台湾ツアー(TAIWAN PGA TOUR=TPGA)2025年シーズンが3月26日より開幕する。QTを突破しツアー資格を得て日本から参戦する池内慧(いけうち・けい)プロに、台湾ツアーのこと、そして自身の目標について話を聞いた。

台湾ツアーって?

台湾ツアー(TAIWAN PGA TOUR=TPGA)。名称通り、台湾を拠点に開催されるツアーなのだが、日本のプロツアーやPGAツアーなどは観ていても、その存在や詳細についてあまり知らない、という人も少なくないのではないだろうか。

それもそのはず。2025年1月に行われたQTを通過し、3月26日から行われる開幕戦「CHAU-SHI Series - Chang Wah Open」に日本から参戦する池内慧プロは「知っている人ももちろんいますけど、SNSで発信したら選手たちから『どうやって出るの?』とか『どういう感じなの?』って聞かれるくらい、情報があまり日本ではキャッチしづらいんです」と言う。

画像: 池内慧プロ。群馬県出身、1994年11月7日生まれの30歳

池内慧プロ。群馬県出身、1994年11月7日生まれの30歳

「そもそも外国人プレーヤーに対してオープン化されたのが去年からで、それまでは結構クローズなツアーだったから、というのも大きいですね。女子の台湾ツアー(TLPGA)は結構前からオープン化していて、日本人のプロも結構行っているんですよ。男子はこれからという感じですね。
 
でも今年から台湾ツアーが世界ランクのポイントが付与されるようになりましたし、試合数も4日間開催で計20試合あるんです。アジアンツアーと共催の大会もありますね」(池内プロ、以下同)

画像: 開幕戦会場に設置された日程のボード。池内が参戦する台湾ツアーは3月に開幕し、12月まで全20試合を予定。下部ツアーも9試合開催される(写真は池内慧プロ提供)

開幕戦会場に設置された日程のボード。池内が参戦する台湾ツアーは3月に開幕し、12月まで全20試合を予定。下部ツアーも9試合開催される(写真は池内慧プロ提供)

国際的なフィールドで、アジアンツアーやアジアン下部ツアー(ADT)への道も用意されている。池内プロ自身「試合数も昨シーズンより増えていて、今後どんどんツアーを大きくしていきたいのかな? っていうのを感じましたし、4日間開催ということでステップアップのチャンスがありそうだなと思って挑戦することにしました」という。

「QTにはウェイティングも結構いて、エントリーが始まって一週間くらいでクローズになっちゃうくらいでしたね。今年からいろいろ変わるのもあると思いますが、現地に行ったら思いのほか日本人選手も結構いて。40人ぐらい出ていました」

もちろん日本とは勝手が違うことも多くある。なかでも「ドライビングレンジがなかったのには衝撃を受けました」と池内プロ。

「QTを行った会場も元々ドライビングレンジがなくて、大会用に仮設されたネットに向けて打つレンジが2個あっただけでした。台湾では逆にドライビングレンジがあるほうが珍しいというような話を向こうの方が言っていました。だからまず別の場所にある練習場に行ってから、コース入りするのが基本らしいです。アマチュアの方も、コースに来てすぐスタートっていうスタイルらしくて、日本にいるとなかなかできない経験ですね」

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2世プロ・池内慧が語る“これまでとこれから”

台湾ツアーに挑戦する池内プロは、男子ツアー1勝、シニアツアー2勝の経歴を持つ池内信治プロを父に持つ、いわゆる2世プロ。しかし「ゴルフを始めたのは16歳から。かなり遅いと思います」と話す。

画像: 池内慧プロの父は、レギュラーツアー1勝、シニアツアー2勝池内信治プロ(写真は2016年のファンケルクラシック 撮影/姉崎正)

池内慧プロの父は、レギュラーツアー1勝、シニアツアー2勝池内信治プロ(写真は2016年のファンケルクラシック 撮影/姉崎正)

「父がプロゴルファーなんだっていう認識はあったんですけど、子供のころはゴルフの試合を見に行ったことはなかったし、ゴルフのルールも知らなければクラブを触ったこともない。ゴルフをするとも思っていなかったですね」

父にゴルフを勧められたことも1回もないという池内がゴルフにはまったきっかけは「本当に遊び感覚で打ちっぱなしに行ったとき」だ。

「そのときのことを鮮明に思い出せます。7番アイアンだったんですけど、ボールが出てくるじゃないですか? 振っても当たらないんですよ。止まってるのに意味が分からなくて。最初のその衝撃をすごい覚えてます。割とスポーツってできていたほうで、でも止まってるボールなのに当たらないのが不思議で。なんでだろうなっていうところから多分はまりましたね」

画像: 憧れの選手は石川遼。「3ツアーズ選手権に父が出た時に会って、サインをもらったんです。テレビで見てた石川選手、実物も爽やかでめちゃくちゃかっこよくて、こういうプロになりたいなと思ったのは強く印象に残っています」

憧れの選手は石川遼。「3ツアーズ選手権に父が出た時に会って、サインをもらったんです。テレビで見てた石川選手、実物も爽やかでめちゃくちゃかっこよくて、こういうプロになりたいなと思ったのは強く印象に残っています」

2世プロらしくないゴルフとの出合い。そしてゴルフへの情熱も絶えることなく「試合に出てみようとなって、群馬県のジュニアの大会で優勝したんですよ。ベストスコアが出て。で、関東ジュニアに行ったら『こんなに上手いやついるんだ』って驚いて」。

もっと上手くなって勝ちたい。プロを目指す、ゴルフを仕事にする、というよりも、自分がどこまでやれるか試してみたい。それが原動力となって結果的にプロになるまでに至ったというわけだ。

台湾ツアーへの参戦も、そういった道のりの中のひとつ。「年齢が30台になって、アジアのいろんなツアーに参加してみたいという思いがあって、台湾ツアーはその挑戦の第一歩です」と語る。

画像: 開幕戦へ向けすでに現地入りし練習中。写真左から神農洋平、横川康祐、池内慧、蔡岳廷(台湾出身のアマチュア)

開幕戦へ向けすでに現地入りし練習中。写真左から神農洋平、横川康祐、池内慧、蔡岳廷(台湾出身のアマチュア)

「もちろん自分のこれからのゴルフ人生の中で、将来的にはもちろんアメリカやヨーロッパに行ったりっていうゴルフ人生を送りたいと思うんですけど、1番近い未来でまずは日本ツアーとアジアンツアーでプレーができたらいいなと思っています。大体月に1~2試合というペースなので、とりあえず台湾ツアーの中で賞金ランキングをとにかく上げて、目標は台湾ツアーでの優勝とシード権獲得ですが、タイミングが合えば日本ツアーのマンデーや予選会にも挑戦していくつもりです。海外での生活やコミュニケーションも慣れていきたいですね。とにかく来年、再来年に向けてステップアップしていけたらと思います」

前述したとおり、台湾ツアー開幕戦は3月26日から。ぜひ池内プロの活躍にも注目だ。

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