
写真は23年インターナショナルシリーズ シンガポールに参加したG・マクドウェル(PHOTO/Getty Images)
アジアンツアーは以前、アジアの5カ国で開催されていた「アジアンサーキット」に端を発し、当時は日本ツアーが最終戦となっていて、アジア諸国を回るような日程だった。若手プロたちの“武者修行”の場としてとらえられることが多く、開始当時、1962年の賞金総額は約7万ドルで、1試合当たりの賞金額は日本円で約500万円程度(当時のレートは1ドル約360円)だった。「アジアンサーキット」から世界へ飛び立った有名選手は多く、LIVゴルフの元CEOグレッグ・ノーマンもその一人。
アジアンツアーには現在、サウジアラビアの政府系投資ファンドであるPIFが設立したLIVゴルフインベストメンツが投資しており、2024年は年間スケジュールに高額賞金の「インターナショナルシリーズ」10試合が追加され、賞金総額が上がっていた。
なお、アジアンツアーの2025年の年間スケジュールを見ると、「インターナショナルシリーズ」は下記の4大会のみの決定にとどまっていた。
日程 | 大会名 | コース名 |
---|---|---|
1月30日~2月2日 | インターナショナルシリーズ インド | DLF ゴルフ&カントリークラブ |
3月20日~3月23日 | インターナショナルシリーズ マカオ | マカオゴルフ&カントリークラブ |
7月3日~7月6日 | インターナショナルシリーズ モロッコ | ロイヤル ゴルフ ダルエスサラーム |
10月23日~10月26日 | インターナショナルシリーズ フィリピン | 開催コース未定 |
情報筋によると「インターナショナルシリーズ」は10試合で総額2350万ドル(日本円で約35億円)を予定しているとのことで、残り6試合の発表が待たれていた状態だ。
インターナショナルシリーズの導入により、賞金額が増えた結果、アジアンツアー自体の参加者のレベルが上がり、2024年11月6日のデータを基に『週刊ゴルフダイジェスト』が算出した数値では、優勝者に与えられる世界ランキングの平均獲得ポイントはJGTOの7.12ポイントに対し、アジアンツアーは8.41ポイントと上回っていた。つまり、日本で開催される試合でもっとも世界ランキングのポイントを獲得できる大会になる。
また、インターナショナルシリーズの年間ランキング1位の選手には翌年のLIVゴルフリーグへの出場権が付与されるとあって、推薦をもらつまた日本人選手が、ここで優勝し、アジアンツアーのツアーカードを入手し、勢いそのままLIVゴルフへと考える可能性は大いにある。
順位 | 名前 | 国籍 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | オリ―・シュナイダージャンズ | 米国 | 180.00pt |
2位 | ブライソン・デシャンボー | 米国 | 110.00pt |
3位タイ | ホアキン・ニーマン | チリ | 56.50pt |
3位タイ | エイブラヒム・アンサー | メキシコ | 56.50pt |
5位タイ | 比嘉一貴 | 日本 | 34.27pt |
5位タイ | セバスチャン・ムニョス | コロンビア | 34.27pt |
5位タイ | エウヘニオ・ロペスチャカラ | スペイン | 34.27pt |
なお、この開催日程は韓国の仁川で開催されるLIVゴルフ・コリアの翌週にあたり、インターナショナルシリーズはLIVゴルフに所属しているメンバーが多く参加する大会として知られる。とはいえ、翌週の5月15日~18日にはメジャー大会「全米プロゴルフ選手権」が開催されるため、ブライソン・デシャンボーやキャメロン・スミスなど有資格者の参加は不明。とはいえ、LIVゴルフに移ってから観る機会が減った世界のトッププロが来日することは間違いないはずだ。
大会概要
大会名称/インターナショナルシリーズ ジャパン
開催場所/カレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県)
開催日程/2025年5月8日(木)~11日(日)
競 技/156名・4日間・72ホール・ストロークプレー

カレドニアン・ゴルフクラブの13番グリーン(手前)と渚バンカーの18番グリーン(奥)
※2025年3月12日15時51分、一部加筆修正しました。