全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回は試打会を年間約1700回ほど実施するというRYOMA GOLFの2024年9月に発売された最新作「RYOMA MAXIMA Ⅲ」を試打検証する。

年間スケジュール1700回の試打会を開催⁉︎

現在では、新製品の販売戦略をSNS中心に行うメーカーが多くなっているが、かつて販売戦略の中心にあった試打会に重き置くメーカーがあります。それは「RYOMA GOLF」です。

「飛んで曲がらない」理由はもちろん、革新的な飛びのメカニズムを持つRYOMA GOLFは、優れたヘッドパフォーマンスで「飛んで曲がらない」を多くのゴルファーに実感してもらうために年間約1700回にもおよぶ試打会を開催している。1年は365日ですので、1日あたり4~5回、日本中のどこかのゴルフ練習場で試打会が開催されている計算になります。それを全てRYOMA GOLFの社員が担当しているという驚きの試打会の回数です。

画像: 年間約1700回開催しているRYOMA GOLFの試打会

年間約1700回開催しているRYOMA GOLFの試打会

各ゴルフメーカーのゴルフ練習場での試打会は新製品の発売前や発売直後の開催がほとんど。発売から半年ほど経つと販売店舗に試打クラブを設置してあることはありますが、練習場での試打会は徐々に少なくなります。しかしRYOMA GOLFは前年の試打会の回数を大きく減らすことがないように年間スケジュールを計画し、開催しています。RYOMA GOLFは「前作を上回る性能のクラブが完成するまでモデルチェンジはしない」をコンセプトにしていますので、商品そのものの販売期間が長いこともあり、試打会の回数は悪天候等の理由以外で減らすことはほとんどありません。

SNSでのプロモーション全盛の時代にプロモーションの中心を試打会に置く、RYOMA GOLFは優れたヘッドパフォーマンスを実感してもらうには「打ってもらうのが一番」という理念に元に「試打会」という地道な販促活動を年間1700回も行われているのです。

試打会に参加してみた

今回はそんなRYOMA GOLFの試打会に新モデル「RYOMA MAXIMA Ⅲ」のヘッドパフォーマンスを体感するためにRYOMA GOLF試打会に参加してみました。試打会会場のゴルフ練習場にはRYOMA GOLFのほぼ全てのクラブラインナップが用意されていましたが、今回は新型のドライバー「MAXIMA Ⅲ」を中心にお話ししていきます。

「RYOMA MAXIMA Ⅲ」のドライバーヘッドは3種類。メインモデルの「TYPE D」 。TYPE Dのフェースアングルをスクエアにした「TYPE V」。そしてTYPE Dをベースにした高反発モデルの「Special Tuning」があります。試打会の会場にも用意されているRYOMA GOLFのカタログにはMAXIMA Ⅲの飛びへのこだわりとテクノロジーが多く記載されていますが、ここまでヘッドの設計情報を開示しているメーカーも珍しいと思います。RYOMA GOLF のMAXIMA Ⅲに対しての並々ならぬ自信を感じますね。

さて、今回はMAXIMA ⅢのテクノロジーをRYOMA試打会に参加して、実際に打ってみながらメーカーの方に説明を聞いたので、そのレポートです。

新型RYOMA MAXIMA Ⅲのメインモデル「TYPE D」のロフトラインナップは9.5度と10.5度に加えHTの3ロフトの展開。HTモデルは「High Trajectory(高弾道)」の頭文字を取ったハイロフトのヘッドになります。

まずは「TYPE D」の10.5度から打ってみました。シャフトはオリジナルメインモデルの「BEYOND POWER Ⅲ」でクラブレングスは45.75インチ(60度法)です。10.5度のヘッドを構えた感じはボールのつかまりを感じさせるようなややフックフェースですが、前作のTYPE Dよりもフェースアングルはスクエアに近くなっています。極端なクローズドフェースではなく安心感があり構えやすいと思います。フェース面もしっかりと見え、ヘッド後方にストレッチされたシャローバックフェースのヘッドは安定感があります。クラブレングスも長くは感じません。

画像: 最新作「RYOMA MAXIMA Ⅲ」を体感してみた

最新作「RYOMA MAXIMA Ⅲ」を体感してみた

早速打ってみると「BEYOND POWER Ⅲ」のシャフトの振りやすさが印象的です。メーカーの方に確認するとシャフト重量は46グラム、トルク5.1、キックポイントは中調子の1フレックスのみのマルチフレックスシャフトで振動数は216CPMとのこと。このシャフトの完成度が素晴らしく、ダウンスウィングのスムーズな切り返しからシャフトが動きインパクトエリアでまでスムーズに加速してくれ、シャフト先端部分がしっかりとボールをとらえてくれます。多くのアマチュアゴルファーのスウィングパターンを分析して作りこんだメインモデルのシャフトはインパクトにアジャストしやすく、非常に完成度の高いシャフトだと思いました。

打球感はもっと硬いかと想像していましたが、レンジボールでも弾く感じの中にボールがフェース面で潰れるやわらかい手応えを感じます。このあたりはメーカーの方も言われていましたが、練習場のレンジボールの種類によって印象は変わると思います。

