地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「再現性と飛距離のバランスが良いクラブ」

連載55回目は本試打企画の31回目に掲載されている「InterCross by TRPX」の岡野友和さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はTRPX「U-016」×TRPX「HYBRID-9」シャフトがオススメの組み合わせとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の岡野さんがTRPX「U-016」×TRPX「HYBRID-9」の特徴を語る

「シャフトに関しては、50~90gまで10g刻みの重量帯が2フレックス、用意されています。50~70gの重量帯に関してはボールを拾いやすいようにシャフトに動きを持たせ、ヘッドスピードが出ない方でもしっかりとボールが上がってくれるような味付けになっています。そして80g、90gとなると、ヘッドスピードの速い方でも落とし所を絞っていけるように動きをやや抑えて作られており、操作性や方向性を重視したモデルとなっています。
 
ヘッドに関してはTRPXオリジナルのヘッドで、球の高さとかつかまりを高めて『より簡単に』というイメージで作りました。今回の90gシャフトとヘッドの組み合わせは、シャフトで操作性、方向性を出しながらもヘッドで寛容性を持たせ、アベレージゴルファーから競技者まで使えるような組み合わせにしました」と岡野さん。

画像: ヘッド:TRPX「U-016」(U4/21度)/シャフト:TRPX「HYBRID-9」

ヘッド:TRPX「U-016」(U4/21度)/シャフト:TRPX「HYBRID-9」

「組み立てに関しては、今回の21度(4U)はシャフト先端を0.25インチカットして作っています。18度(3U)に関してはチップカット無し、24度(5U)に関しては0.5インチカットすることで、長い番手ほど球が上がりやすく飛距離を出すことができます。逆に短い番手はチップカットすることでシャフトの動きを抑え、方向性を出してグリーンを狙えるクラブというイメージで作っています」と岡野さん。フィッティングなどを通してシャフトの特性や動きなどをしっかりと説明してくれるので、お客様にとってはとても頼りがいのあるクラフトマンだろう。

TRPX「U-016」×TRPX「HYBRID-9」の印象を堀越プロに聞いた

「今回はTRPX製『HYBRID-9』というユーティリティシャフトと、ヘッドもTRPX製『U-016』の4番ユーティリティ(21度)の組み合わせです。まずはシャフトですが、持った時からかなりしっかりしている印象で、カタログ値では96gとやや重ためで、ある程度ヘッドスピードが求められるシャフトだと思います。また『HYBRID-9』シャフトは重量毎に素材をコントロールしているそうで、50g台は高打出し、弾き感が強調されているようです。最も重たいモデルである『HYBRID-9』は打ち出しの高低や距離のコントロール性を高めているとのことから、ある程度経験のあるゴルファーをターゲットにしているのではないかと思います。次にヘッドの『U-016』ですが、やや広めのソール幅とFP値がややあることでラクに球が上がりそうな見た目をしています。アドレス時の見た目はシンプルでオーソドックスな顔つきと、反射を抑えたマットブラックのクラウンが視認性を格段に上げています」と語った。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

今回は工房店主が想定するドライバーでHS45m/sで試打を開始
 
「実際に打った感想としては、シャフトがとてもシンプルな動きをしている感覚があり、スチールシャフトのような動き方が特徴的で、自分が好きなタイミングで切り返せるような印象を受けました。ヘッドもFP値と低重心化のおかげでしっかりと球が浮いてくれますし、シャフトの先端剛性の高さとヘッドによる適度なつかまり感が良い塩梅で組まれているクラブと言う印象です。ヘッドスピードの速い方でも左を恐れることなく振っていけるので、狭いホールや刻む場面でもしっかり活躍してくれる強い味方だと思います」

1WでHS45m/s前後の力感で試打(5球の平均値)
●キャリー/183.5Y
●総飛距離/197.6Y
●ボールスピード/54.3m/s
●スピン量/3943rpm
●落下角/44.8度

総評

画像: 「当企画では珍しいやや重めのシャフトでしたが、重たさを利用してゆったり振ることができました」(堀越)

「当企画では珍しいやや重めのシャフトでしたが、重たさを利用してゆったり振ることができました」(堀越)

「今回のTRPX製『HYBRID-9』シャフト、『U-016』ヘッドは双方のメリットが見事に噛み合い、適度なつかまり、そしてグリーンを狙える高弾道を実現する組み合わせでした。シャフトの適度な重量を利用して体全体を使って打つことで方向性と飛距離も期待できます。シャフトは年齢やヘッドスピードによって豊富な重量帯から選べることもできますし、お持ちのクラブセットとの重量フローを鑑みたフィッティング等、カユい所に手が届くサービスは、岡野さんが競技やクラフトマンを経験したからこそだと思います」と堀越プロ。

THANKS/クレアゴルフフィールド

「ぶっ飛びドライバー」のバックナンバーはこちら

This article is a sponsored article by
''.