老若男女、障害に関係なく、みんなでラウンド
基本、2人もしくは3人1組のチームで交互にボールを打つ(オルタネード)方式で行われました。
障害者の皆さんは、プロも目指せるジュニアたちのはつらつとしたプレーやゴルフの腕前、そして礼儀正しさに感嘆し、ジュニアたちは、初めて出会う障害者の方々の上手さ、工夫ぶり、ポジティブさに驚き、多くの学びがあったようです。

将来プロゴルファーを目指すジュニアも、初めて試合に参加するジュニアも、ラウンドしていくうちに自然に皆で助け合うように。君津市役所、君津市ゴルフ連盟、かずさ青年会議所などからボランティアとして参加した人々も“チーム”に溶け込んでいた
優勝したのは酒井元土さん(片麻痺障害)、永石杏奈さん(拓大紅陵高2年)ペアで、スコアは81。
「上手すぎ!! おんぶにだっこで、ずっと『お姫様抱っこ』をされていたくらいの感じ。僕のベストスコアです(笑)。ショットは曲がらないしパターも上手い。グリーンのライン読みをしてくれたので、僕も入りました。目土など細やかなことも完璧でしたし、このままいってほしい。こちらが学ばせてもらいました。君津市長杯は続けることに意味があると思います」と酒井さんが言えば、
「パー3でバーディチャンスに付けたティーショットを見て、カッコいいなと思いました。片手でも素晴らしいプレーを見せていただき、ポジティブ思考はマネしたいですし、思いやりも学びました。普段経験のできない新しいゴルフでした。ありがとうございました」と永石さん。

西山秀二さん、今江敏晃さん、内竜也さん、田中幸雄さん、中根仁さん、著名な元プロ野球選手たちも激励に駆けつけ、「素晴らしい会が長く続くことを願います」
一方、3位に入った櫻田新児さん(片麻痺障害)は、この日も“得意の”昭和の親父ギャグを連発し、「エクセレント。僕のギャグにも笑ってくれたし」とクラブヘッドもギャグも“芯をくった”とご満悦。その横で「面白かったですよ」と微笑む菅澤莉那さん(拓大紅陵高1年)は、「5メートルくらいのバーディパットを決めてくれたときはかっこよかった。パターを片手で持っているのにちゃんと距離感が合っていてすごいと思いました。ネガティブなことを考えず、前向きなところを学びました。なかなかない機会で自分にはないことを学べて楽しかったです」。

優勝ペア。「楽しかったし、とても良い経験になりました」(永石さん)「僕が気遣いをさせすぎて申し訳ない。長く続いてほしい会です」(酒井さん)
老若男女、障害の有無も関係なく、1日ともにラウンドすれば“ナイスコンビ”が何組も誕生するようだ。
初参加の植草花音さん(千葉市立あやめ台小5年)は、「ゴルフって1日、同じ空間に一緒にいて、食事、お風呂、会話など、いろいろなことを共有できるのがいいですよね。片手しか使えないのに上手く打てるところがすごいなと思った」。
宮しゆえさん(千葉市立千城台わかば小4年)は、「パターが上手。腕がないけど自分たちと同じくらいできるのがすごいと思いました。パー3のときグリーンに真っすぐ飛んでいきました」

今年は小学生が4名初参加。君津の特産品、「いちご」を石井宏子君津市長からプレゼントされ、嬉しそう
選手もボランティアも大会関係者も、全員がこれからのゴルフや人生に有益な「何か」をつかんだようです。