大会2日目は気温16度、風速7.9m/sと風が強くビッグスコアを出せるコンディションにはなっていません。上位陣はツアー2年目の菅楓華がスコアを2つ落とし2アンダー。ルーキーの吉田鈴も2つスコアを落としながらも1打差で追い、2オーバーからスタートした岩井千怜が4バーディノーボギーで首位に並んでいます。
今日注目したのは昨年のプロテストに合格しツアーデビューを果たした徳永歩、入谷響、山口すず夏選手のルーキーたち。まずは1番からトップスタートで出た徳永歩選手からついて歩きました。
初日のスコアは9オーバーと初舞台の洗礼を受けたようですが、2日目というこで初日に比べれば緊張感は和らいでいるようでした。ドライバーショットをフェアウェイに運ぶとアゲンストの風に流されピン右手前のバンカーにつかまります。そこからあわやチップインのバンカーショットでパーをセーブしますが、2番ではドライバーショットを曲げて木の後ろに。3オン2パットのボギーと流れを作れません。
3番パー3では手前に外すもアプローチで寄せてパー、4番パー5でバーディ、9番をボギーとし前半は38でターンします。後半は1バーディ1ボギーと落ち着いたプレーで36にまとめ2日目は2オーバーで終えトータル11オーバーの予選落ちとなりました。
ラウンド後に話しを聞くと「初日は雨風で難しくて、今日は風が強くて自分のミスをいっぱい発見することができました。バーディも2つ取れて内容的には悪くなかったのですが、グリーンを読み切ることができませんでした」とほろ苦いデビューを振り返りました。

初日は9オーバー、2日目は2オーバーのトータル11オーバーで予選落ちとなった徳永歩
その中でもアプローチでパーを拾う場面も多く、「今週練習して来たことが昨日はできなかったが、今日は生かすことができた」と再来週の2戦目に向けて収穫もあったようです。キャディを務めた土手陸(どて・たいら)コーチは「中学生の頃から自分のいる京都まで大阪から新幹線でキャディバッグを担いで通う頑張り屋です。まだまだやることだらけですが、これからが楽しみな選手です」と教えてくれました。2戦目以降も注目していきましょう。
続いてトータル1アンダー4位タイで2日目を終えた入谷響選手。3番パー3でグリーン手前ラフからのアプローチをミスしてボギーとするも4番、5番、6番とバーディチャンスを作ります。惜しくも決めることはできませんでしたが、崩れることなく後半にバーディを1つ奪い2日目はイーブンパーで終えました。

ベテランの清水重徳キャディとタッグを組み首位と1打差の4位タイで予選ラウンドを終えた入谷響
入谷選手はドライバーの飛距離が250~260ヤードと小柄ではありますが飛距離を生かしたプレースタイルが特徴です。そしてスウィングはコンパクトなトップから切り返しでは顔の向きを後方に向けてインパクトに向かいます。立て付けの悪い引き戸を開けるときの感覚で体幹にしっかりと力が入ることで飛距離を生み出しています。

コンパクトなトップから顔の向きを後方に向けるように切り返し大きな飛距離を生む
ラウンド後の囲み取材では「昨日がとても緊張してスタート前はバクバクでしたが、今日は落ち着いてできました。前半は流れが悪かったが、ハーフターンで切り替えられた」と話し、デビュー戦で4位タイで決勝ラウンドに進みます。
トミーアカデミー出身ということで、中嶋常幸プロが水曜日の夜に電話をくれて「良くも悪くもデビュー戦だから頑張って」と背中を押してもらえたようです。ドライバー以外は52度の85~90Yくらいが得意だといい、ピンを狙う攻めるプレーが見られそうです。
最後は6オーバーからスタートした山口すず夏選手。2番パー5でバーディ、6番パー4ではピン奥2mからのスライスラインをねじ込みスコアを伸ばしますが、8番でボギーとし前半は35。後半はカットライン上でのプレーの中でパーを並べますが、16番パー3でグリーンを外して2オン3パットのダブルボギー。しかし17番でバウンスバックのバーディを奪い、最終18番パー5でバーディを取れば予選通過というティーショットを左に曲げ、2打目は出すだけ。3打目を乗せてバーディを奪いに行きましたが惜しくもパー。2日目はイーブンパーで終え1打及ばず予選落ちとなりました。

山口すず夏はトータル6オーバーで1打及ばず予選落ちとなった
ラウンド後に話しを聞くと「昨日は緊張の中、パットが打てなくてストレスが溜まるゴルフでしたが、今日は絶対に打とうという気持ちで挑んでいました。ショットでやりきれなかった課題が残ったので、そこをもっと磨いていきたい」と次戦の出場までの取り組みを教えてくれました。
初日、2日目とルーキーのデビュー戦を取材してきましたが、首位と1打差の4位タイに吉田鈴、入谷響の二人が位置し、3オーバー25位タイに荒木優奈と3名が予選通過しています。予選落ちとなった山口すず夏、永田加奈恵、徳永歩選手もデビュー戦の洗礼は受けましたが、2日目は大きくスコアを崩すことなく終えたことで次戦への自信になったことでしょう。引き続き注目していきましょう。
写真/中村修