昨日、あれだけのスコアを出しただけに今日はあまり伸ばせないかなと予想していたが、ノーボギーのプレーばかりか、スコアを5つ伸ばした。本人も「昨日と変わったところはなかったです。自分のプレーに集中して18ホール回ることができました」と淡々と話す。日本で戦っているときもそうだったが、明愛のプレーはいつ見ても落ち着いている。どんな時でも冷静に見えるが、その要因はマネジメントにあると本人は言う。
「昨日もそうですが、もちろん全部がいいショットなわけではなくて悪いショットもあります。それでも“絶対ダメ”なところには外れていないことがやっぱり大きいですね」

「2日間いいプレーができたのはマネジメントのおかげ」と岩井。絶対にダメなエリアを外すマネジメントを徹底
当たり前だが、トッププロならどの選手でもマネジメントはしているし、そこに大きな差はないように感じる。ではなぜ差が出るのかと言えば、ひとつの要因に“マネジメント通りに行かない”ことが挙げられるだろう。
「ショット自体の調子はいいほうだと思います。ショットの調子がいいので最悪のミスが避けられているんだと思います」
主催者推薦で出場し、トップで週末を迎える。少なからず気負いやプレッシャーを感じそうだが、明愛は「日本での優勝争いと変わらないと思います」とここでも冷静に答える。
「とにかく自分のプレーをすることが大事だと思っています。明日からはもっとギャラリーが増えると思いますし、地元選手の応援がすごくなると思う。自分もいいプレーをして自分のファンになってもらえるように頑張りたい」
とにかく冷静に受け答えをする明愛。とても22歳とは思えない。燃える瞬間とか、気持ちを切り替える瞬間など、感情の変化が必要なときはどうしているのか?
「本当にたまにですが、勝負どころでは目を閉じて『自分ならできる』と言い聞かせることがあります。一気に集中力を高めています」

「パットのタッチも合っています。調整して明日に備えます」と、囲み取材後、練習場へ向かった
主催者推薦で出場した大会で、ビックチャンスに手が届く最高の位置で週末を迎える。この週末、“優勝”という2文字を意識したとき、明愛がいう勝負どころの“言い聞かせ”の瞬間がきっとくるはずだ。
撮影/姉崎正