
「アクサレディス」でツアーデビューする福田萌維
野球少女からプロゴルファーの道へ

今年2月、12歳まで在籍していた少年野球チームでノックや練習に参加した(本人写真提供)
GD 昨年プロテスト前にアマチュアとして出場した日本女子オープンで22位タイに入ったときに少し話を聞きましたが、少年野球をしていたんですよね。野球少女!
福田 野球は地元和歌山の少年野球チームで小学校1年から始めて、ゴルフはチームの監督に薦められて9歳ごろ始めました。
GD 野球をやっていたから、飛距離は出るほうと話してました。
福田 そうですね。少年野球をやめた12歳のときから和歌山の先生(ティーチングプロ)に教わるようになったんです。そのころからドライバーの飛距離は230ヤードくらい。先生は飛ばし専門のコーチなので、飛距離を伸ばす練習をたくさんしました。
GD 飛ばしのコーチ?
福田 飛距離を伸ばすための資格を持ってるそうです。海外で発売されている飛距離を伸ばすドリル用のクラブを毎日振っていたら飛ぶようになって。まだあまり知られていない秘密の道具だそうです(笑)
GD 6年間で飛距離は?

ドライバーの飛距離は250Y
福田 今は250Yくらい。平均で245Yくらいです。日本女子オープンやプロテストでほかの選手のより少し前に行っている感じです。まだ飛ばせる自信はあります。
GD 初めから飛距離があってもスウィング作りで苦労したことはなかったですか?
福田 グリップです。変わった握り方をしていました。野球をやっていたので、バットを握るように右手を下から握るクセがあったんです。右手を使いすぎてひっかけが多くて。ゴルフによくなかったので、直すのにけっこう時間がかかりました。先生に地道に見てもらって、手を使わずに体の動きで振れるようになったことで、今はけっこう自分の思い通りのボールが打てるようになっています。
GD 今(オフ)、取り組んでいることは?
福田 スウィングを固めることに取り組んだのと、コースに行って、アプローチやバンカーなど実戦練習を多くしました。バンカーはもともと嫌いではなかったんですが、プロになったので一回で寄せないといけない。ピンチでもパーを拾えるように、ガードバンカーだけでなくフェアウェイバンカーの練習もしました。トラブルからパーを取れる実戦練習に多くの時間を使いました。
高校の先輩・菅楓華からプロテスト前に受けたアドバイス

高3でプロテストに合格し、3月3日に日章学園の卒業式を終えた福田
GD 同じ日章学園の菅楓華プロが活躍していますね。
福田 菅さんはひとつ上のゴルフ部の先輩です。全国大会の遠征はいつも一緒で部屋も一緒、仲良しです。「ふうかさん」「めいめい」って呼び合う仲です。
GD 一緒の部屋になると女子同士、どんな話を? 恋バナとか?
福田 いつも2人なりになると真剣な話、ゴルフの話になります。先に先輩がプロテストに合格したのでアドバイスをもらうことが多くて、菅さんにはけっこう聞いてもらいました。
GD 菅さんからどんなアドバイスを?
福田 「プロテストっていうのにとらわれないようにしたほうがいい。プロテストは大事な試合と思ってしまうけど、いつも通り、高校の試合って思ったほうが自分の実力を出せるから」。菅さんが言ってくれた「いつも通り」が一番のアドバイスでした。プロテストに受かってからは「待ってるからね」と言ってもらって、それが励みになって、菅さんに続いていきたいと思っています。
GD 菅さんは開幕戦(2位)と2戦目(2位)も大活躍。
福田 テレビで拝見してます。去年まではまだ自分はプロじゃなかったので、すごいところを見たら、自分の励みになるだけでした。ただ今年は自分も同じプロ、同じ立場、同じ舞台に立つ。そんな目で見ていると、「悔しい」と思うようになっています。
GD そんな菅プロから刺激を受けてデビュー戦となるアクサレディスではどんな戦いを?
福田 大会が行われるUMKカントリークラブは部活でも使わせていただいたコース。応援もたくさん来てもらえると思います。1試合目が大事、デビュー戦は大事だと思います。
GD 知り尽くしたコースですね。
福田 何度も回ったコースですがスコアが出にくいコースです。キャディさんはツアーキャディで宮崎の方でもあって、コースを良く知っているので、一緒に相談しながら戦います。
GD デビュー戦は緊張しそう?
福田 全然(ありません)、楽しみです! 今年1年いい流れを作れるような試合にして、次につなげていけるように頑張ります。
撮影/干川修
取材協力/トム・ワトソンゴルフコース、フェニックスゴルフアカデミー