シーズンインが近づいて、そろそろラウンドの準備を本格的に始めたいところ。週刊ゴルフダイジェスト3月25日号では家にあるパターマットを使って、春先のまだ整っていないライからパーチャンスにつけるワザをトリックショットの達人、小島謙太郎プロに教えてもらった。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。来たるラウンドに備えて、さぁ、“家練”開始だ!【2回中1回目】
画像: 短い距離からコツコツと……。体を使ったアプローチがおすすめなワケ!【パターマットでアプローチ家錬①】

解説/小島謙太郎プロ
1988年生まれ。栃木県出身。ラウンドレッスンが好評な日光の操り名人。曲打ちの名人で日本アーティスティックゴルフ協会会長も務める。ゴルフスタジオNIKKO GOLF BASESTUDIO主宰。日光CC所属。

1ヤード打ちから練習をスタート!

GD 春のシーズンインが迫ってきて、ラウンドが待ち遠しいところですね。

小島 春は冬の間に傷めつけられた芝がそのままの状態ですから、そもそもアプローチが難しい季節です。まずはコースに出る前に、冬の間に眠っていたアプローチの感覚を目覚めさせる必要があるんです。

GD どんな練習をすればいいのでしょうか?

小島 パターマットを使って、キャリー1ヤードから始めます。

GD 1ヤードですか! それなら家でもできそうですが、でも、そんな短い距離で練習になるんですか?

小島 いえいえ、短い距離だから意味があるんです。短い距離ほど、体をちゃんと使わないと正確にインパクトできませんから。SWが体の正面から外れないように、体の回転に合わせてフェースをローテーションさせて、ちゃんと体の正面でインパクトできているかを確認します。1ヤードから始めて、2ヤード、3ヤードを打っていきます。

体の回転を使って体の正面でインパクト
「冬の間に忘れていたアプローチの動きを呼び覚まします。ミスショットを防ぐには、手先ではなく、ちゃんと体を使って振ることが大切です。両ひじを地面に向けて、体の回転を使って体の正面でボールをとらえる感覚を確認します」(小島・以下同)

画像: 体の正面でとらえてください!

体の正面でとらえてください!

GD 手先で打たない?

小島 そうです。体を使って打つ動きをいまのうちに思い出しておくことが、コースに出て、謎のダフリやトップを連発させない対策になるんです。

PRACTICE① 
キャリー1、2、3ヤード

短い距離で体の動きを確認する
「短い距離ほど、ちゃんと体を使わなければ正確に打てません。キャリー1、2、3ヤードを繰り返し打つことで、体の動き、インパクトの感触をつかみます。これで、たとえ30ヤードのアプローチでも体の正面でボールをとらえる準備が整います」

画像: アドレスは少しオープンで、フェースは開き、ボールは左足前において、近くに立って構える

アドレスは少しオープンで、フェースは開き、ボールは左足前において、近くに立って構える

【キャリー1ヤード】
両わきを締めて、体の回転を使ってゆっくりとしたテンポで1ヤードを打つ。
【キャリー2ヤード】
同じように体の回転を意識して打つ。自然と1ヤードよりも大きな振りになる。
【キャリー3ヤード】
振りの大きさは2ヤードと変わらないが、ここまでくれば実戦でも使い道は多い。

画像: 打ち分け例

打ち分け例

難しいライのおすすめ対処法

GD 春といえば、やっかいなライのオンパレードですよね。薄芝やディボット跡は当たり前。上りの花道はエッジがいかにも引っかかりそうな逆目になっているし、朝露で湿ったペタペタに寝た芝やベアグラウンドだってあるかもしれません。

小島 そうですね。そういうややこしいライの場合は、打ち方にひと工夫を加えたいですね。やさしいアプローチの筆頭は、“先っぽ打ち”です。

画像: 先っぽで構えて、ヒールを浮かせる

先っぽで構えて、ヒールを浮かせる

GD 先っぽ打ち?

小島 SWのヒールを少し浮かせてトウ側で打ちます。接地面積が小さいのでダフる心配がないんです。さらに言うと、接地しなくても打てますよ。先で打つぶん距離は落ちますが、これも、慣れれば問題なしです。

GD 難しいライで役立ちそう。

小島 あとは“スライス打ち”や開いたフェースを閉じながら打つ“ネジ回し”も逆目に使える打ち方です。

PRACTICE② 
先っぽ打ち

ヒールを浮かせて先っぽでヒットする
「薄い芝やベアグラウンドなどの難しいライは、“先っぽ打ち”です。SWのヒールを少し浮かせてSWのトウ寄りで打ちます。地面との接地面積が小さいので、誰でもカンタンにダフらずに打てるワザです」

画像: ヒールを浮かせるぶんフェース面は右を向くので、少し閉じて構え、インから入れるのでややクローズスタンス。ボールは右足前にセット

ヒールを浮かせるぶんフェース面は右を向くので、少し閉じて構え、インから入れるのでややクローズスタンス。ボールは右足前にセット

画像: ボールの近くに立ちヒールを浮かせ、コックを使わずテークバック。アドレスの形に戻してインパクトする

ボールの近くに立ちヒールを浮かせ、コックを使わずテークバック。アドレスの形に戻してインパクトする

ライと打ちたい球に合わせて覚えておきたい3つのアプローチ

PRACTICE③ 
スライス「逆目のライから高い球を打ちたい」

カット軌道でボールを切る
「卓球でボールを切っていくようにアウトサイドイン軌道で打つので、少し球が高く上がります。球を上げにくそうな逆目のラで使えます」

画像: カットに打つイメージで

カットに打つイメージで

画像: ボールを真ん中においてオープンスタンスに構え、フェースを開く

ボールを真ん中においてオープンスタンスに構え、フェースを開く

PRACTICE④ 
フック「順目のライから転がしていきたい」

インサイドアウトで打つ
「インサイドアウト軌道で、ロフトを立てながらボールを押していくように打ちます。低めに打ち出して、ランを多くしたいときに使えます」

画像: インサイドからクラブを下すイメージ

インサイドからクラブを下すイメージ

画像: ボールはやや右において、クローズスタンスで構える。フェースはわずかに開く

ボールはやや右において、クローズスタンスで構える。フェースはわずかに開く

PRACTICE⑤ 
ネジ回し「ザックリしそうな逆目から打つとき」

フェースを閉じながら打つ
「フェースを大きく開いておいて、閉じながらインパクトします。ネジを回すようにソールを回していくので、スライス打ちよりダフリに強いんです」

画像: フェースを閉じながらインパクト

フェースを閉じながらインパクト

画像: ボールは少し右寄りにおきスクエアスタンスで構え、フェースを大きく開く

ボールは少し右寄りにおきスクエアスタンスで構え、フェースを大きく開く

ライの状況によって打ち分けることをお勧めします。

後編では”インテンショナル死に球”をご紹介。

PHOTO/Tadashi Anezaki 
THANKS/作州武蔵CC

※週刊ゴルフダイジェスト3月25日号「パターマットでアプローチ家錬」より一部抜粋

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