2025年2月4日と11日の2週に渡って2024年9月に発売されたディアマナBBの人気の秘密を探っていきましたが、2025年2月7日にディアマナの第6世代の最新モデルディアマナRBが発売になりました。これで第6世代のディアマナは2024年1月に発売された白マナ系の元調子のディアマナWB、青マナ系の中調子のディアマナBB、そして最新作の赤マナ系の中調子ディアマナRBの3種類が揃った形になります。
ディアマナRBの意味は「Red Board」の意味?
第6世代のWBとBB同様マットブラックの外観にRBは赤いサーフボードをモチーフにしたデザインにDIAMANAのロゴを配したデザインです。いわゆる通称「赤マナ」の後継モデルを表現しています。赤系のカラーを採用したのは第4世代のRF以来約7年ぶりになります。

2月7日に発売された三菱ケミカル「ディアマナRB」
「赤マナ」系のシャフトはディアマナシリーズで最もボールのつかまりを求めた設計のシャフトです。最新作のディアマナRBはどのようなシャフトなのかチェックしたいと思います。
ディアマナRBはWB、BB同様40グラム台のRB43から80グラム台のRB83までの重量がラインナップされています。今回は最も軽い40グラム台のRB43 R2から順番に重さとフレックスを上げて80グラム台の83TXまでを打ってみましたが、ディアマナRBはどの重量帯も大前提としてBBの存在が大きく影響しているシャフトだというのがわかりました。
RBとBBはキックポイントは同じ中調子表記ですが、実際に打ってみるとRBは「赤マナ」の特徴であるボールのつかまりを「青マナ」系のBBをベースに中先調子系に設計されているのがわかります。

ディアマナRB(S)の場合
手元側でタイミングの取りやすさのあるBBのバット部分をRBはしっかりとさせて先端部分との剛性差でシャフト先端部分に動きを出しています。三菱ケミカルの高弾性ピッチ系の炭素繊維「DIALEAD」をRBの設計に合わせて剛性感を上げています。手元側をやや硬めにして、シャフト中間部分から先端部分にかけて動きを出すように剛性が落としてある設計になっています。
ディアマナRBはBB同様の「中調子」表記シャフトながら先端部分の剛性が落としてあるぶん、動きがあり、ボールをとらえていくのが容易になるシャフトに仕上がっているということになります。
RBは「Red Board」の意味以外に実はもう一つの意味があります。それは「Rise with Board」といってシャフト先端部分の剛性を下げることで「高打ち出し」を容易にイメージしやすくしています。ただ先端部分の剛性を落としただけでは第6世代のつかまり系シャフトとしては不十分ですが、RBは「NEW TIP TEC」先端のTIP部分のねじれ量を絶妙にコントロールすることで、最近大慣性モーメントの大型ヘッドにも対応した当たり負けのない優れたインパクトエネルギーの伝達を実現しています。

ディアマナBB(S)の場合
ディアマナRBは第6世代のつかまりシャフトとして三菱ケミカルの優れたマテリアルで構成された新世代のつかまり系シャフトに仕上がっていることがわかりました。
今回はディアマナRBをフレックスごとに検証していきたいと思います。テストクラブはテーラーメイドSTEALTH2、長さは45.5インチです。
HS40m/s以下のスウィンガータイプい合う「R2フレックス」
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
43 (R2) | 43.5グラム | 5.5 | 229CPM |
R2フレックスは43シリーズのみに設定された最も軟らかいフレックスです。手元側の剛性があるぶん、数値的には高めですが、しなやかさのある振りやすいフレックスです。先端部分の動きでボールをとらえるのが特長です。打ち出し角度は楽に高くなりますが、ボールが右へ逃げる感じはありません。R2フレックスとしては先端部分の剛性感があるのでインパクトも厚くボールをしっかりととらえます。バックスピン量もやや少なめで、ボールが吹け上がることはないでしょう。シャフト全体のしなりのイメージから判断するとヘッドスピードは40m/s以下のスウィンガータイプの方と相性がいいと思います。

