
HSBC女子世界選手権で2位タイの古江彩佳(ホンダLPGAタイランドで撮影/姉崎正)
「自分の戦い方を知っているから、コースに合わせてゲームプランを構築できる。そこに古江選手の強さがあります」(中村プロ、以下同)
では、古江選手の“戦い方”とはどのようなものでしょうか?
「飛距離を武器にするプレースタイルではないので、アイアンの精度とショートゲームが持ち味です。ドライバーではFWをキープし、右ピンは攻めすぎず、センターから左にピンが切られた場合に攻めるゴルフですね」(中村プロ、以下同)
古江選手は球が右から左に曲がるドローヒッター。右にピンが切られている場合、ドローがかかりきらないとショートサイド(=ピンが切られている寄せるのが難しい側)に外す危険性があります。
そこはリスクをとらず、得意の球筋で攻め切れるセンターピン、左ピンのホールのみ攻めるというスタイル。攻守のバランスに優れたスタイルです。
そして、古江選手は球筋の安定感に優れていると言います。
「スウィングには『左への重心移動』『回転』『地面反力』という3つの要素がありますが、それぞれのフォース(力)の流れるタイミングが古江選手の場合ズレない。昨年平均ストロークで米女子ツアーNO.1に輝きましたが、このスウィングのズレのなさが、プレーや球筋の安定感につながっています。そして、パットも素晴らしい」
HSBCでは最終日の15番ホールで長く曲がるラインを読み切り、ジャストタッチでバーディパットを決め切ったシーンは、LPGAの公式SNSでも取りあげられていました。
「ライン読み、打ち出し方向、ボール初速というパットの三大要素を最終日に向けて上げていくのが古江彩佳選手の特徴。その特徴がよく出ている1打ではないでしょうか」
攻め方も、パッティングも、決してコースを制圧しようとせず、コースに合わせて自在に攻める。この対応力と、その基盤となる安定感ある高い技術。ここが古江選手の真骨頂と言えそうです。
HSBCでの活躍で世界ランクは7位に浮上した古江選手。今年はどんな活躍を見せてくれるか、楽しみですね!