「ヤマハレディースオープン葛城」で今季初優勝を飾った穴井詩。4日間で16ホールあるパー5を、1イーグル11バーディと荒稼ぎしたスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が解説。

37歳の穴井詩、39歳の藤田さいき、42歳の全美貞の最終組の優勝争いは、誰が勝つのか最後まで読めない見ごたえのある試合展開となりました。午前中の悪天候から晴れるコンディションや硬く速く傾斜のあるグリーンに対して、ベテランらしい守りながらも攻める心技体の高さを見せてくれたように思います。

画像: 「ヤマハレディースオープン葛城」で今季初優勝(通算6勝目)を飾った穴井詩(写真/有原裕晶)

「ヤマハレディースオープン葛城」で今季初優勝(通算6勝目)を飾った穴井詩(写真/有原裕晶)

穴井選手の今季はドライビングディスタンスは253.21ヤードで5位(1位は入谷響で257.82ヤード)とオフにしっかりとトレーニングに取り組みその飛距離は健在。今大会でもパー5で大きくスコア伸ばすゴルフで優勝を手繰り寄せました。

スウィング見てみると、フェースをボールに向けながら低く長く、ややインサイドにテークバックしてい行きます。深い捻転にもかかわらず下半身は全くブレていません。肩甲骨周りをはじめとした体の柔軟性と下半身の強さは天性の身体能力とそれを維持する努力の賜物です。

画像: ボールにフェースを向けたまま低く長く、手元を遠くにワイドにテークバックする(写真/岡沢裕行)

ボールにフェースを向けたまま低く長く、手元を遠くにワイドにテークバックする(写真/岡沢裕行)

今季からトレーナーを隔週で帯同してもらうようになり、コンディションの維持にも努めているといいますが、その成果が早速4日間大会の今大会で表れたことだと思います。

穴井選手のコーチである石井雄二コーチに話しを聞くと「バックスウィングがオーバーして振り遅れてもインパクトで合わせられる柔軟性がある」といいます。それをトップをコンパクトにして地面反力を効率よく使うことで「飛距離を落とさずに左右のブレを少なくできる」と頭と体で理解することから取り組み、トレーナーも含めて共有してきたと教えてくれました。

画像: 切り返しで左に乗り、下半身を使って回転力を高め、足を伸ばして縦の力を使って飛ばす(写真/岡沢裕行)

切り返しで左に乗り、下半身を使って回転力を高め、足を伸ばして縦の力を使って飛ばす(写真/岡沢裕行)

強いタメからアッパー軌道で振り抜くことでスピン量を増やさずに高弾道を打つ飛ばしの技術も、左右の重心移動、回転力、縦の力の飛ばしに必要なフォースの大きさやバランスも抜群です。飛ばし屋でありながらドライバーショットが上手いのも納得できるスウィングです。

昨季は30歳以上の優勝者はイ・ミニョン選手だけでしたが、今季は工藤遥加選手に続いて穴井選手とベテラン勢の活躍が続き、春先に優勝は2勝目、3勝目の期待も膨らみます。次の目標は「国内メジャー優勝」とゴールはここじゃないというマインドは、次につながる優勝となったことでしょう。これからも穴井選手の活躍は続きそうです。

女子プロの「勝者のスウィング」2025

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