイン〞というソール途中に段差を設けた形状を成している。この段差によってソールが地面に接する面積が57%減少、インパクト時のソールの跳ね返りが減ってヘッドの抜けが向上。アドレス時のヘッドの据わりも良くなった。

試打方法
各モデルの5W、推奨シャフトのSで試打。松本プロの6割の力感に統一してテスト。各7球打ち、トラックマン計測データの上と下を省いた5球の平均値を採用。ボールはクロムツアーXで統一
ELYTE 5W
やや小ぶりで丸みのある形状

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積143cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7W・Heaven・9W・11Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。ELYTEのスタンダードモデルで7番手ラインナップ

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積143cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7W・Heaven・9W・11Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。ELYTEのスタンダードモデルで7番手ラインナップ

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積143cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7W・Heaven・9W・11Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。ELYTEのスタンダードモデルで7番手ラインナップ

使用シャフト ベンタス グリーン5-S
いきなりミート率1.5!
ELYTE 5W 試打結果
「構えた時の顔は至ってオーソドックスでスクエアです。1球目にいきなりミート率1.5! 4球目には驚異の1.51が出ました。このELYTEは超高性能ヘッドです。スピン量は平均4123rpmでちょうどいいですし、飛距離が出て操作性も高い5Wです」(松本・以下同)
ELYTE X 5W
ヒール側にボリュームがあり大きめに見える

5W(ロフト18度、ライ角61度、ヘッド体積159cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。少しアップライトなライ角で飛距離とつかまりを重視

5W(ロフト18度、ライ角61度、ヘッド体積159cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。少しアップライトなライ角で飛距離とつかまりを重視

5W(ロフト18度、ライ角61度、ヘッド体積159cc、長さ42.5インチ)。3W・3WHL・5W・7Wがあり、3Wと3WHLはアジャスタブルホーゼル。少しアップライトなライ角で飛距離とつかまりを重視

使用シャフト ベンタスグリーン5-S
スライサーに選んでほしい
ELYTE X 5W 試打結果
「ELYTE Xはつかまりそうな見た目です。シャローヘッドで大きく見えて、トウ側の頂点がしっかりあるのでボールが逃げないイメージです。振り上げたらポンと落とすだけで球がつかまってドローが出ます。この飛び方の一貫性は凄い、スライスの人にベストです」
ELYTE ♦♦♦【トリプルダイヤモンド】5W
洋梨形状の光沢ヘッド

5W(ロフト18度、ライ角58度、ヘッド体積150cc、長さ42.5インチ)。3W・5W・7Wがあり、3Wはアジャスタブルホーゼル。ソール前寄りに約5グラムのウェイトが入った低・浅重心モデル

5W(ロフト18度、ライ角58度、ヘッド体積150cc、長さ42.5インチ)。3W・5W・7Wがあり、3Wはアジャスタブルホーゼル。ソール前寄りに約5グラムのウェイトが入った低・浅重心モデル

5W(ロフト18度、ライ角58度、ヘッド体積150cc、長さ42.5インチ)。3W・5W・7Wがあり、3Wはアジャスタブルホーゼル。ソール前寄りに約5グラムのウェイトが入った低・浅重心モデル

使用シャフト テンセイ グリーン60-S
狙って止められる
ELYTE ♦♦♦【トリプルダイヤモンド】5W試打結果
「ELYTE ♦♦♦ドライバーと同じ光沢のあるヘッドで、フェースは全溝です。少し重めで、打ち出し角が高く、スピン量は多め。飛ばしだけでなく、ターゲットを絞って、ピタッと止めるにはベストな性能です。操作性も高いので球筋も作れる5Wです。打球音は静かめ」
ELYTE TITANIUM【チタニウム】5W
スタンダードに似た素直なヘッド形状

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積149cc、長さ42.5インチ)。3W・5Wがあり、どちらもアジャスタブルホーゼル。ソール前方に約6グラム、後方に約10グラムのウェイトが入ったフルチタンヘッド

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積149cc、長さ42.5インチ)。3W・5Wがあり、どちらもアジャスタブルホーゼル。ソール前方に約6グラム、後方に約10グラムのウェイトが入ったフルチタンヘッド

5W(ロフト18度、ライ角59度、ヘッド体積149cc、長さ42.5インチ)。3W・5Wがあり、どちらもアジャスタブルホーゼル。ソール前方に約6グラム、後方に約10グラムのウェイトが入ったフルチタンヘッド

使用シャフト テンセイ グリーン60-S
直進性能が凄い
ELYTE TITANIUM【チタニウム】5W試打結果
「スタンダードELYTEに似た形状で、フェースは♦♦♦と同じ全溝。高初速のストレートが続き直進力が強いです。どこに当たってもショットの安定感が本当に高い。(力感6割統一の試打とは別に)試しにHS50m/sでも打ちましたが、スピンが入って硬いグリーンでもビタ止まりしてくれそう」
ELYTE MAX FAST 5W
シャローで少し大きめのヘッド形状

5W(ロフト19度、ライ角61度、ヘッド体積153cc、長さ42.75インチ)。3W・5W・7W・9Wがあり、すべて固定型のホーゼル。ドライバーのELYTE MAX FASTと同じシリーズ中の軽量モデル

5W(ロフト19度、ライ角61度、ヘッド体積153cc、長さ42.75インチ)。3W・5W・7W・9Wがあり、すべて固定型のホーゼル。ドライバーのELYTE MAX FASTと同じシリーズ中の軽量モデル

5W(ロフト19度、ライ角61度、ヘッド体積153cc、長さ42.75インチ)。3W・5W・7W・9Wがあり、すべて固定型のホーゼル。ドライバーのELYTE MAX FASTと同じシリーズ中の軽量モデル

使用シャフト LIN-Q グリーン 40-S
HSが上がって高い球が出る
ELYTE MAX FAST 5W試打結果
「軽いですが頼りない感じはなく、他モデルよりも少し長めでも振りやすくてHSが出ますね。打ち出しから高い球が出てスピンも入る。球のつかまりはELYTE Xに近い感じ。そして打点ブレの補正能力が異常に高い。非力な人の〝ミラクルクリーク〞になりますよ、これ」
「ELYTE XとTITANIUMとMAXFASTの3モデルは真っすぐ飛ばせる性能がとても高く、スタンダードELYTEと♦♦♦の2モデルはショットがバラつかないなかでの操作性能が高いFWでした。ゴルファーのパワーやプレースタイルに合わせて、5モデルをラインナップした意味を感じました。〝僕の一本〞が必ずあります!」

ELYTE(右上)、ELYTE X(左上)、ELYTE ♦♦♦(右下)、ELYTE TITANIUM(中下)、ELYTE MAX FAST(左下)、すべて5W
PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Tadashi Anezaki
THANKS/Forex Showroom Studio