「ダブルポンプ」とはどんな動作?
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフをやっているからには、やっぱ飛ばしたい! ってことで、いろいろと飛ばしのためのドリルや練習法を試してきましたが、今回週刊ゴルフダイジェスト2/25・3/4合併号に載っていたのは、今までにやったことのないものでした。それが”切り返しに悩んだら「ダブルポンプ」がいいかも!”というもの。この「ダブルポンプ」でトッププロが15ヤードも飛距離を伸ばしたのだとか。そもそも「ダブルポンプ」ってなんなのでしょうか?

週刊ゴルフダイジェスト2025/2/25・3/4合併号で特集されていた、飛距離を伸ばす動作「ダブルポンプ」を実践!
このダブルポンプという動きを取り入れて飛距離が15ヤード伸びたのはビクトール・ホブランです。PGAツアーで年間王者にも輝いた、言わずと知れたトッププロです。そんなトッププロが15ヤードも飛距離が伸びるってのは尋常ではないわけですよ。これは気になります。
ダブルポンプというのは、わかりやすく言うと2段モーションのこと。テークバックの途中でいったん動きを止め、そこからさらに振り上げ最後まで振り切るというもの。

テークバックの途中でいったんクラブを止め、そこからさらに振り上げてスウィングする
このダブルポンプの効果のひとつは、切り返しで反動が生まれるために捻転が深くなること。そのおかげで腕が脱力して切り返しで深いタメができ、ヘッドが走ることで飛距離が伸びるということ。

捻転が深くなることで腕が脱力し、ヘッドが走る
もう一つの効果は、反動がつくことで勝手に上半身と下半身の捻転差が強くできるので、切り返しも勝手に下半身主導になること。このことによりインパクトで左肩が開かなくなりつかまったドローが簡単に打てるようになるということです。

反動がつくので上半身と下半身の捻転差が強くなり下半身主導になりやすい。左肩が開いたり突っ込んだりもしにくくなる
いや~これが本当なら、まさにいいことずくめじゃないですか。これは試してみるしかないですよね。
記事ではビクトール・ホブラン以外にもダブルポンプを取り入れているトップアマの方や久保樹乃プロのことが書かれていましたが、テークバックの途中のどこでいったんクラブを止めるかは人それぞれ。トップアマの方はクラブが腰の高さくらいまできた時に一度動きを止め、そこからもう一度振り上げています。しかし久保プロはほぼトップの位置まで行ってからもう一度振り上げているんです。なので、どの位置でいったんクラブの動きを止めるのかは、自分がタイミングをとりやすい場所でいいんだと思います。

(左)腰の高さでいったん止める(中)肩の高さでいったん止める(右)ほぼトップの位置に行ってからいったん止める
実際にやってみると……
ってことで、自分が一番途中で止めても振り出しやすい場所を素振りで探してみました。最初は腕が腰の高さでやってみました。これは振り上げる動作もやりやすいし、動きも比較的スムーズに行きました。
次に腕が肩の高さあたりまで来たところで止めてみましたが、これは振り上げてからの距離が短いので、ちょっとオーバースウィング気味になりました。また、止めるところまでの距離も長いので、いまいちタイミングがとりにくかったです。久保プロのようにほぼトップまで行ってからも止めてみましたが、それだと全くタイミングがとれなかったので、やっぱ僕は腕が腰の高さくらいがちょうどやりやすいですね。
自分が止めやすい場所がわかったので、今度はボールを打ってみました。これね、素振りではスッスッとできましたが、いざボールを打つとなるとなかなか難しいです。やはりボールがあると動きがぎこちなくなるというか、スムーズに体が動かなくなりますね。

ダブルポンプではなく、普段のスウィングでの計測値はだいたいこんな感じ
それでも何球か打っていると少しタイミングがとれて打てるようになってきます。確かに普段のワンピースなスウィングよりも、反動がつくぶんだけヘッドスピードは少し上がっているようです。いい感じで打てた時には普段のスウィングのときよりもヘッドスピードも上がったし、飛距離も伸びました。球のつかまりも確かに少しよくなるので、ドローになりやすい感じもしました。捻転がいつもよりも大きくなるので、パワーが溜まっているのかな? これで毎回しっかりとボールをとらえられれば飛距離が伸びそうな感じはしますね。しかしまだ動きに慣れていないのでミスヒットになる確率も少し高いです。

ダブルポンプの動きで上手く打てた時はヘッドスピードが速くなるし、飛距離も10ヤードほど伸びました(あくまでも上手く打てた時ですが)
ダブルポンプをやってみて思ったのは、いったんクラブを止めるところまでは少しゆっくり目にテークバックしないといけませんね。ここで勢いよくテークバックしてしまうとクラブを止めることができません。そして止めた後の振り上げは少し勢いをつけるわけですが、やりすぎて体が伸び上がってしまうとミスショットに繋がるので、そこも気をつけないとダメですね。
練習ではある程度ダブルポンプの動きで打てるようになりましたが、これがラウンドとなるとまた難しくなると思います。やはりプレッシャーがかかるし、ミスしたくないという思いから思い切って振れなくなっちゃうと思うんですよね。なので、最初は広めのコースでちょっと試してみるとかして、コースでちょっとずつ取り入れるのがいいと思います。また、完全にいったんスウィングを止める2段モーションにまでしなくても、滑らかな2段モーションにするのもいいかもしれません。
ダブルポンプには確かに飛距離アップの可能性はあると感じましたが、コースでできるようになるまでには少し練習や、慣れが必要な気がします。しかし練習で取り入れるだけでもテークバックが大きくなって、捻転差も感じやすくなるので飛距離アップの効果もありそうな気がします。気になった方は週刊ゴルフダイジェストの記事を読んで試してみてください。