全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回は現在国内で約1000店舗の登録店のみで発売されているプレミアムシャフト・フジクラのジュエルラインシリーズ「ダイヤモンドスピーダー」を前編と後編に分け、2週に渡り検証。果たしてどんなシャフトなのだろうか?

現在国内シェアNO.1シャフトメーカー「フジクラコンポジット」のシャフトブランドとしては国内外多くのツアープロから高い評価を得ているブランド「ベンタス」シリーズや、国内女子ツアーで特に高い使用率を誇るシャフトブランド「スピーダーNX」シリーズがあります。

そのフジクラシャフトのブランドに「ジュエルライン」シリーズがあるのをご存じでしょうか?

ジュエルラインのシャフトは現在国内で約1000店舗の登録店のみで発売されているプレミアムシャフト。
 
シリーズとしては
「DIAMOND SPEEDER」
「PLATINUM SPEEDER」
「DAYTONA SPEEDER」
「DAYTONA SPEEDER X」
「DAYTONA SPEEDER LS」
の5種類が用意されています。

なかでも「ダイヤモンド スピーダー」はジュエルラインシリーズ唯一、ドライバー用に加え、FW用、ハイブリット用、アイアン用がラインナップされているジュエルラインシャフトのメインモデルとなっています。

画像: フジクラ「ダイヤモンドスピーダー」

フジクラ「ダイヤモンドスピーダー」

今回は2024年4月に発売されたフジクラジュエルライン最新作の「ダイヤモンド スピーダー」を2週に渡り検証したいと思います。1週目はドライバー用を検証します。

2024年4月に発売された「ダイヤモンド スピーダー」は2代目。『フジクラ史上最小トルク』を掲げた初代モデルの発売は2017年でしたので、フジクラのシャフトブランドとしてはロングスパンで販売される商品となってます。

2代目ダイヤモンド スピーダーは「フジクラ史上最小トルク」として発売した初代モデルをアップグレードして2024年4月に40グラム台、50グラム台を発売して、7月に30グラム台を追加して3つの重量をラインナップしています。今回は全ての重量帯の全フレックスのシャフトを用意して検証して行きたいと思います。

まずは現在一番販売比率の高い50グラム台から検証していきます。

フレックス振動数
5R227CPM
5SR237CPM
5S247CPM
5X257CPM
5XX265CPM

初代モデルでも人気のスペックであった5Sから打ってみましょう。シャフト重量は58.5グラムでトルク2.4とフジクラ史上最小トルクのシャフトがダイアモンドスピーダーです。東レ(株)製の最新カーボン「トレカM46X」を、ゴルフシャフトでは初採用してアップグレードした飛距離重視のシャフト設計です。

打ち始めから感じられるのは引き締まったしっかりとした印象のシャフトです。捻れないロートルクシャフトのイメージです。打ってみても手元剛性が高くグリップの下にしっかりとした硬さとハリが感じられます。

メーカー表記は中調子となっていますが、5Sを実際に振った感じはシャフト中間部分よりやや先寄りにしなるポイントがある”先中調子”のシャフトにも感じられます。

手元から中間部の剛性が高いのとマテリアルに高弾性シートを採用していることで独自のフィーリングを演出していますね。前作とシャフト重量は同じですが、トルクは2.7から2.4と数値上は更にロートルクになっています。数値だけでみると扱いにくいかな? と思いましたが、かえって前作よりもハリ感が少なく扱いやすく感じます。

しなり戻りのスピード感はダイヤモンドスピーダーの特長を感じさせてくれ、インパクト後もシャフトの加速が続くイメージでボールを押していってくれるフィーリングです。ロートルクのメリットの一つでもあるヘッド挙動の安定感もありますので、フェースが開いて当たるような感じもありません。フェースがクローズ気味に当たるのでボールのつかまりをキープしつつ、弾道はロフト通りのイメージです。

