
「下りのパットはタッチを合わせて、上りは結構強気で打てました」(岩井)
「今日はショットもパットも全部良かったですね。100点です」と、ラウンド後に話した岩井。出だしのパー5で2オンに成功し、2パットのバーディを奪うと、そこから4連続バーディで勢いに乗った。前半だけで7つ。後半は前半の勢いこそ落ち着いたものの15、16、18番でバーディを奪い、終わってみれば2位に3打差のトップで初日を終えた。
昨年のこの大会は60位タイで「コースは得意なほうではありません。グリーンのアンジュレーションがきつくて、ピン位置によってはかなりシビアなショットを求められる」と苦手意識があるコースだ。そんなコースで10アンダー。プレー中はどのような心持ちだったのか?
「バーディがポンポン来ても驚くことなく、意外と平常心でプレーできました。やるべきことをやって、それが今日は上手くいった。最近はゴルフがうまくいかないことが多かったので、練習にもすごく熱が入っていました。今日のこの結果も練習の成果だと思っています。苦手意識のあるコースですが、不安があったかといえばそうではない。どちらかというと緊張ですね。でも、出だしで上手くいったので、そこからは“いい緊張感”でプレーすることができました」
ここ、サイアムCCオールドコースはフェアウェイでも逆目になると目がきつく、逆目に止まるとフェースが突っかかってひっかけのミスをしている選手が多くいた。そういった芝目の状況は「気にならなかった」と岩井。
「逆目はありましたけど、自分なりにこれまでの経験を生かして打つことができました。それよりも今日はピンを狙いやすいところに打てたことのほうが多かったです。ただ、まだまだこのコースには慣れていないのですが、ピンが端に切ってあったらニアサイドには外さないようにしたいとか、そういうところはケアしながらラウンドできるようにはなってきました。全てのホールでできるわけではないですが、今日に関して言えばできていたのかなと思います」

「ショットで取ったバーディが多かった」と岩井。持ち前の高い弾道のアイアンショットで何度もピンに絡むショットを放っていた
100点のラウンド後に聞くのは酷かなとも思ったのだが、「明日に向けて修正点があるとするならばどこか」を聞くと、
「強いて言えば、アイアンショットの距離感ですかね。ちょっと迷う場面があって、今日は上手く合わせられましたけど、明日はどうなるかわからない。そこは大事になってくるかと思うので、そこを調整したいと思います」

初日のラウンド後にアイアン練習をする岩井明愛
岩井は言葉の最初に必ずと言っていいほど「今日は」とつけた。今日上手くいっても明日うまくいくかわからないことを知っているからこそ、自分に言い聞かせるように「今日は」とつけていたように聞こえた。だが、今日のプレーを見ていると明日、「今日も上手くいきました」と笑顔で話している岩井の姿を想像してしまう。
撮影/姉崎正