
1試合出場機会が奪われた馬場咲希(24年撮影)
米女子ツアーには、シーズンの出場優先順位があります。これはLPGAの公式サイトで公開されており、誰でもダウンロード可能。
1.賞金ランクトップ80
2.生涯獲得賞金トップ20
3.メジャー優勝者
4.優勝者
といったように優先順位が決まっていき、「20」までがリスト化されています。1の「賞金らんくトップ80」が最優先で、次に2の「生涯獲得賞金トップ20」が続きます。
馬場咲希選手は2024年の最終予選会をギリギリで通過したので、カテゴリー「15」の「最終予選会TOP25」に属しています。このカテゴリーには山下美夢有選手、岩井姉妹、吉田優利選手らも属していますが、最終予選会の順位に従い、カテゴリー内の日本人選手のなかでは馬場選手の優先順位はもっとも低い状態です。
そして迎えた1月の「ファウンダースカップ」において、馬場選手はウェイティング(補欠)の1番手にいました。そのとき私は“みんなのゴルフダイジェスト”のコラムに「出場を大いに期待したい」と書きましたが、結局その試合の出場は叶いませんでした。
しかし、ここにきて、この出場リストに誤りがあったことをLPGAが認めたのです。本来、馬場選手より下のカテゴリーにいるはずのソフィア・ポポフ選手が馬場選手より上のカテゴリーに位置付けられていたのです。欠場者が出ないのもアンラッキーと言えばアンラッキーでしたが、そうでなくてもそもそも「本来出られる試合」だったということです。
馬場選手にとっては限られた出場機会のなかでポイントを積み上げる貴重な機会を失い、本来出場資格がなかったのに出場したポポフは、せっかく手にしたポイントと賞金を取り消されるということに。(なお、ポポフは自分のカテゴリが正しいかを運営に確認していたそうで、彼女に落ち度はありません)
ポイントでいえば、2月にタイで開催されたホンダLPGAタイランドでトータル27アンダーという凄まじいスコアで2位になった岩井明愛選手が「予選落ちのない試合での推薦出場は優勝以外ポイントゼロ」という規定により、ポイントを得られませんでした。
いうまでもなく、これらは日本人選手にことさら不利といった規定ではありませんが、日本選手たちが割を食ったように見えるのもまた事実。
とはいえ、馬場選手はSNSで前向きな発言をしていることからも分かる通り、目の前の試合、目の前の一打にフォーカスしているはず。今季はまだ1試合しか出場できていませんが、その試合では最終日に上がり5連続バーディを決め、17位タイで47ポイントを積み上げています。
馬場咲希選手のインスタグラム
米女子ツアーでの勝利、あるいは賞金シードを目指す彼女たちを、引き続き応援したいです。