アスリートモデルで余分なスピン量がかからない「Rフレックス」
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
43(R) | 45グラム | 5.4 | 237CPM |
53(R) | 50グラム | 4.3 | 240CPM |
63(R) | 59.5グラム | 3.3 | 241CPM |
Rフレックスは43、53、63に設定されていて、中間部分から先にかけてしなり量がありますのでスムーズにボールをとらえやすいと思います。ボールの上がりやすいシャフト先端部分の動きは穏やかで、挙動は安定していますのでインパクト時にフェースが極端にクローズになるような感じもなく、ほどよいボールのつかまりが感じられるフレックスです。
インサイドからフェースが開き気味に入る方にもボールが右へ逃げすぎないと思います。アスリートモデルのRフレックスですので余分なスピンは掛からずに平均するとバックスピン量はやや少なめです。右へのミスで飛距離をロスしているアマチュアゴルファーがコースでランを含めたトータル飛距離アップにつながるでしょう。
ドローボールで飛ばしたいスウィンガータイプの基準となる「SRフレックス」
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
43(SR) | 46グラム | 5.4 | 246CPM |
53(SR) | 51グラム | 4.3 | 250CPM |
63(SR) | 61グラム | 3.2 | 249CPM |
SRフレックスは43、53、63に設定されていますが、どの重量もシャフトの全体のバランスが良く、非常に振りやすいフレックスです。RBの特長のボールの上がりやすさとつかまりやすさも体感しやすいと思います。ドロー回転は大きく掛かり過ぎず、サイドスピン量は500rpm以下で収まりますので左のミスはあまり気にならないと思います。
ドローボールで飛ばしたいスウィンガータイプのアマチュアゴルファーはSRフレックスを基準にしていいでしょう。また、53SRは51グラム、63SRは61グラムと軽めです。ドライバーに装着時にはシャフトをカットしますのでシャフト重量はそれぞれ更に軽くなりますので注意してください。
完成度の高いアスリートゴルファーの基準となる「Sフレックス」
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
43(S) | 47グラム | 5.4 | 253CPM |
53(S) | 52グラム | 4.3 | 257CPM |
63(S) | 62グラム | 3.2 | 258CPM |
73(S) | 73.5グラム | 2.8 | 267CPM |
83(S) | 82グラム | 2.5 | 257CPM |
さて続いて、ディアマナRBの基準フレックスとなるSフレックスを検証していきます。
中先調子の要素を持った中調子設計らしく手元側の剛性はやや硬めです。切り返し時にもたつく感じはありませんのでレスポンスも良くスムーズに切り返しができます。シャフト中間部分から先のしなりがありますが、走る感じはありません。程よく動く感じです。インパクト時にフェースが開いて当たらずにボールを押し込んで行くイメージです。先端部分の剛性はやや落としてあるものの、挙動も安定していますし、実際に当たり負けを感じるようなこともありません。

ディアマナBBに比べ、ディアマナRBはやや高弾道ドロー
非常にドローコントロールのしやすい印象がありますので、ボールをやや右上に打ち出してドローボールをイメージする際も逆球も出にくく、イメージ通りのドローボール弾道で狙いやすいと思います。Sフレックスもサイドスピン量は500rpm以下のドロー回転ですので大きく左に巻き込むことはないと思います。完成度の高いアスリートゴルファーの基準フレックスとして良いでしょう。
「Xフレックス」は自分のイメージでインパクトを作りたいゴルファーに
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
43(X) | 49グラム | 5.4 | 266CPM |
53(X) | 54グラム | 4.2 | 268CPM |
63(X) | 63.5グラム | 3.2 | 269CPM |
73(X) | 74グラム | 2.8 | 267CPM |
83(X) | 83グラム | 2.5 | 267CPM |
Xフレックスは43、53、 63、73、 83に設定されています。43Xは49グラムで、53Xは54グラムと重量の差は5グラム。バット径も同じ15.30です。53のほうがロートルクになっていますがフィーリングも非常に近い軽快な振り心地です。63、73、83は重量差も約10グラムありますので、重くなるにしたがって重厚なフィーリングになります。
Sフレックスよりも手元側が更にしっかりとなりますので、切り返し時にしっかりと手元側にテンションをかけることができれば、先端部分の動きも少なめでシャフトコントロールのしやすさがあります。自分のイメージでインパクトを作りたいゴルファーに良いと思います。XフレックスでもRBらしくフェースが開いて当たることのないインパクトを実現していますのでドローコントロールのしやすさを感じられると思います。先端部分の挙動も安定していて弾道がばらつくこともありませんし、バックスピン量は少なめ。特に63と73はシャフト重量があるほうがトップからダウンスウィングのタイミングが合う方にオススメです。
「TXフレックス」はパワーのあるアスリートゴルファーに
フレックス | 重量 | トルク | 振動数 |
53(TX) | 55グラム | 4.2 | 275CPM |
63(TX) | 65グラム | 3.1 | 273CPM |
73(TX) | 75グラム | 2.8 | 272CPM |
83(TX) | 84.5グラム | 2.5 | 272CPM |
TXは53、63、73、83に設定された最も硬いフレックスです。53TXは275CPM、63TXは273CPM、73TXは 272CPM、83TXは272CPMとプロ用のフレックスですが、数値とイメージからだけでは判断できない非常に完成度の高いフレックスだと思います。
TXはXフレックスとの重量差もそれぞれ約1グラム程度のアップです。当然Xフレックスよりも更にシャフト全体の剛性感が上がりますが、強靭さの中にもドローバイアス設計のRBらしさを感じられ、スッキリした一体感のある振り心地です。右へのミスを気にせず振っていけるRBらしい安心感はTXでも感じられるのでパワーのあるアスリートゴルファーに良いでしょう。とくにオススメは65グラムの63TX。非常にフィーリングのいい完成度です。アマチュアゴルファーでもXフレックスと比較して試して欲しいと思います。
最新作のQi35に装着してみました
参考までにRB53SとRB63Sをテーラーメイドの最新作Qi35にも装着してみました。クラブレングスは45.5インチ、シャフト振動数もSTEALTH2と同じくRB53Sは257CPM、RB63Sは258CPMでした。重心設計が多少異なるヘッドですが、振り心地も弾道もRBの持つイメージで揃っていましたので違和感は全くありません。