想像していたイメージよりも良い打球感でした。弾道はやや高めのドローボール。MAXIMA Ⅲの重心角度は大きめに設計されているとのことですが、シャフトとのマッチングでフェースが右へ開かずにインパクトを迎えますので、ボールが右へ滑るイメージはありません。

画像: オリジナルシャフト「BEYOND POWER Ⅲ」の振りやすさが印象的

オリジナルシャフト「BEYOND POWER Ⅲ」の振りやすさが印象的

また、バックスピン量も少なめに感じました。打席に測定器等はありませんでしたが、レンジボールでも吹け上がりがなく伸びがありました。メーカーの方にヘッドの構造についても伺いましたが、フェース下部に23グラム配置してあるロースピンブレードの効果がありそうです。飛距離アップの三大要素のバックスピン量の低減はランにも影響しますので、コースでの飛距離にプラスになると思います。カタログの表紙にある「一撃でわかる棒ダマ」のキャッチコピーは自信の現れなのでしょう。

打球数を重ねるうちにわずかですが、感覚的にインパクト時のボディのたわみを感じられます。実際にヘッドがどのくらい変形しているかどうかは別にして、ボディ全体をバネになるように設計されたスプリングボディ構造のヘッドはソール部分(0.4ミリ)やクラウン部分(0.3ミリ)と板厚がかなり肉薄なのと、ヘッド後方の55グラムの内部ウェイト(パワーブースター)配置の効果でソール後方のウェイトがインパクト時に慣性エネルギーとなり、打ち始めに感じたフェースにボールを食い込ませるような手応えを理解できました。

これらの機能はRYOMA GOLFが特許を持っている「エネルギー増幅ヘッド」によるところが大きく影響しています。実際に打ち出しのボールスピードは速く、意図的にフェースのトウ側やヒール側でヒットしてもセンターヒット時に比べて大きなボールスピードの減少や飛距離ダウンの変化は感じにくく、打点ブレ強さが体感できます。このあたりは実際に練習場で打ってみて弾道を見ることでよくわかる部分でしょう。

さて続いて、TYPE Vです。TYPE Vのロフトは9度と10度の2ロフト設定でTYPE Dのフェース角度を±0にしたスクエアフェースのヘッドになります。ロフト10度のヘッドでシャフトは「BEYOND POWER Ⅲ PLUS」で50グラム、トルク4.9の中調子シャフトです。デモクラブのシャフト振動数は216CPMとのことですので、TYPE Dで打った「BEYOND POWER Ⅲ」と一緒なのですが、ヘッド重量が重いので同じ数値になっているようです。シャフト重量の違いも大きな差も感じることなく、スムーズに振って行けますがボールのつかまりはやや抑えている印象です。内部構造はTYPE Dと同じになりますのでボールのつかまり感は同じですが、シャフトとのマッチングの差が出ているのでしょう。

画像: ロフトやシャフト違いをしっかり用意

ロフトやシャフト違いをしっかり用意

TYPE Dに比べてリアルロフトが少なく設定されていますので弾道は鋭さが増している印象です。リアルロフトが少なくなればボールスピードも上がりますのでヘッドスピードが速めの方はTYPE Vがオススメです。構えたイメージがスクエアフェースのほうが構えやすい方、叩けるイメージがしやすいという方もTYPE Vを選ぶのが良いでしょう。

RYOMA GOLFの試打会に参加してみてMAXIMA Ⅲのヘッド特性が良くわかりました。飛びのメカニズムの一つ一つが練習場で打つことで体感しやすいヘッドでした。実際に弾道を見ながらヘッドやシャフトの感覚の違いをその場でメーカーの方にすぐに質問できて答えが出るので、試打会は非常に有意義なものでした。

練習場での試打会の意味

ちなみに、RYOMA GOLFの試打会は「是非自分のエースクラブをお持ちください」とのアナウンスがされています。その理由はなぜだと思いますか?

屋外練習場、インドア練習場を問わず、練習場で採用されているボールは異なります。とくにドライバーは顕著に違いが出やすく、弾道の高・低やスピン量がコースボールと違います。最近の高性能ドライバーヘッドの開発は当然コースボールで全てのテストが行われていますので、ヘッド本来のパフォーマンスを体感するにはコースボールで練習するのがベストです。しかし、コースボールで練習できる環境のゴルファーは多くないでしょう。そうなると、ほとんどの方はいつも自分が練習している練習場での弾道イメージを持った状態での比較ができれば自分のクラブとの弾道の違いをイメージしやすいということになると思います。

だからこそ、RYOMA GOLFは「是非自分のエースクラブをお持ちください」とアナウンスしているんですよね。

一人でも多くのゴルファーに、いつもの練習環境でRYOMA MAXIMA Ⅲのヘッドパフォーマンスを体感してもらいたいとの想いが込められています。実際に試打会で初めてMAXIMA Ⅲを打って購入される方は多くいます。その方々の多くが飛距離性能やブレの少ない弾道を体感して「RYOMAのヘッドは思っていたイメージと違った」と言われています。

RYOMA GOLFに限らずですが、お近くの練習場で開催されている試打会にはぜひ出向いてみて下さい。いい出合いがあるかもしれませんよ。

来週は試打会で試したRYOMA GOLFの豊富なシャフトラインナップを検証していきます。

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