
兄の遼と弟の航がそろって首位スタート(撮影/姉崎正)
兄は7バーディ、弟は8バーディ

「石川家にとってすごくいい日」と石川遼(撮影/姉崎正)
「石川家にとってすごくいい日」
石川遼が笑顔でこの日を振り返った。
スタートの10番で4メートルを決めてバーディ先行。13番パー3は第1打を3メートルにつけてスコアを伸ばした。16番からは3連続バーディ。前半を31で折り返し、後半も3番パー3でバーディを奪ってリーダーズボードを駆け上がった。
「6番アイアンで打ったショットで2回バーディを獲っている。ラッキーだなというか、そこまで距離感が合うとは想定していなかった。あとはウェッジでバーディを獲れていないし、まだ近くにもつけられていないので、スコア的には100点ですが、再現性はまだまだかと思う」

兄とタイ合宿で腕を磨いた航(撮影/姉崎正)
このオフはタイでの合宿などでマネジメントの部分を再構築し、開幕戦スタートダッシュの原動力になった。
「今日のマネジメントは悪くなかったと思います。しっかりオフにやってきたことの中でゴルフをすることができたので、別人になっちゃったなということにはならなかったし、そこはよかったです」
自己ベストの65をマークした弟の航も満足そうな笑みを浮かべた。
10番からスタートして11番でボギーが先にきたが、12番パー5でバンカーから4メートルに乗せてバーディを奪って流れを変えた。13番パー3はグリーン手前から10ヤードを58度でチップインバーディ。14番は3メートルを入れて3連続バーディを奪った。後半も4個のバーディを重ねて自己最多の8バーディを量産した。
「結果としていいスコアで上がれたのはよかったと思います。スコアが出た要因はパッティングが入っていた点です。ティーショットもよくていい位置から常にセカンドを打てたのもよかった」
リーダーズボードに兄と一緒に名前が表示されたことには、素直に喜びを口にした。
「不思議な気持ちでした。いつも自分の名前が載っているものとしては見ていないボードだったので、そこに自分の名前が載っているのはいいなと思いました」
このオフは兄のタイ合宿に参加し、腕を磨いた。その兄と並ぶ初日首位発進には「僕はこのスコアを出せる実力はない。今日はたまたまいいスコアが出ただけです」と冷静に受け止めた。
昨年大会は決勝ラウンドの2日間、初めて兄弟同組でラウンドが実現した。結果は遼が41位、航が73位と振るわなかったが、今年はまだ第1日が終わった段階とはいえ、兄弟でのワンツーフィニッシュも夢ではない。
「うれしいけど、まだ4分の1終わっただけなので、喜びも4分の1で抑えている。まだまだ長いし、いろいろなストーリーがある。100人を超える選手が出ているので、そこはあまり考えていないですね。先のことかなという感覚でいます」と遼が言えば、航は「明日もスコアがどうなるか分かりませんが、今日は自分のするべきことがしっかりできていたので、明日も集中していければいいと思います」
「石川家にとってすごくいい日」が2日目以降も続くか―。