吹け上がらない直進性能の高い弾道が印象的で、バックスピン量はやや少なめ。ボールスピードの速さはレンジボールでも体感できますので、飛距離性能は非常に高いと思います。

画像: ダイヤモンドスピーダー5Sの場合

ダイヤモンドスピーダー5Sの場合

SRフレックスの重量はSフレックスよりも1グラム軽くなっています。シャフトトルクはSフレックスと同じ2.4ですが、バット径も若干細くなり、手元剛性も下がることで切り返しがスムーズに感じられます。ダイヤモンドスピーダーはロートルクらしく潰れない設計の手元剛性ですので、Sフレックスが硬く感じてしまう方はSRフレックスが良いでしょう。

Sフレックスに比べてもシャフト先端部分の動きは大きくなりますが、フェースのコントロールもしやすくなります。ボールのつかまり感も良くなり、弾道はやや高めになるイメージです。フレックスダウンしてもシャフトパフォーマンス的にダウンすることはありませんので、ダイヤモンドスピーダーが持つ高い飛距離性能をやさしく体感できると思います。

5Rフレックスは非常に完成度が高いです。シャフトトルクは2.4とS、SRフレックスと同じです。ロートルク設計のRフレックスは他のシャフトでは感じられない絶妙なフィーリングがあります。トルクの数値だけで判断するとRフレックスとしてはロートルク過ぎて扱いにくくなる感じることもありますが、手元剛性も硬すぎず、強い力を与えなくてもダウンスウィング時にオートマチックに切り返しやすいので、スムーズにスウィングできます。

シャフト挙動はしなりがあるのに全体が潰れにくく、インパクトでしっかりとボールを弾いて飛ばしてくれます。ロートルクのメリットでもあるインパクトで押し負けるようなこともありませんので、高いボールスピードを実現してくれます。Rフレックスのロートルクシャフトはスウィングスピードの速くないゴルファーに「シャフトを変えて飛距離がアップする」ことを体感しやすいフレックスだと思います。

5XはSフレックスの各部分を更にしっかりさせた設計のフレックスです。振り始めからシャフト全体にしっかりとした剛性感が感じられます。

マテリアルに高弾性シートを採用したロートルク設計のシャフトのXフレックスらしく、しなり戻りのスピード感に一体感がある気持ち良いフィーリングです。とくにインパクト付近でのシャフトのスピード感やボールを押し込んで飛ばしていくイメージは、フジクラの他のモデルのシャフトでは味わえないフィーリングです。一般的なスウィングのゴルファーには硬く感じるフレックスですが、ヘッドスピードの速いゴルファーでもスウィングで振り抜くタイプの方に良いフレックスだと思います。

画像: フェースコントロールもしやすい5S

フェースコントロールもしやすい5S

XXは前作には設定されていなかった新しいフレックスです。シャフト重量は62.5グラムで50グラム台としては重めです。XXフレックスをダイヤモンド スピーダーのラインナップに加えた理由は何か意図があるのでしょうか? 興味がありますね。

シャフト振動数は265CPMと、同社のベンタスTR BLACK 6S同等の数値に近いのですが、シャフトのマテリアルとロートルク設計がもたらすシャフトフィーリングはアスリートモデルのシャフト設計のフィーリングとは別ものです。

高弾性シート採用によるオートマチックなしなり戻りの速さはダイヤモンドスピーダーらしさを感じます。そのスピード感にプラスされたロートルクのシャフトらしいレスポンスの良さとブレに強いインパクトが実現する重厚なフィーリングが特長的ですね。

高強度のロートルクシャフトを実現したXXフレックスは同社のアスリートモデルとも異なる設計の新しい提案型のフレックスだと感じました。なかなか試せる機会がないフレックスですが、ヘッドスピードが速く、興味がある方は比較して試してみてはいかがでしょうか?

▶ダイヤモンド スピーダーの特徴分布図は2ページ目に

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