誕生から25年を迎え、世界中のツアーで670勝を挙げているタイトリストのツアーボール「プロV1」と「プロV1x」がリニューアル。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が試打レビューをお届け。

タイトリストの「プロV1」と「プロV1x」は厳しいセッティングで戦うツアープロたちが求める飛距離、弾道の高さ、スピン性能、打感などのあらゆる面で高い性能をモデルチェンジを重ねるたびに進化させ続けていますが、これらの性能の進化がもたらすものはプレーヤーのスコアアップ。そのためにトータルバランスを考えて進化させています。

画像: 発売から25周年を迎え、新しくなったタイトリスト「プロV1」と「プロV1x」

発売から25周年を迎え、新しくなったタイトリスト「プロV1」と「プロV1x」

そのモデルチェンジは2年に1度の周期で、以前は「プロV1」、「プロV1x」の持つキャラクターが似通ったり離れたりしたこともありましたが、ここ数世代はそれぞれの持つキャラクターを踏襲しながら進化することで、ツアープロたちは新モデルへの移行もスムーズに行われています。

では25年の新モデルではどう変わったのでしょうか。タイトリストからは「MORE SPEED」、「MORE CONTROL」というキャッチフレーズが届いています。それぞれのキャラクターを踏襲しながらボール初速の向上やコントロール性を向上させたということでしょう。

それぞれのキャラクターをおさらいしておくと、「プロV1」は軟らかい打感、中弾道、ロングゲームのスピン量は少なめのキャラクターでアゲンストや風に強い印象。「プロV1x」はしっかりした打感で初速が速く、「プロV1」よりも高い弾道。アイアンショットでは落ち際までスピン量を残しながら着弾する「プロV1x」らしい弾道の印象です。どちらのモデルもアプローチでのスピン量は多くグリーン周りでは高い操作性を持ち合わせています。

内部構造や素材の違いだけでなく、それぞれのディンプルを見てみると形状、大きさ、深さとその組み合わせに違いがあることが見て取れます。ディンプルの違いは、バックスピンの回転をしながら飛行する際の揚力に影響を与えるので弾道に表れます。

「プロV1」はショートゲームのスピン量がアップ

早速「プロV1」から試打してみると、前作と変わった点はショートゲームでのスピン量が増えていること。特にヘッドスピードの遅い領域でのスピン量が増えたことをアプローチで感じます。ドライバーやフェアウェイウッドといったロングゲームについては少なめなスピン量で飛距離を稼げる感覚は前作同様。ロボットレベルで試打比較すれば、新作はボール初速も上がっていると思いますが新旧の「プロV1」を打ってみて飛距離が変わるかと言われば、そこまで感じることはありませんでした。

画像: 「プロV1」はショートゲームのスピン性能が向上

「プロV1」はショートゲームのスピン性能が向上

実際にカメラ式の弾道計測器「GCクワッド」で計測してみましたが、前作と大きな差が表れるほどではありませんでした。ただし、打点がバラついたときにスピン量や初速は変化するのですが、その変化が大き過ぎると、縦の距離感が大切なゴルフというゲームの特性において、デメリットになります。特にラフからのショットでスピン量が少なく、飛びすぎることはスコアメークを難しくさせますので、アイアンショットでのスピン量が増えることは、弾道の安定を意味するので、スコアメークにおいてはプラスに働くといえます。

「プロV1x」はロングゲームでのスピン量を減らしながらショートゲームではスピン量を確保

続いて「プロV1x」は、ドライバーでは速いボール初速と高弾道、アプローチでは「プロV1」よりもカチッとした打感でありながらもスピン量はとても多くギュギュっと止まる感覚は秀逸です。

これまでは「プロV1」に比べてスピン量が多いので、ドライバーでミスすると曲がり幅が大きくなったり飛距離をロスすることもありましたが、新モデルはそれがなくなったとは言いませんが、明らかに少なくなった点が大きな進化だと感じました。ロングゲームでのスピン量を減らしながらショートゲームのスピン量を確保するという難題に挑戦し、解決したモデルという印象です。

画像: 「プロV1x」はロングゲームでのスピン量を抑えショートゲームでは従来通りのスピン性能を確保

「プロV1x」はロングゲームでのスピン量を抑えショートゲームでは従来通りのスピン性能を確保

スピン量を多く持たせ過ぎないキャラクターの「プロV1」に、ショートゲームでのスピン量を持たせ、スピン量を持たせた「プロV1x」にロングゲームでのスピン量を減らした新モデルは、それぞれのキャラクターを引き継ぎながらも短所を克服する姿に進化したというわけです。

どちらを選んだらいいか? と聞かれたら、ドライバーでのスピン量が多ければ「プロV1」と答えていましたが、「プロV1x」のその部分の性能が改善されたことで選択肢は広がりました。しかし、ドライバーだけでなく、スコアに直結するアイアンショットやグリーン周りのスピン性能の高い「プロV1x」も捨てがたいところ。従って自分のプレースタイルに合わせたボール選びが正解と答えます。

そして異なる打感も基準になるでしょう。「プロV1」に比べてしっかりした打感である「プロV1x」は使用しているクラブによっては打感が硬いと感じるかもしれません。軟らかい打感を好むのであれば「プロV1」を、ある程度しっかりした打感を好むのであれば「プロV1x」を選ぶことをおススメします。

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